ファーウェイ・ジャパンは2023年5月24日に「フラッグシップ新製品発表会」を開催。スマートウォッチをメインに、6つの新製品を発表した。
ファーウェイの健康管理技術の進化とは
新製品を発表する前に、ファーウェイデバイス日本・韓国リージョン プレジデントのヤン・タオ氏が登壇。製品戦略や今後の展望について語った。
ファーウェイデバイス日本・韓国リージョン プレジデントのヤン・タオ(楊 涛)氏。
ファーウェイは2013年に「HUAWEI Health lab」を立ち上げ、全世界で100か所を超える医療機関と共同研究を実施。この10年で50編を超える医学論文を発表すると共に、累計で800件を超える特許申請を行なってきた。
それらの成果はスマートウォッチやスマートバンド、体重計などの「HUAWEIスポーツ&ヘルスケア」製品に反映。高精度なセンサーを搭載することで睡眠、心拍数、血中酸素レベル、ストレス、皮膚温などの24時間モニタリングを可能にした。これらのビッグデータを基に、正確でリアルタイムの健康分析を行なう。
各種センサーは100以上のワークアウトメニューにおいて、正確な運動データを記録することにも活用。ユーザーの運動能力についてビッグデータを用いて詳しく分析することで、適格なトレーニング指導も実施する。
ヤン・タオ氏は「今後も健康・運動分野の専門性と精確性を追求すると共に、現地のパートナーと協力することで、ユーザーに寄り良いサービスを提供していきます。ファーウェイのウェアラブルで企業の健康経営や介護・福祉など、様々な業界のデータ化に貢献したい」と語った。
ビジネスエリート向けのハイエンドスマートウォッチが登場
今回、発表された6製品の中には、3つのスマートウォッチが含まれる。その中でも注目は、「HUAWEI WATCH」シリーズの最新モデル『HUAWEI WATCH Ultimate』だ。ワークアウト、健康管理、スマートアシストなどのスマートウォッチに関する各機能を追求したモデルで、ビジネスやラグジュアリーなシーンでも活用できる優美なデザインに仕上げた。
『HUAWEI WATCH Ultimate』13万5080円(市場想定価格)、5月26日発売。
最大の特徴は水深約100mまでのダイビングが可能なこと。海をイメージさせるボヤージュブルーの本体には、非常に堅牢なリキッドメタルの非晶質ジルコニウムを使用。文字盤には全面サファイヤガラスを採用するなど、過酷な利用にも耐えられる造りで、様々なワークアウトに利用できる。
ウォッチ本体には安全なダイビングに欠かせないダイブコンピュータを搭載。4種類のダイビングモードに対応し、内蔵のブザーで音によるアラートを出すことができる。製品にはウェットスーツの上からでも着用できるスポーツ向けのHNBR(水素化ニトリルゴム)素材のベルト長短2本を同梱しているのも親切だ。
フリーダイビング(素潜り)、レクリエーショナルダイビング(一般的なスキューバダイビング)、テク二カルダイビング(中・上級者向け)、スキューバダイビング(基本データのみ表示)の4種類のダイビングモードに対応。
先行体験会の会場では水の中にも『HUAWEI WATCH Ultimate』を展示。ダイビング時には深度、スピード、温度、最大深度、平均深度、潜水時間などを盤面に表示する。
ダイビングだけでなく、100種類以上のワークアウトにも対応。その内20種類以上のスポーツで利用できる「プロワークアウトモード」では、ルートや高度、水泳の場合はストローク数やその時間なども測定して記録。デュアルバンド対応で5つの測位衛星を搭載することで、登山やハイキング時に便利な、来た道を戻る「ルートバック機能」も備える。
テクノクラフトが提供するゴルフスイング計測アプリ「スイング分析」にも対応。ウォッチを着用しながらゴルフのプレイをすることで、様々なデータを記録し、確認することができる。
もちろん、「HUAWEI WATCH」の魅力である睡眠、心拍数、血中酸素レベル、ストレスなどの24時間モニタリングも利用できる。それでいて通常使用で約14日間のロングバッテリー。約60分でフル充電が可能というのも非常に便利だ。
血圧測定機能搭載やイヤホン内蔵などのユニークなスマートウォッチ
