ここ数年で劇的に安くなったスマホ料金。家族で再点検すれば大幅削減の可能性も。ネット回線、固定電話とともに見直すコツをライター・太田氏が解説。
テックライター
太田百合子
PC、スマホからウェアラブル、IoT機器まで、身近なデジタルガジェットと、それら通じて利用できるサービスや周辺ビジネスを中心に取材・執筆している。
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2023年4月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
知っておきたい基礎知識
【1】そもそも通信費とは……
固定電話 スマホ料金 インターネット通信料
通信費には自宅のインターネット、スマホ料金の他、固定電話も含まれる。ここ数年で料金が下がっているスマホは、未着手なら大きく削減できるはず。なお、アナログの固定電話は2024年に終了予定で、その多くは光IP電話に置き換わっている。光IP電話は光回線とのセットでの利用が基本。ネット環境の見直しと共に、固定電話が必要かも検討したい。
【2】現在、スマホの選択肢は大きく4つ
大手キャリアはメインブランドのほか、オンライン専用ブランド、サブブランドを展開。オンライン専用プランは、申し込みやサポートの窓口がオンラインだけの代わりに、料金が安価。大手キャリアの通信設備を借りて安価なサービスを提供する、MVNOも選択できる。
(※1) MNOは「Mobile Network Operator」の略で、「移動体通信事業者」のこと。一般的に「大手キャリア」と呼ばれる事業者で、自社の回線網を使用して通信サービスを提供する。一方、MVNOは「Mobile Virtual Network Operator」の略で、「仮想移動体通信事業者」を指す。MNOから回線網を借りて通信サービスを提供する。
【3】上の表の縦移動・横移動が簡単なった
ユーザーの囲い込みを防止するためのルールが見直されて、違約金やMNP手数料は廃止に。また2021年10月以降、スマホはSIMフリーが基本。上の表の縦にも横にも乗り換えが簡単にできるようになってきている。2023年5月下旬から、MNPの手続きがさらに簡単になるのだ。
料金相場は3年で3000円減!家族で見直さないと損!
固定費の中でも家計に占める割合が大きく、見直しによる節約が可能なのが通信費だ。特にスマホ料金は、2019年10月の楽天モバイルの新規参入以降、大手キャリアによるオンライン専用プランの開始、MVNOの一斉値下げなど、ここ数年の動きが激しく、この間に見直しをしていないなら大幅削減も夢ではない。
MMD研究所の調査では、2020年には8312円だった、大手キャリアのユーザー1人当たりの平均売上金額は、2023年には5150円と、3000円以上も下がっている。大手キャリアだけでなく、サブブランドやMVNOでも下がっていることから、より安いプランが選べる状況になっていることがわかる。
また、違約金やMNP(※2)の手数料が撤廃されるなど、キャリア間の乗り換えも、以前に比べるとかなり手軽にできるようになっている。スマホの販売方法も、最近では端末と通信サービスが完全に分離されていて、SIMロック(※3)もない。使いたい端末と通信サービスのバンド(周波数)がマッチしているか注意は必要になるものの、例えば、ドコモで買ったスマホで、ワイモバイルのサービスを利用するなんてこともできる。
乗り換えがしやすくなったということは、それだけサービス選びの自由度も高くなったということ。では、何を基準に選べばいいのか。ポイントは無駄を省くことだ。まずは今利用しているキャリアのマイページにアクセスして、自分が月にどのくらいのギガを使用しているか確認してみよう。必要以上にギガ数の大きなプランを契約していないだろうか? あとはその数字に合わせて、上の表を参考により安価なプランに乗り換えれば、通信費を下げられる。家族全員分を見直せば、大きな節約になるはずだ。なお、上記のプランは一部を除き、音声通話が別料金となっている。通話をよくする人は、オプションの追加を検討しよう。
もし将来、月の使用ギガ数が増減したら、その時にまたプランを選び直せばいい。手続きはオンラインでできるし、乗り換えも簡単。こまめに見直しすることで、無駄をなくせるはずだ。
※2 「Mobile Number Portability」の頭文字を取った言葉で、携帯電話番号を変更することなく他の携帯電話会社の通信サービスに乗り換えることができる制度のこと。※3 特定の通信事業者が提供する通信サービスのみを利用できるようにするため、ロックをかけること。
スマホ代見直し
毎月の使用ギガ数から最適な乗り換え先を選ぶ
Wi-Fi環境があれば10GB以下で足りる
スマホ利用者の月間データ通信量の平均値は、10.09GBで中央値は3GB(※4)。多くの人が3~10GBで足りている。
※4 MM総研、2023年1月「携帯電話の月額利用料金とサービス利用実態」調査より。