車関連の用語には「SA(サービス・エリア)」や「ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)」のように英語の略字で表現するものが少なくない。「ETC」もそんな言葉の一つだ。高速道路にある“あれ”のこと、とイメージはできても、英語の正式名称や高速のETCレーンの通行方法などは知らない人も多いかもしれない。
そこで本記事では「ETC」の言葉の意味と読み方、高速道路での使い方、「ETC」と混同されやすい英語の「etc.」についても解説する。
ETCとは?読み方や略語の意味
ETCの読み方はアルファベット読みの「イーティーシー」。英語の「Electronic Toll Collection System(自動料金収受システム)」の頭文字を取った言葉で、高速道路や有料道路の料金所で無線通信を介して通行料金を支払うシステムを指す。
ETCは何のためにある?
ETCは、料金所での通行料の支払いをスムーズに行い、高速道路の渋滞を緩和する目的で導入された。通常、ETCのない料金所では通行料を決済するときにゲート手前で車を停止させ、待機している職員に現金やクレジットカードで支払う必要がある。ETCではこれらの料金支払いを、無線通信を介した電子決済で行うため、わざわざ車両を停止させる必要がない。また、車種や走行区間を自動で認証し、料金を自動計算して決済するため現金等を用意する手間も省ける点がメリットだ。
ETCの使い方
ETCを利用する際は、決済用の「ETCカード」と自家用車に取り付ける「ETC車載器」が必要となる。また、実際の高速道路でETCを利用する際のやり方(走行方法)も知っておこう。
ETCカードとETC車載器の入手方法は?
ETCカードは、クレジットカード会社が発行している。本カードに紐づけて使えるETC決済専用のカードで、本カードとは別に申し込む必要があるが、発行手数料や年会費は無料としているカード会社も多い。
ETC車載器は、車用品店やディーラー、家電量販店、オンラインショプ等で購入できる。初めて使用する際は、搭載車の情報を暗号化して登録する「セットアップ」と呼ばれる作業が必要となるため、近隣の「車載器セットアップ店」に依頼しよう。車用品店や自動車整備工場には、ETCのセットアップ店として登録している店舗が多く、車載器の購入からセットアップまでをワンストップで依頼できる業者もあるためチェックしておきたい。
高速道路でのETCの使い方は?
高速道路でETC決済をする場合は、車載器にETCカードをセットした状態で料金所の「ETCレーン」を利用する。ETCレーンに侵入する際は、時速20km以下まで減速し、レーン内では徐行して開閉バーが開いてから通過しよう。また、充分な車間距離をとるよう心がけたい。
ETCレーン内で減速するのは、一般レーンを抜けてくる車両との合流をスムーズに行うためであり、また、ゲートが開かなかった場合の臨時停車や後続車の追突事故を避ける目的もある。速度が速すぎるとシステムがETCカードを読み取れないため、という説が語られる場合もあるが、実際は一般レーンの利便性と事故防止への配慮といえるだろう。
混同に注意!英語の「etc.」の意味と読み方は?
車用語の「ETC」とは別に書類やインターネットの文章中に「etc.」という表現を見たことがある人も多いだろう。小文字であるだけでなく、「etc.」は「ETC」とはまったく別の意味を持つ言葉だ。
「etc.」はラテン語の「et cetera」の略語。意味は「など」「その他」
「etc.」はラテン語の「et cetera」の短縮形で、英語での発音は「エトセトラ(アクセントは“セ”の部分)」。「など」「などなど」「その他」を意味する言葉だ。
「etc.」の使い方と書き方
「etc.」は3つ以上の名詞を列挙して、「それ以外にも該当するものがある」というニュアンスを出したい場合に使われる。例えば、「A and B, C, etc.」と書いて、「A、B、C、その他(などなど)」といった具合だ。
書く場合には必ず「etc.」と省略語であることを表すピリオド(.)を忘れないようにしよう。なお、「etc.」は英語の表現だが、日本語の名詞の語尾に付けて「新聞、テレビ、ネットニュースetc.」のように使う例も見られる。日本語で「など」「その他」と書くよりも表現を軽くしたい場合や、漢字・ひらがなと区別したい場合などに使われるケースが多い。
※データは2023年5月下旬時点のもの。
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文/編集部