スマートウォッチの2つ目は、血圧計として管理医療機器認証を取得した『HUAWEI WATCH D ウェアラブル血圧計』だ。通常、自宅での血圧の計測時には腕に空気で膨らむカフを巻き付けるが、このウェアラブル血圧計には幅30mmのカフをスマートウォッチに装備。通常のスマートウォッチとして利用しながら、血圧測定も行なえる。
『HUAWEI WATCH D ウェアラブル血圧計』6万280円(市場想定価格)、6月14日発売。
人間工学に基づいた曲線デザインと、二層式のカフデザインにより、カフが狭くても空気をしっかり取り込んで計測時に手首にフィット。ファーウェイ独自の血圧測定アルゴリズムによって、より正確に測定できる。
タッチ&トライではこの『HUAWEI WATCH D』も試すことができたので、実際に血圧を測定してみた。ウォッチを心臓と同じ高さに掲げ、「測定」ボタンを押すと手首に圧がかかって計測開始。測定値は興奮していたのかやや高めとなったが、手軽に血圧が測れたことに驚いた。腕への圧力よりも負担が少ないのも手軽に感じた。
毎日忘れずに計測できるよう、リマインダー機能を備えているのも便利。睡眠モニタリングもしているため、時間設定ではなく、起床時にリマインドすることも可能だ。1日6回血圧を測定するとしても、最大1週間使えるロングバッテリー。表示や操作ボタンが大きくわかりやすいので、高齢者の人も操作しやすいだろうと感じた。
そしてスマートウォッチの3つ目は、クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」で多くの人から注目され、今年3月に目標額を達成した製品。スマートウォッチの中にワイヤレスイヤホンを収納できるという画期的なアイデアの『HUAWEI WATCH Buds』が正式販売される。
『HUAWEI WATCH Buds』7万1280円(市場想定価格)、5月24日発売。
ワイヤレスイヤホンは片耳わずか4gと超軽量。左右を自動で認識して音楽などを再生するので、イヤホン自体に左右の区別はない。小さくても高性能で、ノイズキャンセリング機能付き。イヤホン本体が八角形の円柱型になっていて転がりにくく、マグネット吸着式でウォッチ本体にスッキリ収まるので収納しやすい。
ウォッチとイヤホンの使用可能時間は通常3日間。両方をフル充電するのに100分かかるが、15分の充電で90分間の通話や音楽再生が可能だ。
イヤホンが収納されているとはいえ、ウォッチ自体に不自然に厚みがあるわけではない。ワークアウト時に音楽を聴く時など、ウォッチとイヤホンが一緒になっていることで、便利に活用できそうだ。
スポーツ時に便利なセンサーやワイヤレスイヤホンも新発売
これらファーウェイのスマートウォッチと一緒に利用したいのが、小型軽量センサー『HUAWEI S-TAG』だ。腕や足、腰などに装着することで、スポーツ時に詳細なデータを記録することができる。例えばランニングの場合、平均ピッチや着地方法、平均滞空時間など13項目のラニングフォーム指標で、総合的にランニング時のフォームを分析できる。そのほかサイクリングやゴルフ時の測定も可能。バッテリーも30日間利用できる。
『HUAWEI S-TAG』9680円(市場想定価格)、6月14日発売。
快適な着け心地のワイヤレスイヤホン『HUAWEI FreeBuds 5』も登場。人気のインナーイヤー型で迫力のハイレゾサウンドとノイズキャンセリング機能付き。ケースで5分間充電することで2時間の音楽再生が可能と、超急速充電を実現している。
特徴は、曲線のみで構成されたデザイン。1万人を超える人間の耳サンプルを基に、耳にピッタリと馴染む快適性を追求して、緻密に作り込まれたのだそう。その形状は実にエレガントで、ケースも上品なので女性におすすめだ。
『HUAWEI FreeBuds 5』2万1800円(市場想定価格)、5月24日発売。
上品なケースの中にまるでジュエリーのようにイヤホンが収納されている。
発表会のラストを飾ったのが、家庭用の無線LANルーター『HUAWEI WiFi AX2』だ。5GHz帯Wi-Fi 6対応のスマートルーターで、IPv6(IPoE/IPv4 over IPv6)対応。最大通信速度は1500Mbpsで安定した高速通信ができる。ゲームやストリーミング、オンライン会議時にもストレスなく通信できるだろう。
『HUAWEI WiFi AX2』6600円(市場想定価格)、6月下旬発売。
今回、6製品と多くの新製品が登場した。いずれも話題性のある製品なので注目だ。
取材・文/綿谷禎子、DIME編集部