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マッチングアプリは人口減少の課題を抱える地方自治体の救世主となるか?

2023.06.01

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

恋活・婚活マッチングアプリ「Pairs(ペアーズ)」を運営するエウレカは、2022年11月に三重県桑名市と締結した「独身男女の出逢いの機会創出等に向けた連携協定」に基づく連携事業を2023年5月22日より開始した。

5月22日~27日を「ペアーズ×桑名市協定週間」としてコラボ事業を展開。オンラインセミナーや、ペアーズコンシェルジュによる恋活・婚活相談会を開催した。また、桑名市役所SDGs推進課もしくはサテライトオフィスに独身証明書を持参した桑名市民には、ペアーズの有料会員プランまたは有料機能を試せるクーポン券をプレゼントする(6月16日までの予定)。

マッチングアプリを活用して独身男女の出会いの機会を創出

連携事業開始を記念し、桑名市の伊藤徳宇市長、エウレカ代表取締役CEO 山本竜馬氏らによるトークセションが「なばなの里 ベコニアガーデン」にて開催された。

桑名市がペアーズと連携協定を結んだ背景には、桑名市が抱える人口減少の課題がある。桑名市は名古屋のベッドタウンとして立地の良いエリアであるにも関わらず、人口減少が進んでおり、令和元年(2019年)以降、2年間で約2000人と著しい人口減少がみられ、特に年少人口・生産年齢人口の減少が顕著になっている。

「出生数の減少とほぼ同じ割合で婚姻届の数も減少しており、結婚する人が減っていることが現実としてあります。結婚は個人の価値観に基づくものですが、結婚したい、子どもが欲しいという希望を持っていても出会いがないというのが現状で、婚活・結婚の機会を提供できる社会にしていくことで、少子化、人口減少対策につながっていくのではないかと考えていました。

桑名市のLINE公式アカウントで市民の方々にアンケート調査を行った結果、行政が行ってきた婚活・結婚事業について認知されている方が約3%と、ほとんど知られていなかったのに対し、マッチングアプリは約80%と非常に認知度が高かったのです。

出会いや結婚を希望する方への取り組みとして、行政単独ではなく圧倒的な認知度のあるマッチングアプリと連携して取り組みをするのが良いのではないかと結論に至り、日本最大級の会員数を有するペアーズさんとご一緒に事業を進めることにいたしました」(伊藤市長)

桑名市のパートナーとして白羽の矢が立ったペアーズは、2012年にリリースされた国内最大級の恋活・婚活マッチングアプリで、登録者数が2022年で2000万人、実際に恋人ができた人は同年12月で70万人を突破した。

婚活でマッチングアプリを使う人は増加傾向にあり、2021年の調査ではマッチングアプリで出会い結婚した人は19%、その内約3分の1にあたる7%がペアーズを利用していた「ペアーズ婚」だった。

「我々は、出会いの場を提供する、出会うための活動量を増やしていくサービスを提供していますが、出会いから恋愛、結婚に発展し、子どもを生むというのは個人の選択であり、そこまで踏み込めない立場ですが、伊藤市長のご指摘にもあったように、出会いの場自体が減ってきているのは現状としてあります。

マッチングアプリは認知度も高くなっていますが東京が中心で、利用意向は東京都の約21%に比べ全国平均では約17%と、東京以外の地域では不安イメージもまだ強く、地方では出会いの形態も都会とは違ってくるであろうと考えられます。我々としては東京と地方の違いをデータとしてもっと深く知りたいと考えており、違いを理解したうえでサービスを変えていきたいという思いが強くあります。

自治体との提携により、マッチングアプリが安心・安全なものだと認知されれば、地方の方が感じている疑問や偏見が払拭できると考えています。今回の協定を通じて、桑名市、伊藤市長と綿密にやり取りさせていただき、我々のデータの解像度を上げていくことでサービス向上につなげることが重要であり、桑名市との連携でマッチングアプリが次の成長へのステージに入るひとつのきっかけになるのではないかと思っています」(山本CEO)

人口減少対策、若者支援にマッチングアプリを活用したいという桑名市の意向と、地方における出会いや恋愛促進を目指したペアーズの地方戦略という、両者の理念が合致して連携協定が結ばれた。

しかし、山本CEOの指摘にもあったように、地方ではまだマッチングアプリへの不安や誤解も多く、伊藤市長はペアーズを選んだ理由のひとつとして安全面の担保を挙げた。

「市民のみなさんにマッチングアプリを説明するとき『出会い系サイトと何が違うんだ?』という声も多く聞かれ、法律の違いや、どのような形で安全が担保されているかを明確に伝えることが非常に重要だと考えていました。

ペアーズさんがやっておられる、24時間365日のパトロール監視体制や本人確認のシステムなど、安全面に配慮をしている点を重要視してパートナーとしてお願いしました。

とはいえ、男女が出会う場所では様々なことが起こる可能性が考えられます。どのようなことに気を付けたらいいのかなど、コンシェルジュさんからご指導いただけることもメリットだと感じています」(伊藤市長)

今回の施策で、桑名市民の恋愛の悩みごと相談に応じたペアーズコンシェルジュへ、ペアーズの活用法や東京と地方での使われ方の違いなどについて、伊藤市長から質問が寄せられた。

「ペアーズで恋人を作るにはどんなことでもまず試すことが大切。アプリのダウンロードから始まり機能をうまく使って自分からどんどん行動していけば、より自分に合った人が見つかりやすくなります。疑問や悩みも出てくると思いますが、そのことにいち早く気づき相談できる方は、早く恋人ができることが多いですね」(大道氏・写真左)

「自分を俯瞰して客観的に見ることは難しいこと。そこで我々ペアーズコンシェルジュが、みなさまの悩みに対して第三者の視点を交えて、改善策や方向性を示させていただくことで、一歩先へ行動できます。

東京と地方の大きな違いは、マッチングして実際に会う段階で、ドライブデートという選択があることが挙げられます。東京は交通の便が発達していますが、多くの人が乗っている電車の中でプライベートな話をするのは難しいこともあります。車での移動がライフスタイルで定着している地方の場合、車でのおでかけにも抵抗が少なく、移動しながらコミュニケーションが取れるのは効率的だと思います」(青柳氏・同右)

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