デル・テクノロジーズとNVIDIAは、生成(ジェネレーティブ)AIモデルをオンプレミス環境で簡単に構築および活用できるようにするための共同イニシアチブ「Project Helix」を発表した。
「Project Helix」は、両社の技術ノウハウやインフラストラクチャーとソフトウェアを基盤にした事前構築済みのツールによる一連のフルスタックソリューションを提供するイニシアチブ。
これには、企業が自社独自のデータを活用し、より簡単に責任を持って正確に生成AIを展開できるようにするための完全なプランも含まれている。
「Project Helix」について、デル・テクノロジーズのバイスチェアマン兼共同最高執行責任者(COO)のジェフ・クラーク氏は「『Project Helix』は、十分に活用されていない膨大な量のデータからより迅速かつ安全に価値を得るために、企業に専用のAIモデルを提供します。また拡張性が高く効率的なインフラストラクチャーにより、企業は業界を再発明できる生成型AIソリューションの新たな波を生み出すことができます」とコメント。
NVIDIAの創業者/CEOのジェンスン・フアン氏は「私たちは、生成AIの驚くべき進歩と、より少ない労力でより多くのことを実現したいという企業の需要が交差する歴史的な瞬間にいます。NVIDIAはデル・テクノロジーズとともに、企業が独自のデータを安全に使用して生成AIアプリケーションを構築および運用することでビジネスを変革できるようにする、非常にスケーラブルで効率性の高いインフラストラクチャーを設計しました」と述べている。
「Project Helix」は、デルから提供される最適化されたハードウェアとソフトウェアのテスト済みの組み合わせにより、企業のジェネレーティブAIの導入を簡素化する。
これにより、企業は、データプライバシーを維持しながら、エンタープライズ データをよりスマートで高価値な成果につなげることが可能となる。
そして、これらのソリューションにより、企業は、カスタマイズしたAIアプリケーションを迅速に展開し、自社独自のデータに基づく信頼できる意思決定を促進し、ビジネスの成長と拡大を図ることができる。
「Project Helix」では、インフラストラクチャーのプロビジョニング、モデリング、トレーニング、ファインチューニング、アプリケーション開発および展開から、推論の展開と結果の合理化まで、生成AIの完全なライフサイクルをサポート。
検証済みのさまざまなデザインを利用することで、大規模なオンプレミスの生成AIインフラストラクチャーを迅速に構築することができる。
「PowerEdge XE9680」や「PowerEdge R760xa」をはじめとする「Dell PowerEdge」サーバーは、生成AIトレーニングとAI推論のパフォーマンスを提供するように最適化されている。
デル・テクノロジーズのサーバーとNVIDIA H100 TensorコアGPUおよびNVIDI ネットワーキングを組み合わせることで、これらのワークロードのインフラストラクチャバックボーンが形成される。
企業は、このインフラストラクチャーを「Dell PowerScale」や「Dell ECSエンタープライズ向けオブジェクト ストレージ」といった、レジリエントで拡張性に優れた非構造化データストレージと連携させることができる。
また、企業は、「Dell Validated Designs」で、デル・テクノロジーズのサーバーとストレージソフトウェアのエンタープライズ機能を活用でき、「Dell CloudIQ」ソフトウェアを通じて、可観測性(オブザーバービリティー)が提供される。
さらに、「Project Helix」に含まれているNVIDIA AI Enterpriseソフトウェアが、AIのライフサイクルを進んでいく中で役立つさまざまなツールを提供。NVIDIA AI Enterpriseには、NVIDIA NeMo大規模言語モデルフレームワークや、安全でセキュアな生成AIチャットボットを構築するためのNeMo Guardrailsソフトウェアなど、100以上のフレームワークや事前トレーニング済みモデル、および開発ツールが含まれている。
セキュリティ面では、「Secured Component Verification」などのセキュリティとプライバシーの保護機能が基礎コンポーネントに組み込まれている。企業は、オンプレミスのデータを保護することで、リスクを軽減できるだけでなく、さまざまな規制要件を満たすことができる。
関連情報
https://www.dell.com/ja-jp
https://www.nvidia.com/ja-jp/
構成/立原尚子