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洗練されたデザインと絶妙なサイズ感が心を揺さぶるアルファロメオのミドルクラスSUV「トナーレ ファーストエディション」

2023.06.03

 2018年、アルファロメオは100年以上のクルマづくりの歴史の中で、初めてSUVを発売した。車名は「ステルヴィオ」。アッパーミドルクラスのスポーツSUVだった。そして、2023年、SUVの第2弾が日本に上陸した。車名は「トナーレ」。イタリア北部、スイスとの国境近くのトナーレ峠から付けられたミドルクラスのSUVだ。「ステルヴィオ」がイタリアアルプスで48か所のヘアピンカーブがあるステルヴィオ峠から付けられたのと同じ。峠道を軽快に走り抜けるスポーツ走行が得意なSUVだ。

 ボディーサイズは全長4530mm、全幅1835mm、全高1600mm、ホイールベース2635mmだ。車幅が1.8mをちょっとオーバーしているが、比較的扱いやすいサイズに収まっている。アルファロメオの象徴でもある、逆三角形の盾のフロントグリルを中心に3連のU字型デイタイムランニングライトや初採用のマトリクスLEDヘッドライトが装備されている。

このヘッドライトは、カメラによる前方認識や車速や走行状況に応じて照射範囲や照射距離を自動で最適化する機能を与えられている。リアのデザインも3連型のLEDコンビネーションランプを採用している。用意されたグレードは、Ti(注文生産)と導入記念モデルのエディツィオーネ・スペチアーレだけだったが、2023年2月には導入記念モデルの代わりに、ヴェローチェが加わった。車両本体価格は、Tiが524万円~、ヴェローチェは589万円~、となっている。

 パワーユニットは1車種のみの設定。直列4気筒、1.5ℓのガソリンターボ+マイルドハイブリッド用モーターの組み合わせだ。ガソリンエンジンは160PS、240Nmで、モーターは20PS、55Nmを発生する。ミッションは7速のATで、前輪を駆動するFF方式を採用している。

 安全性能もフルADASや4つのカメラで捉えた車両周辺の映像をモニターに映し出す駐車支援やレーンキーピングアシストを備えている。インフォテイメントシステムも最新世代を装備。ナビシステムは日本のアイシン製を採用したほか、車載通信モジュールは全グレードに標準搭載した。スマホアプリやweb専用ポータルサイトを介しての情報収集も可能だ。

 試乗車は、導入記念モデルの「Edizione Speciale」が570万円。Dレンジを選択し、ドライブモードはnを選ぶ。コンソール上のドライブモードスイッチはダイヤル式で、d/n/aが設定されている。

 スタートからの動きはモーターの力を得ているので、本当にスムーズに走り出す。モーター単独でのアシストはせいぜい15~20km/h。そこからは1.5ℓのターボエンジンが加速の主役。1.5ℓターボは、6000回転まで回り、車体をグングン引っ張る。

 ちなみに、5000回転までマニュアルモードで加速しても1速40、2速60、3速90、4速125km/h。100km/hの巡航は7速2100回転、6速2500回転、5速3100回転となる。モーター+エンジンのトルクは1500回転あたりから、もりもりと湧いてくるので、Dレンジでも、スポーティな感覚で走ることができる。

 マイルドハイブリッドでのモーター走行は約30km。スポーツモデルの「トナーレ」らしいのは、モーター走行中でも無音ではなく、走行音が室内に入ってくる。エンジンが始動してからも、常に何かしらの音は発生しているマイルドハイブリッドの電池は走行中に充電もできる。dモードを選択して走行すると、短時間で、充電は75%まで行なわれる。

 例えば、高速道路に乗るまでモーターで走り、電池を使い切っても高速走行中にdモードで走行すれば、高速道路を降りた時は、再び、電池での走行ができるというわけだ。ハンドリングはnモードでは低速の直進時に少しアソビ的な動きが感じられたが、コーナーでの動きはハンドルの動きにリニアに反応していた。乗り心地はやや硬め。

dモードになると乗り心地はフラットになる。細かい凹凸やカーブでのゼブラ舗装でも不快な振動はなく、サスペンションが吸収してくれるのがわかった。aモードはその中間の動き。dモードが最もアルファらしいと思う。

 コラムから直接、生えているパドルレバーは、コーナーでの動きでも正確にシフトできた。このあたりにアルファロメオのスポーツスピリットが感じられる。乗り心地に関しては、試乗車は235/40R20サイズを装着していたが、若干オーバーサイズを感じるシーンもあった。Tiに装着されている19インチサイズのほうが、よりバランスのとれた動きが期待できそうだ。

 室内は、前席はやや高め。Aピラーの角度は寝かせ気味だが、頭が上縁にぶつかることもなかった。後席はやや高めの着座だが、頭上のスペースは身長165cmクラスまでなら、圧迫感もない。足元は広々とはしていないが、床中央の盛り上がりも小さく、狭くはなかった。後席ドアのウインドも全開できるなど、実用性も高い。後席は6対4で分割可倒+アームレストスルーも備えており、こちらも実用性は高かった。サブトランクも深さは約240mmもあり、こちらも実用性は十分。

 イタリアの名門アルファロメオがSUVの第2弾として投入した「トナーレ」は実用性も高いミドルクラスのマイルドハイブリッドスポーツSUV。現在の日本でのアルファロメオの知名度の低さ。ディーラーの数が少ないのは致命的だが、もっと注目されてもおかしくはない。認知度の低さが残念でならない。

■関連情報
https://www.alfaromeo-jp.com/models/tonale

文/石川真禧照(自動車生活探険家) 撮影/萩原文博

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