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国内メーカーのスマホ事業撤退が相次ぐ中、アメリカから上陸したブランド「Orbic」の狙い

2023.06.08

京セラ、バルミューダのスマートフォン事業撤退や、FCNTの経営破綻など、2023年のスマートフォン市場は暗いニュースが続いていますが、〝去る者あれば来る者あり〟、アメリカ発のデジタル機器メーカー「Orbic(オルビック)」が、スマートフォン、タブレット、完全ワイヤレスイヤホンの3種類4モデルを引っ提げて、日本市場への参入を発表しました。

Orbicは2006年に創業されたデジタル機器メーカー。日本での知名度こそまだまだ低いものの、アメリカではスマートフォン、タブレットをはじめ、Wi-Fiルーターやネットワークサービスなども展開している新興メーカーです。

日本市場では、日本法人として「Japan Orbic」を設立し、第1弾製品として4Gスマートフォン、4Gタブレット2モデル、完全ワイヤレスイヤホンを2023年6月下旬より発売します。

新興メーカーOrbicが〝今〟日本市場に参入するわけ

先にも触れた通り、年々厳しくなっている日本のスマートフォン市場に、あえて〝今〟参入するOrbic。Japan Orbic社長のダニー・アダモポウロス氏は、「撤退するメーカーがあるということは、私たちが入っていく、空白を埋めるチャンスがある」と話しています。

Japan Orbic社長 ダニー・アダモポウロス氏

2006年創業と、デジタル機器メーカーとしては歴史の浅いOrbicですが、社内にはサムスンやノキア、モトローラといった大手メーカー出身者が多数在籍しており、タフなマーケットでもやっていけるノウハウと自信があるとのこと。実際、日本市場への参入は、準備を始めてからおよそ12か月という短い期間で実現しています。

ダニー氏いわく、日本市場は地政学、技術的背景、消費者のセグメントといった観点から、期待値の高い市場とのこと。タフなマーケットではあるものの、同社の様々な経験の蓄積を活かし、多くのOEMメーカー(他社ブランドの製品を製造するメーカー)がたどり着けなかったレベルに到達できると、自信をうかがわせています。

Orbicが日本の事業者、小売業者と協議を進める中で気づいたのは、各メーカーがハイスペックなプレミアムモデルに注力していることだそう。円安や半導体不足といった影響もあり、ハイエンドスマートフォンの多くが20万円近くまで高騰しているのに加え、通信キャリアが端末と回線をセットで売る場合の値引きは2万2000円までと決められていることから、消費者のニーズとかけ離れていると指摘しています。

Orbicとしては、消費者が本当に必要としている、毎日のタスクをこなせる基本的な機能を持ったデバイスをお得な価格で展開していき、グローバル企業ではあるものの、日本ローカル企業のような距離感でユーザーとフレンドリーな関係を築いていきたいとしています。

Orbicデバイス第1弾は3種類4モデル

そんなOrbicが日本市場参入の第1弾製品として発売するのが、4Gスマートフォンの「Fun+ 4G」、4Gタブレットの「TAB8 4G」と「TAB10R 4G」、完全ワイヤレスイヤホンの「Orbic Ear Buds」の4製品です。いずれも6月下旬より順次発売予定となっており、MVNO各社や量販店各社、一部ECサイトにて取り扱い予定となっています。

4Gスマートフォン「Fun+ 4G」

Fun+ 4Gは、メモリ4GB、ストレージ64GB(microSD最大1TB対応)、Snapdragon 680 4Gプロセッサーを搭載したエントリークラスのスマートフォン。本体カラーはホワイトとブルーの2色展開で、市場想定価格は2万4800円となります。

ディスプレイは6.09型のTFT液晶で、バッテリーは4000mAh、質量は約192gです。初期搭載OSはAndroid 12で、本体背面に指紋認証センサー、本体上部には3.5mmイヤホンジャックを搭載し、IP54の防水防塵性能を有しています。顔認証や急速充電、ワイヤレス充電、おサイフケータイ機能には非対応となります。

