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もしも損失が出ていたらどうする?NISAから新NISAに移行する時の注意点

2023.06.02

 

これまでNISAで投資していた人は、その投資した年から(一般)NISAなら5年間、つみたてNISAなら20年間非課税期間が継続する。

そのうち(一般)NISAは、5年間の非課税期間が終了しても、その翌年の非課税枠を使用することで非課税期間を延長するロールオーバーをすることができた。

例えば、2018年に投資した分は2022年に5年間の非課税期間終了するが、その翌年の2023年の非課税枠を使用してさらに5年間非課税期間を延長することができた。

一方、2019年以降に投資した分は2023年末に非課税期間を終え、2024年以降は新NISAとなり、(一般)NISAの投資分をロールオーバーできない。2019年以降に投資し、非課税期間が終了した分は、そのまま特定口座へ移管、または非課税期間が終了する前に売却することになる。

2024年以降に非課税期間が終了する分に残された選択肢は?

2024年以降に非課税期間が終了する分については以下の選択肢がある。

①利益が出ているので非課税期間中に売却

②利益がでているものの、このまま保有し続けたい。

この場合そのままほっておくことになるが、証券口座ではNISA口座から特定口座に払い出しが行われる。このとき、払出し前までの利益は非課税とされ、払出時を買付価格として払出される。

例えば、NISA口座で1,000円で買付し、売却せず保有。払出時2,000円になっていればNISA口座にあるときの利益の1,000円分は非課税となり、特定口座には2,000円が買付価格となる。その後さらに3,000円となれば2,000から3,000円まで上がった1,000円の利益に対しては税金がかかる。逆に2,000円から1,000円と下がればその分損失となり、他の利益と相殺することができる。

③損失が出ており、売らないまま保有する。

そのままほっておくとNISA口座から特定口座へ払出しされるが、NISA口座では損失もなかったものとされる。例えば、1,000円で買付、非課税期間終了時500円まで下がっており、そのままほっておくと500円で払出しされる。ここで問題なのが特定口座で500円が買付価格になることだ。もしその後1,000円まで上がりもとの価格に戻ったとしてもその上がった500円は利益とされ、その500円に対して税金がかかる。もし、ここで、この1,000円する株を1,000株買っていたとすると、100万円で購入したものが50万円まで下がりNISAが終了し、その後特定口座へ払出し後100万円まで上がったとするとその買付価格との差額50万円は利益とされ、50万円×20.315%=101,575円の税金がかかることになる。

※特定口座とは、株式取引にかかる損益を証券会社が計算してくれる口座だ。特定口座ではなく一般口座に払出しも可能だが、一般的には多くが特定口座を開設しており、その特定口座に払出しされる。

損している場合どうする?

特に現在(一般)NISAで評価損となっている場合には、非課税期間終了の際に注意が必要だ。

(一般)NISA口座で2019年以降に投資した分でロールオーバーできないものは、2023年以降非課税期間が終了していく。損をしている場合には、払出しすると、前述の通り元の価格に戻っただけでもその分が利益とされてしまう。

このような場合、一度売却して新NISAで買付することも検討した方がよいだろう。

損をしているが、いずれ戻りそうだと判断できるのであれば、下がった分が戻っただけでも税金がかかってしまうのはもったいない。(一般)NISAを開設している人は自動で新NISAが開設される予定となっているため、2024年以降(一般)NISAで売却して同日中に新NISAで買付することで、買付価格が当初の買い付け価格より低くても上がった時に課税されなくて済む。また、同日中に行うことで売却価格と買い付け価格の乖離が少ない。ただし、通常売却してからでないと買付することができず株式市場は常に価格が動いているため、売却価格より買付価格が高いと、株数を減らす必要が出てくるかまたは追加資金が必要になることがあるため、慎重に行いたい。

つみたてNISAも新NISAへ

つみたてNISAは2018年から始まった制度で、2018年初年度から投資した人でも非課税期間終了が2037年とだいぶ先だ。現在つみたてNISAで投資している人は、2023年に終了し、自動で新NISAが開設される予定だ。これまでつみたてNISAで投資していた分は別枠で運用を継続できるが、2024年以降は新規投資は不可となり、新規投資は新NISAで行うことになる。これまで自動で積立していた場合、新NISAで新たな積立設定が必要になる可能性がある。投資できる先はこれまでのつみたてNISAと変わらず、これまでの40万円の投資枠が120万円まで拡大し、最大毎月10万円まで新規投資可能だ。

そして、これまでつみたてNISAと(一般)NISAは併用不可であったが、新NISAではつみたてNISA枠とは別の成長投資枠を利用して年間240万円まで上場株式やETF、REITを購入できることができる。もちろん、さらに追加で成長投資枠を使用して投資信託を購入することも可能で、つみたて投資枠と同じ銘柄をさらに投資することもできる。

これまでつみたてNISAで投資してきた人は、これを機に株式にも目を向けてみるのもおすすめだ。期限も無期限となったことで目先の変動に左右されず長期の目線で成長しそうな株式に投資することができる。または、高配当の株式を生涯保有するのもおすすめだ。

文/大堀貴子

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