今や生活に定着した継続型定額制、サブスクリプションサービス。特に映画や音楽ではサブスクがスタンダード化。悩ましく増えるその削減術を達人が指南する。
サブスク評論家
大和貴人さん
慶応義塾大学を卒業後、三菱東京UFJ銀行(当時)に入社。2019年にユニベルをスタートアップし、サブスク紹介サイト「コスパ部」を運営する。
ムダを省いて見直すだけでサブスクの固定費は一気に下がる
家計を圧迫する可視化しにくい固定費こそエンタメ系サブスク。コロナ禍で増えたこの支払いをどう削っていけばいいのか。サブスク評論家の大和貴人さんに聞いた。
「エンタメ系は加入・解約が自由にできるので、使わない月や見たい番組が終了したら即解約し、使う月だけ加入するのもコツです」
現在加入しているサービスの絞り込みも総額の圧縮に直結する。
「加入率の高い動画のサブスクは、オリジナルコンテンツを除くと、さほど内容が変わらないので、複数利用しても意味はありません。1ジャンル1つに絞り、年払いプランへ変更したり、無料期間につられ、ゾンビ会員で加入し続けるムダなサービスを整理すれば、出費はかなり抑えられますよ」
家族4人を例に見直したところ、必要なサービスは残しつつ、何と年間約5万5000円も削減。サブスク断捨離、恐るべし!
サブスクの見直し3STEP
【STEP1】加入しているサブスクをすべて洗い出す
記憶だけに頼った洗い出しはNG。使わずに料金のみ支払っている〝放置サブスク〟は存在すら忘れているケースも。そうなると解約対象の網にかからず、いつまでも払い続ける羽目になる。まずは引き落としに使う口座すべてに目を通してみる。Excelなどで一覧リストを作っておくと、ムダなものを解約しやすくなる。
加入状況をチェック
アプリを使ってチェックできるサービスも!
Zaim『定額サービスチェッカー』
オンライン家計簿サービス「Zaim」の利用者向けサービス。現在契約しているサブスクサービスの課金情報を、家計簿から自動で一覧化できる。
【STEP2】何を残して何を続けるか精査する
在宅時間の増えたコロナ禍に、家族で楽しめそうな複数のサブスクに加入した人は多かったはず。家族の生活がコロナ前に戻り、自宅でエンタメを楽しむ時間が大幅に減った現状を見据え、本当に使うかどうかを取捨選択。必要なサブスクだけを残すとともに、プランの見直しもしていきたい。
金額上限を設定
サブスク費は、ボーナスを除く毎月の手取り収入の1%が適正コストの目安。金額を超えたら、はみ出た分は解約する習慣をつけよう。
プラン見直し
年額契約やファミリープランといった、単月契約よりもお得で、利用環境に合ったプランがあれば、すぐに切り替えるべき。
重複チェック
社会人の場合、月にエンタメ系サブスクを利用する時間は限られている。同ジャンルで2社以上に加入しても、高確率でムダになる。
【STEP3】「迷ったら解約」が鉄則
動画や音楽のエンタメ系サブスクは、契約に縛りがなく、好きな時に解約ができるのも特徴。長期間契約を継続しても見返り特典はないので、退会を引き延ばす理由はない。もしも興味のあるコンテンツがスタートしたら、その時に再度加入すれば、ズルズル期間のムダを省ける。