デザイン的には数年前のAndroidスマートフォンを感じさせるものですが、有線イヤホンやmicroSDカードが使用できる格安スマートフォンは魅力的。2年間のセキュリティアップデートが保証されているので、安心して使えるという観点でも、十分ニーズはあるでしょう。

4Gタブレット「TAB8 4G」、「TAB10R 4G」

タブレットは「TAB8 4G」と「TAB10R 4G」の2モデル。名前の通りいずれも4G LTE通信に対応し、Snapdragon 680 4Gを搭載。メモリ、ストレージ容量はTAB8 4Gが3GB+32GB、TAB10R 4Gが4GB+64GBです。タブレット2モデルも、スマートフォンと同様にAndroid 12をプリインストールし、2回のアップデートが保証されています。

TAB8 4G

TAB8 4G 背面

TAB8 4Gは8型TFT液晶を採用し、解像度はHD+(1280×800)。バッテリー容量は4300mAhで、本体質量は約416gと軽量なため、タブレットを屋外に持ち出して使用したいという人におすすめ。市場想定価格は2万7800円です。

TAB10R 4G

一方、TAB10R 4Gは10.1型TFT液晶を搭載で、解像度はこちらもHD+(1280×800)。Mil-STD 810相当の堅牢度を有しており、防水防塵性能もIP65に対応。購入時にはスタイラスペンも付属します。市場想定価格は3万9800円。

タブレット2モデルも、スマートフォンと同様にエントリークラスのスペックではありますが、販売価格の安さがなによりの特徴。特に近年は巣ごもり需要もあり、Androidタブレット市場は徐々に盛り上がっているので、これを機にタブレットデビューをしたいという人にもおすすめです。

4800円で購入できる完全ワイヤレスイヤホン「Orbic Ear Buds」

完全ワイヤレスイヤホン「Orbic Ear Buds」は、市場想定価格が4800円と安価ながら、Bluetooth 5.2に対応し、通話時のノイズキャンセリング機能を搭載。コーデックはSBCとAACになります。

本体室用は片耳約5.2g、充電ケースは約28.2g。特にケースはかなりコンパクトで軽量なデザインなので、ポケットに入れても邪魔になりにくいのが魅力。連続音楽再生は約5時間、連続通話時間は約4時間となっています。

独自のクラウドサービス「Orbic Cloud」も提供開始

製品の発売に伴い、写真やPDFファイルといったデータを保管できるクラウドサービス「Orbic Cloud」も提供開始。Fun+ 4G、TAB8 4G、TAB10R 4Gでは、5GBが無償で使用できます。

日本市場への積極投資、通信キャリアとの連携にも期待

ダニー氏の宣言通り、第1弾製品はいずれも安価で多くの人が手に取りやすいラインアップとなります。今回はスマートフォン、タブレット、完全ワイヤレスイヤホンが販売されますが、OrbicはアメリカでPCやインターネットサービスも展開しており、特に折りたたみ型のフィーチャーフォンではアメリカNo.1シェアを誇ります。記者説明会では、今後フィーチャーフォンを日本市場に投入することも示唆されており、精力的な製品展開に期待ができます。

また、第1弾製品は、まずOrbicというブランドを広く認知してもらうために、オープンマーケット向けに展開するものの、今回登場した製品とは別に、日本の通信キャリアとも話し合いは進めているとのこと。日本市場向けのカスタマイズともいえる、おサイフケータイ機能の搭載やマイナポイントへの対応なども協議していると話しています。

冒頭でも触れた京セラ、FCNTの2社は、通信キャリア向けモデルとしてらくらくスマホ、かんたんスマホ、フィーチャーフォンといった製品を製造してきたメーカーでもあるため、これらの製品を使ってきたユーザーにとっては、乗り換え先が定まっていないような状態。ダニー氏が話すように、〝空白を埋めるチャンス〟はあり得ます。今後、スマートフォン、通信事業のノウハウを持ち、ユーザーのニーズを満たすことに注力するメーカーとして、日本の通信キャリアとどのように協業しながら、〝空白〟を埋めることができるのかに注目です。

取材・文/佐藤文彦

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