小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

なぜ、米国の金本位制廃止による「ニクソン・ショック」は起こったのか?

2023.06.04

おわりに 金本位制の崩壊はオイルショックの引き金でもあった

最後にもう一つ忘れてはいけない視点があります。

それは金本位制の廃止によってOPEC(石油輸出機構)は原油価格の引き上げに踏み切ったことです。その理由は石油の輸出代金をドルで受け取っていたことにあります。

実際、金に対してドルが大きく下落してしまう状況をそのままにしておけば、サウジアラビアなどの石油輸出国は破産してしまうでしょう。

とはいえ当初、OPECは石油価格を急に上げたわけではありませんでした。

そんな状況下で勃発したのが第4次中東戦争でした。

これは第3次中東戦争でイスラエルが占領したシナイ半島とゴラン半島を奪還するためにエジプト・シリア連合軍がイスラエルに攻撃をしたことで戦争が始まりました。

結果的には戦争は短期で終わり、エジプト・シリア連合軍が敗北します。

しかし、この出来事がOPECに大義名分を与えたのです。

なぜなら米国がイスラエルを支持したと考えた中東の国々は、米国や西欧諸国に対して原油の禁輸を発表する事態に発展したからです。

こうした要因が重なった結果、国際原油価格が高騰し、結果的にオイルショックへと繋がっていったのです。

このように経済は国境を超えて繋がっており、予想外の出来事が思わぬ影響を与えていることを金本位制の廃止からも学ぶことができるのではないでしょうか。

こうしたマクロな視点が金融や経済を考える上でとても大切なのです。

今回は、1971年に米国が金本位制の廃止を決めた理由について解説させて頂きました。

これで今回の「再発見!金融経済アルキ帖」はおしまいです。

次回もよろしくお願い致します!

文/鈴木林太郎

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。