Appleは先日開催された「WWDC 2023」にて、新たにiPadOS 17を発表した。すでにデベロッパ向けベータ版は低挙が開始されており、来月中にパブリックベータ版が公開予定。
一般にはこの秋に無料のソフトウェアアップデートとして提供される。
対応機種はiPad(第6世代以降)、iPad mini(第5世代以降)、iPad Air(第3世代以降)、12.9インチiPad Pro(第2世代以降)、10.5インチiPad Pro、11インチiPad Pro(第1世代以降)となっている。
パーソナライズされた美しいロック画面の体験
iPadのディスプレイを最大限に活用して、ユーザーはロック画面をカスタマイズし、よりパーソナルで便利な、より美しい画面にすることができる。
豊富な新しい写真機能により、ユーザーはロック画面にお気に入りの画像を設定し、新しい方法でそのスタイルを設定。
さらに個人ライブラリから写真を1枚選ぶことも、一日を通じてシャッフル表示される写真の動的なセットを選ぶことも可能になった。
また、Live Photoを選んで、iPadをスリープ解除する度になめらかなスローモーションのエフェクトが表示されるようにすることもできる。
そしてライブアクティビティがiPadOSに導入され、ユーザーはスポーツの試合や旅行プラン、出前の注文など、リアルタイムの出来事をロック画面上で把握できるようになった。
ロック画面にマルチレイヤーエフェクトが採用され、写真の被写体が際立つように、被写体を時刻の手前に動的に表示できる。
よりパワフルになったウィジェット
iPadOS 17ではウィジェットがインタラクティブになり、1回タップするだけで様々なことを実行できる。
例えば、ユーザーはウィジェットから直接、照明をつけたり、曲を再生したり、リマインダーをその場で実行済みにできるほか、WidgetKitのアップデートにより、デベロッパは自分のウィジェットにインタラクティブ性を組み込むことも可能だ。
そしてロック画面とホーム画面でインタラクティブウィジェットを利用できるようになり、操作をしたり一目で役立つ情報を得るのが簡単になった。
ロック画面では、適応型色合い調整によってウィジェットがシームレスに壁紙に溶け込むため、最適な可読性が得られる。
インタラクティブな機能が加わったことで、ユーザーはホーム画面やロック画面のウィジェットから直接、やるべきことを行ったり、メディアを再生または一時停止したり、ホームのコントロールにアクセスしたりできるようになる。
PDFでの作業がさらに簡単に
iPadOS 17は機械学習を活用してPDF内のフィールドを識別するので、ユーザーは氏名、住所、Eメールなどの情報を連絡先からすばやく入力することが可能だ。
iPadOS 17はPDF内のフィールドを識別するので、システム全体での文書への入力がかつてないほど容易に行なえる。
そしてメモアプリが大幅にアップデート。ユーザーは新しい方法でPDFを整理したり、読んだり、注釈を加えたり、共同作業をすることができる。
iPadOS 17では、PDFが全幅表示されるので、ページをめくったり、すばやく注釈を追加したり、Apple Pencilで文書に直接スケッチをしたりするのが、より簡単になった。
ユーザーは自分のメモから直接、PDFやスキャンした文書を確認し、注釈を加えることができるほか、Live共同作業により、メモをほかのユーザーと共有した際にアップデートがリアルタイムで表示される。
メモに新たな体験が導入され、PDFやスキャンした文書を自分のメモから直接確認したり注釈を加えたりするのが簡単に。
FaceTimeによる、より表現豊かなコミュニケーション方法
FaceTimeでは、相手が通話に応答しない場合に、オーディオまたはビデオのメッセージを残すことができる。
また、ハート、風船、花火、レーザー、雨などのリアクションにより、FaceTime通話がさらに表現豊かになった。新しいエフェクトは簡単なジェスチャーで発動でき、他社製のビデオ通話アプリでも活用できる。
相手がFaceTime通話に応答しない場合、ユーザーはメッセージを残して、その時に伝えたいことをそのまま記録できる。
Safariにより、ユーザーの生産性が向上
Safariの改良により、ユーザーはこれまで以上に生産性を高めることが可能だ。
「プロフィール」により、ユーザーは仕事とプライベートなど、トピックごとに別々にブラウズすることができる。プロフィールごとに独自の履歴、Cookie、タブグループ、お気に入りが保存され、切り替えるのも簡単だ。
また「プライベートブラウズ」により、ユーザーはFace IDまたはTouch IDを使って、表示しているウインドウをロックできるほか、サイト越えトラッキングに使用されているトラッカーを削除できる。
そして応答性の向上、より関連性の高い検索候補の提示、候補の読みやすさの向上により、検索体験が一段と向上される。
「プロフィール」により、ユーザーはトピックごとに別々にブラウズすることができ、プロフィールごとに独自の履歴、Cookie、拡張機能、タブグループ、お気に入りが保存される。
ヘルスケアアプリがiPadに登場
iPadOS 17では、iPadにヘルスケアアプリが導入され、ユーザーは新しい方法で自分の健康データを詳細に確認できるようになった。
iPadのディスプレイに合わせて最適化されたデザインによって「よく使う項目」の見た目が新しくなり、ユーザーはトレンド、ハイライト、詳細でインタラクティブなチャートによって、自分の健康データについての洞察を得られる。
iPadユーザーは、服薬の記録と管理、周期記録の使用、自分の一時的な感情や日々の気分の記録、複数の医療機関から取得した健康に関する記録の表示など、すべてを1つに集約された安全でプライベートな場所で行なうことができるようになった。
iPadのヘルスケアアプリは、大きいディスプレイを活用できるように設計されており、ユーザーに自分の健康データを確認するための新しい方法が提供される。
構成/清水眞希