高齢者の部屋のエアコンの多くが試運転されておらず、高齢者自身もエアコンの使用を控えてしまう実態も
熱中症による死亡数は多い年で1,000人を超え、約8割が65歳以上の高齢者と言われている。また、屋内で熱中症により亡くなった人の9割がエアコンを使用していなかったという調査結果もある。
そこで、65歳以上の高齢家族がいる家庭を対象に、その家族の部屋にあるエアコンの試運転の実施または実施の声掛けをしているかを確認した。
その結果、夏を迎える前に毎年試運転をしたり試運転をするように声を掛けたりしている割合は21.8%にとどまり、高齢者の部屋のエアコンの多くが試運転していない傾向にあることがわかった。万一の不具合の可能性も考え、家族が一緒に試運転を行ったり、試運転をするよう促したりしてもらいたい結果となった。
また、高齢家族の夏場のエアコン使用状況を聞くと、40%が夏場のエアコンの使用を控える傾向があることもわかった。高齢者は、加齢により暑さを感じにくくなると言われており、気付かないうちに重篤な熱中症になってしまう可能性もある。エアコンを適切に使うことを高齢者に呼び掛けることの必要性も浮き彫りとなる結果となった。
半数以上がエアコンの修理に一週間以上待たされたことを経験
例年、夏になるとエアコンの修理や設置工事が急増する。特に集中する7月~8月には修理や工事ができるまでに通常以上の時間がかかることもあり、真夏にエアコンが使えない状況になってしまう可能性もある。
夏場のエアコンの不具合で、修理を依頼してから完了するまでに一週間以上待たされた経験を尋ねたところ、半数近い45.8%が待たされた経験があることがわかった。
こうしたことからも、ダイキン工業が発案した「夏のエアコン試運転指数」※を参考にしながらエアコン試運転指数の高い日を選んで、本格的に暑くなる前の4月~6月前半の間を目安に試運転を実施することをおすすめする。
※【ニュースレター】夏前の新基準「エアコン試運転指数」と「エアコン試運転前線」を提案
<調査概要>
調査名:夏に備える取り組みと夏場のエアコン使用状況(調査期間:2023年4月7日~4月9日)
調査対象:全国の20代~60代の男女
有効回答数:1,000サンプル
出典元:ダイキン工業株式会社
構成/こじへい