『たぬき』を英語で何というのか分からず、気になっている人もいるのではないでしょうか?そこで、たぬきの英語名を、アライグマとの違いと併せて紹介します。たぬきという言葉を用いたことわざもチェックし、会話に役立てましょう。
たぬきは英語で何という?
たぬきは、日本人にとっては珍しい動物ではありませんが、英語名を聞かれると答えられない人も多いでしょう。たぬきの一般的な英語名と、アライグマとの違いを紹介します。
英語名は「raccoon dog」が一般的
たぬきの一般的な英語名は『raccoon dog』で、読み方は『ラクーンドッグ』です。『Japanese raccoon dog』と呼ばれる場合もあります。
たぬきは、英語圏では自然界に生息していないため、なじみの薄い動物です。そのため、たぬき自体を知らない人も少なくありません。
北米ではアライグマの方が一般的で、『raccoon』と呼ばれています。見た目がアライグマに似ていることから、たぬきを『raccoon dog』と呼ぶようになったといわれています。
たぬきとアライグマの違い
たぬきの生息地は、日本以外では中国東部から東北部・モンゴル東部・ロシア南東部・サハリンなど極東地域が中心です。アライグマは近年、日本の一部の地域にも生息していますが、もともとは北アメリカ原産の生物です。
たぬきがイヌ科の生物なのに対して、アライグマはアライグマ科の生物という点も異なります。見た目にも違いがあり、見分けやすい大きな違いは尻尾です。アライグマの尻尾はしま模様になっていますが、たぬきの尻尾はしま模様がなく短めです。
また、たぬきは目の周りから首にかけて黒い毛で覆われており、ヒゲが黒いという特徴もあります。アライグマは目の周りと鼻筋が黒い毛に覆われており、ヒゲが白いのも異なる点です。
「たぬき」が入ったことわざの英語表現
日本には数多くのことわざがあり、たぬきという言葉が用いられるものも少なくありません。たぬきに関することわざの英語表現を知り、知識を深めましょう。
捕らぬたぬきの皮算用
不確実なことを期待して、計画を練るという意味のことわざに『捕らぬたぬきの皮算用』があります。英語で表す際には、ほぼ同じ意味を持つ「Don’t count your chickens before they are hatched.(ヒナのふ化前にニワトリの数を数えるな)」ということわざを用いるとよいでしょう。
<例文>
Tom already bought a new car with his expected bonus, but he’s counting chickens before they hatch as the bonus is not yet confirmed by the company.
トムは期待されるボーナスで新車をすでに購入した。会社からのボーナスはまだ確認できていないので、捕らぬたぬきの皮算用だ(ふ化前にニワトリの数を数えている状態だ)
他にも「Catch the bear before you sell its skin.(毛皮を売る前にクマを捕らえよ)」という似た表現もあります。
たぬき寝入り
日常会話で使われることもある『たぬき寝入り』は、寝たふりをするという意味です。英語では『pretend to sleep』や『play possum』などと表現できます。
『possum』はフクロネズミのことで、自分の身に危険が及ぶと死んだふりをする習性があることから、寝たふりをする、または死んだふりをするという意味で使われています。
<例文>
When the teacher caught me talking in class, I played possum to avoid getting in trouble.
授業中におしゃべりしているところを先生に見つかったとき、面倒なことにならないよう、たぬき寝入りした
同じ穴の貉(むじな)
『同じ穴の貉』は、一見違うように見えても実際には同類であるという意味のことわざです。貉は、アナグマやたぬきを指しています。
英語では『birds of a feather flock together(類は友を呼ぶ)』が語源となった、『birds of a feather』と表現します。
<例文>
She and her friends are birds of a feather, always hanging out together and enjoying the same activities.
彼女と友人たちは、いつも一緒につるんで、同じ穴の貉だ
なお、使い方によっては攻撃的に感じられる可能性もあるため、使用するシーンに注意しましょう。
きつねとたぬきの化かし合い
ずる賢い者同士が、だまし合うことをたとえた『きつねとたぬきの化かし合い』は、英語では『outfox each other(だまし合い)』や『battle of wits(知恵比べ・知能戦)』と表現できます。
outfoxという英単語には『出し抜く・裏をかく』という意味があり、witは『知力・知恵』という意味があります。
<例文>
During negotiations, both companies tried to outfox each other by making strategic moves and proposals.
交渉では、両社とも戦略的な動きや提案を行い、きつねとたぬきの化かし合いをした
犬一代にたぬき一匹
一生に一度あるかどうかの大きなチャンスという意味を持つことわざが、『犬一代にたぬき一匹』です。犬がたぬきを捕らえられるチャンスは、めったにないということが語源です。
英語では『chance of a lifetime(一生に一度のチャンス)』や『golden opportunity(絶好の機会)』などと表現します。
<例文>
Being invited to perform in Carnegie Hall was a chance of a lifetime for the young musician.
カーネギーホールでの演奏に招待されたことは、若い音楽家にとって犬一代にたぬき一匹でした
構成/編集部