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90周年を迎えた日産自動車の横浜工場で〝技術の日産〟の源流を辿る

2023.06.07

1世紀を振り返る巨大なガレージ「日産ヘリテージコレクション」は圧巻

最後に訪れたのは神奈川県・座間市にある「日産ヘリテージコレクション」だ。日産自動車座間事業所に隣接している「ヘリテージコレクション」では日産自動車の約90年あまりの歴史を体感することができる。日産がこれまで生み出してきた1930年代の生産車から歴代のレースカーまで、日産のオンロード、オフロード両面の歴史を物語る車両など約400台の記念車を所蔵し、うち常時約300台を展示している。

現行車につながるものや技術的革新をもたらしたもの、モータースポーツで活躍したもの、歴史上エポックメイキングなものなどをはじめとする記念車を、日産の歴史を物語る貴重な財産として大切に保管しているだけでもすごいのだが、この中の車両の約70%は走行可能な状態を維持しているというのにも驚いた。

 1950年代~2000年代までのクルマが保管・展示されている。

基本的には2010年までのクルマを保管しているのだが、日産の代表的なEV「リーフ」を実用化するまでの試作車も展示されており、日本のEVの歴史を、実物を見ながら体感することが出来る。

初代日産リーフ

実はこんなクルマもあったなんて! 編集部が気になった3

1台1台に歴史や当時の新技術が詰まっている「ヘリテージコレクション」のクルマたち。紹介し出すとキリがないので独断と偏見で編集部が「かっこいい!」「こんなクルマがあったなんて!」と感銘を受けたクルマを3台紹介しよう。

「ダットサンサニー1200 2ドア セダン GL」1970年発売

ポップなグリーンカラーがまず目を引くこちらは1970年に発売開始された「ダットサン サニー 1200 2ドア セダンGL」だ。マイカーブームの幕を開け、大衆車というジャンルを確立した「サニー」初代モデルの好評を受け生産された2代目ダットサンサニー(B110型系)。従来のスピード感あふれるファミリーカーのイメージを引き継ぎながら、時代を象徴する「豊かさ」を盛り込んだスタイリングを実現している。また、CMではライバル車よりも豊かなクルマであることをアピールする、「隣のクルマが小さく見えます」というキャッチフレーズを採用して注目を集めたそうだ。その室内空間は、当時の大衆車クラス最大の広さを誇り、メーターやスイッチ類、シートなどの細部にも、豊かさやおおらかさを追求。装備面では雨天でも窓を閉めたまま、快適に換気ができるオート・ベンチレーション・システムをクラス初採用したほかインストルメントを衝撃吸収構造にするなど、安全性も向上させている。こんなクルマが1970年代の車道を多く走っていたと考えると、少し羨ましい気持ちになるのは筆者だけだろうか。

「フェアレディ240ZG ハイウェイパトロールカー」1969年12月発売(フェアレディZ)

続いて紹介するのは、1972 年3 月から神奈川県警察・高速道路交通警察隊で活躍した240ZG の「ハイウェイパトロールカー」。サイレン・赤色回転灯・ストップ機構付速度計・無線機などが装備されており、現役時代の総走行距離は37 万940km に達したという。このクルマの基礎となった初代フェアレディZ(S30 型)は、それまでのダットサンフェアレディ2000(SR311 型)の後継車として開発され、1969 年12 月に発売。クローズドボディの採用で居住性、安全性が向上したフェアレディZ は、高性能OHC エンジンや4 輪独立懸架などの先進技術により好評を博し、北米を始め海外市場でも爆発的ヒットとなった。国内では、当初は2ℓエンジンのみの設定だったものの、2 年後の1971 年11 月に、輸出仕様と同じ2.4ℓ・150 馬力エンジンの「240Z」シリーズを追加。その最上級グレード「240ZG」は、ロングノーズ(「エアロダイナ・ノーズ」: 別名G ノーズ)、オーバーフェンダー、リヤスポイラーなどを標準装備し、空力特性の向上とあいまって最高速度は当時の日本車でトップの210km/hを誇った。「こんなパトカーになら少し追われてみたい」と思ってしまうほどイケているパトカーだった。

「スカイライン ハードトップ 2000GT」1972年9月発売

最後に紹介するのも1970年代のクルマ(やはり見た目に惹かれてしまった)。このクルマは1970年代に社会現象を巻き起こした「スカイライン」の1974年式の2000GT。カラーは初期イメージカラー「ブライトブルーメタリック」へ再塗装されている。1972年9月発売の4代目スカイライン・C110型は、先代で確立した独自の個性をそのままにボディサイズを拡大し、個性的な「サーフィンライン」は継承しつつ、一転してソフトで流麗なスタイリングに。後に伝統となる、ジェット機の噴射口を模したリング型の4灯テールランプがここで初採用となった。また、先代「愛のスカイライン」の延長として展開された「ケンとメリーのスカイライン」のキャンペーンが爆発的にヒットし、ロゴ入りTシャツが大人気になるなど、約5年の販売期間にわたり熱狂が続いた。この結果、「ケンメリ」の愛称で知られるC110/C111型は累計販売約66万台に及ぶ大ヒット車になった。既に50年以上前のクルマだというのに、そのスタイリングには色あせない魅力が詰まっている。

日産ヘリテージコレクションの見学予約はこちらから

日産自動車の座間事業所内に併設されているということもあって、公式サイトから応募フォームにより事前申し込みが必要だが、入場料はなんと無料。不定期で休館日があるので、開館日は要確認だ。駐車場も用意されているので、クルマで行くのもいいだろう。また、「日産ヘリテージコレクション」はオンラインでも保管されているクルマを閲覧することはできるが、ぜひ生で細部のこだわりまで味わいきってほしい。

取材・文・写真/DIME編集部

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