最新のモバイル広告収益&アプリ内課金のトレンドを分析するレポート『2023年アプリ収益市場年鑑』
data.ai は、2023年4月に発表した新製品『Total App Revenue』によるデータを基にした、モバイルアプリ市場におけるトッププレイヤーの収益化戦略に迫る最新のレポート『2023年アプリ収益市場年鑑』を発表。
新しい『2023年アプリ収益市場年鑑』レポートでは、業界初となる競合アプリの広告収益の分析も含め、5000億ドルのモバイル経済の収益を全て細分化した。
以下、本レポートより、日本のモバイルアプリ収益市場に関わるキートピックスを抜き出して紹介しよう。
モバイルアプリ収益市場5,000億ドルの3分の2は広告収益!日本のトップは「ピッコマ」
モバイル広告収益:トップアプリ&企業(2022年、日本、iOS & Google Play)
モバイルアプリの経済規模は 5,000 億ドルで、そのうち3,360億ドル(67%)は広告、 1,670億ドル(33%)がアプリ内課金によるものであった。
この広告収益の内の概ね65%はInstagramやTikTokを含む非ゲームアプリが占めており、残りの35%をゲームアプリが占めていた。ゲームアプリが消費の大半である66%を占め、残りの34%を非ゲームアプリが占めるアプリ内課金とは真逆の傾向を示している。
2022年、モバイル広告収益が最も多かった地域は北米で、世界のモバイル広告収益の約半分を占めた。次いで、アジアが 23%(2位)(中国を除く)で、ヨーロッパが19%(3位)という結果に。
日本の広告収益トップとなったアプリはピッコマであった。企業単位では、LINEとLINEマンガの2アプリがアプリ別ランキングにそれぞれ3位、5位でランクインしたLINE社がトップに。
アプリ内課金では、消耗型課金が台頭!日本のアプリ内課金トップは、ウマ娘とYouTube
アプリストア収益:トップアプリ&企業(左:一回限りの購入、右:サブスクリプション)
(2022年、日本、iOS & Google Play)
グローバルでは、一回限りの購入による課金(消耗型課金)はゲーム以外の分野でも主流になっている。本課金モデルは、TikTok のクリエイター・エコノミー・モデルで広く知られるようになった。
エンターテイメントアプリは、今もサブスクリプション型課金が売上のシェアのほとんどを占めている。日本における上位 3 位のアプリは、YouTube、LINE MUSIC、Pairsだ。
アプリ内課金のうち一回限りの購入額ではウマ娘プリティーダービーが、サブスクリプションではYoutubeがそれぞれ1位となった。
TikTok、Instagram、Snap、Twitter、Facebook、LinkedIn を含む上位 20アプリの 65%は、アプリ内課金と広告収益の両方の収益源を持っている。
Candy Crush Saga やPUBG Mobile などのトップゲームアプリや、YouTube 、Disney+などのストリーミングアプリも、マネタイゼーション・ミックス戦略を採用。
YouTube の場合、収益の約90%は広告によるものだが、残りの10%は広告を削除するためのアプリ内課金によるものだ。
LINEは広告収益において日本のトップ10アプリに2つのアプリが含まれているだけでなく、アプリ内課金の両カテゴリの双方においてもLINEマンガ、 LINE MUSICがそれぞれランクインを果たした。
モバイル広告収益は、収益の大きな割合を占めるばかりでなく、2022年には、経済的逆風が吹く中でも、前年比で14%増と大きく成長。
2022年に見られた不利な状況としては、欧州での一般データ保護規則(GDPR)やApple社の App Tracking Transparency(ATT)などが挙げられる。
逆に、アプリストアの消費者数は、インフレ懸念によって消費者の予算が引き締まったことで、2022年、前年比2%減とわずかに減少していた。
関連情報:https://www.data.ai/jp/go/total-app-revenue-insights-report-2023/
構成/Ara