日用品流通の情報基盤を運営するプラネットは、消費財や暮らしにまつわるトピックス『Fromプラネット』 の第205号として、ポイ活に関する意識調査の結果をリリース。本稿では、その概要を紹介していく。
なお今回の調査は株式会社プラネットによる調査企画をもとに、株式会社ネオマーケティングにて「ポイ活」に関する意識調査を実施。2023年4月7日~12日、インターネットで4000人から回答を得た。
ポイントサービスは “よく利用する店舗” で “10年以上利用” が主力
最近はスマホアプリで提供されるサービスも増え、利便性が高まっているポイントサービス。さまざまな手段を駆使してポイントを貯める「ポイ活」という言葉も生まれている。
まず、ポイントサービスの利用状況について、さまざまな側面から聞いた。
図表1は、そもそもポイントサービスをどの程度力を入れて利用しているかを聞いた結果になる。「情報収集をするなど、積極的に利用」28.6%に対し、「よく利用する店舗やサービスだけで利用」は50.9%と倍近くにのぼり、自然体でサービスを利用している人が半数に。
「あまり積極的には利用していない」は9.6%、また「以前は利用していた」を含め「利用していない」は10.9%と、消極利用派より非利用派が多い結果となった。
利用期間では(図表2)「10年以上」が43.6%と最多、次いで「5年~10年未満」18.0%と、6割以上の人が5年以上と回答。「半年未満」3.7%、「半年~1年未満」2.9%と利用経験が浅い人は計6.6%にとどまっている。
もはや、“買い物の際にポイントサービスを利用するのはデフォルト”とも言えそうだ。
次は過去を含め利用経験がある人に、使っている/使っていたサービスの数を聞いた(図表3)。
42.8%と最も多かったのが「4~6種類」、これに「1~3種類」が36.0%と6.8ポイント差で続きました。対して「7~9種類」12.3%、「10~12種類」5.4%、「13種類以上」計3.5%と、7種類以上は全体の2割強にとどまる結果に。
“何でも”というより、“厳選・集約して、効率よく”ポイントを集めている人が多いようだ。
利用サービスは“共通ポイント”が他を圧倒
さまざまな小売りやサービスの業態でポイントサービスが提供されているなか、サービスの利用経験がある人に、どういった種類のサービスを利用している/していたのかも聞いた(図表4)。
最も多かったのはTポイントや楽天ポイントなどといった「共通ポイント」で、81.9%とほかを大きく引き離した。店舗ごとのサービスと併用できる、QRコード決済でもポイントが付与されるなど、ポイント獲得の場が広いことも利用率を押し上げている理由だろう。
これに続いたのが、やはり汎用性のある「クレジットカード」63.7%、利用頻度が高い「スーパー」60.5%、「ドラッグストア」57.3%、そして「インターネット通販」55.9%だった。
性年代別では、「共通ポイント」は男女とも中高年で高値傾向を示し、特に男性30代以下を中心とする若年層が低位なのは少し意外かもしれない。
「クレジットカード」は年齢層が高い傾向がより鮮明だ。日用品の買い物で利用する「スーパー」「ドラッグストア」では女性が男性を各12ポイント・24.4ポイント上回っており、特に「ドラッグストア」では女性の全年代で高値を示した。
男性が女性を上回るのは「家電量販店」のほか、交通系の「鉄道系」「航空会社」に。若年層では「飲食店」「CD・書店」「ショッピングビル」が全体より高い傾向を示している。
貯めたポイントの用途は“堅実”路線
では、どれくらいのポイントを貯め、どのように使っているのだろうか。1年間で貯めたポイントを金額換算してもらったところ(図表6)、「1万円~3万円未満」が29.5%と最多に。
これに「1000円~5000円未満」23.7%、「5000円~1万円未満」19.3%が続き、「10万円以上」という“強者”も4%いた。
これを図表1のポイントサービスの利用状況とクロス集計すると、「5000円~1万円未満」では「積極的に利用」17.1% vs 「あまり積極的には利用していない」17.8%と差はないが、「1万円~3万円未満」だと34.1% vs 16.5%、「5万円~10万円未満」9.1% vs 2.6%、「10万円以上」7.9% vs 2.1%と積極派が非積極派を上回り、「1万円以上」の合計では63.1% vs 25.7%と37.4ポイントもの大差がついた。
貯まったポイントをどのように使うかでは(図表7)、「日常的な買い物」69.7%、「電子マネーに変換」45.4%、「商品券・クーポン券、航空券などと交換」26.6%がベスト3と、堅実な用途が上位に並び、「少し贅沢なものや高額品の買い物」の“ご褒美使い”は14.9%にとどまった。
性年代別では、「日常的な買い物」「電子マネーに変換」「商品券などに交換」は子育て世代を中心とした女性で高い傾向がみられた。
若年層では「少し贅沢なもの」や「公共料金・通信費の支払い」の比率が高い傾向にあり、特に「ポイント運用」は20~40代男性で突出して高いというのは興味深い。
関連情報
https://www.planet-van.co.jp/news/from_planet.html
構成/清水眞希