「就職活動をしていて新型コロナに関わることを理由とした差別を受けたことがある」人は10.1%
全回答者(1,000名)に、就職活動をしていて、新型コロナウィルス感染症に関わることを理由とした差別を受けたことはあるか聞いたところ、「ある」は10.1%、「ない」は89.9%となった。
受けた差別の内容をみると、「『近づかないで』と言われた」や「コロナにかかったことを伝えると嫌な顔をされた」、「暴言を言われた」、「汚いもの扱いをされた」、「避けられた」といった合理的でない内容のものがあった。
「採用選考過程において、企業からSNSアカウントを調査する旨の通知を受けたことがある」人は11.7%
近年、企業が求職者個人の匿名のSNSアカウントを調査する、いわゆる“SNS裏アカ調査”というものがある。採用の自由の一環として、応募者について知るためにSNSアカウントを調査する企業が、コロナ禍でのWEB面接の導入を機に見られるようになった。しかし、身元調査にもなりうることから、新たな就職差別につながる恐れもある。
全回答者(1,000名)に、採用選考過程において、企業からSNSアカウントを調査する旨の通知を受けたことがあるか聞いたところ、「ある」は11.7%、「ない」は63.3%、「わからない」は25.0%となった。
また、採用選考過程において、企業からSNSアカウントを調査されたことがあるか聞いたところ、「ある」は10.7%、「ない」は60.0%、「わからない」は29.3%となった。
企業からSNSアカウントを調査する旨の通知を受けたことがある人(117名)についてみると、「ある」は65.8%となった。事前の通知どおり、SNSアカウントの調査が行われたケースは多いようだ。
SNSアカウント調査について、“調査する旨の通知を受けたことがあるか”“調査されたことがあるか”いずれも、「わからない」の回答が25.0%、29.3%を占めており、さらに多くの調査が行われている可能性もあり得る。
選考過程がWEBで実施されるにあたり、苦労した点や困った点
コロナ禍により、面接やインターンなどのWEB開催が定着しつつある。
最後に、全回答者(1,000名)に、選考過程がWEBで実施されるにあたり、苦労した点や困った点を聞いたところ、「途中で接続が不安定になる」や「自宅のWi-Fiの調子が悪いときがあり困った」、「音声が途切れずに届いているか不安になった」、「インターネット環境で不具合が起こる場合があった」、「安定したネット環境の確保」など、回線・通信状況に関するものが多くみられた。
また、「相手の表情がわかりづらい」や「相手の状況がわかりづらいので、受け答えがうまくいっているか不安だった」、「コミュニケーションが取りにくい」、「どこを見てよいかわからない」、「発言のタイミングが難しかった」、「対面でないため伝わりにくいことがあった」、「質問を気軽にできなかった」、「質問が聞き取れなかったときに何度も聞き返しづらい」、「自分の熱量が伝わっているかを測ることが難しかった」、「面接官の言葉が聞き取りづらかったり、自分の声が届きにくかったりする」など、コミュニケーションに関するものも多くあった。
さらに、「カメラのアングル」や「マイクに雑音が入っていることがわからないときがあった」、「機材を揃えないといけない」、「ビデオ通話の背景」など機材や環境の準備に関するもののほか、「オフィスの雰囲気など、会社のイメージがわきにくい」や「メイクが映えないので、顔色が悪く見えたり印象が落ちたりしないか不安だった」、「自宅でのWEB面接となると緊張感がなくなってしまう」といった回答があった。
※連合調べ
<調査概要>
調査タイトル :就職差別に関する調査2023
調査対象 :ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする
最近3年以内に就職のための採用試験(新卒採用試験、または中途採用試験)を受けた、
全国の15歳~29歳の男女
調査期間 :2023年4月1日~4月4日
調査方法 :インターネット調査
調査地域 :全国
有効回答数 :1,000サンプル
(内訳)
[性別] 男性491s、女性498s、その他11s
[最終学歴]中学校31s、高等学校214s、専門学校・短期大学161s、四年制大学・大学院588s、その他6s
実施機関 :ネットエイジア株式会社
出典元:日本労働組合総連合会
構成/こじへい