さいちがメジャーになった、地方スーパーの生き残り戦略とは?
「主婦の店 さいち」は仙台駅から車で30分。決してアクセスが良いわけではないが、80坪のスーパーながら90台以上停められる第5駐車場まで完備されている。週末やお盆にはオープン前から行列ができることも。
もちろん、おはぎを求めて訪れる方も多いのだが、さすがにそれだけで地方スーパーはやっていけないはず。小さなスーパーがメジャーになった秘訣はなんなのか?
「ウチはおはぎはもちろん、惣菜に力を入れているんですがそれらの利益率が高く、多くのお客様に支持されていることがここまで続けられた要因かもしれません」
そんな「さいち」の最近の人気商品は、手作りの玉子サンド。具沢山で320円。
そして、宮城県の老舗和洋菓子店「栄泉堂」のバター最中(210円)。最近、取り扱いを始めたばかりだが既に大評判。粒あんとバターがたっぷり詰まった最中で、ゲランド塩の塩加減が絶妙。クセになる一品だ。
※商品価格は取材時のもの
魅力的な商品も確かにそうだが、地方スーパー「さいち」躍進の秘密がもう一つある。
「雇用の確保ですね。やはり、社員やパートさんにやりがいを持っていただけることが大切。コロナ禍を乗り越えた今年は、社員、パートさんへの感謝とともに報酬を上げさせていただきました。弊スーパーは地元の多くの方に支えられているんです」
そんな「さいち」は、大手チェーンに対抗するために作られた全国のスーパーマーケットで構成される組織「CGCグループ」に加盟している。
これは、複数の独立した小売店が組織を作り、チェーン店のような仕組みで協力し合う「ボランタリー・チェーン」というシステムだ。単独で自社商品だけに頼るよりも、お手ごろ価格のPB商品も取り扱えるため、経営の一助になっているという。
最後に一番気になることを聞いた。
–さいちのおはぎは東京でも買えますか?
「今のところは販売してないです。物産展や東北フェアのイベントがあれば関東でも販売する機会はあるんですが、それ以外はないですね。すいません」
「ただ、秋保温泉のスーパーだけでなく、仙台駅でも毎週木・金・土に販売してますので、是非仙台にお越しください」
取材協力/主婦の店 さいち
文/太田ポーシャ