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プレミアムエクステリアのNikon「Z fc」で自分だけの昭和レトロを撮る!

2023.06.03

昭和20年代からあった森田式ほうじ茶焙煎機

子供の頃、お茶屋さんの前にあった、ほうじ茶を焙煎する機械がクルクル回るのを飽きもせず眺めていたことを思い出す。茶葉を焙煎して出来るのが、ほうじ茶である。これを自動的にやってくれるのが、自動焙煎機だ。コーヒーロースターの茶葉用と考えて欲しい。家庭用としては焙烙という煎じ器があるのだが、店先で回っていたのは、森田工業所が作っている「森田式 自動連続ほうじ茶機」という機械らしい。上に投入した茶葉をガスの火を使って連続で焙煎、このときに非常に良い香りがする。出来たほうじ茶は下の網目状になった筒からどんどん出てくる。昭和20年代から製造されている機械だが、未だに現役で使われている姿を見掛ける。そう言えば阿佐ヶ谷の茶店でも時々、回っている。70年以上経って現役で動く焙煎機、恐るべし。そして、子供の頃と変わらぬ香りを周囲に振りまいているのだ。

森田式ほうじ茶専売機はオークションにも時々、出品されるほどポピュラーな存在だ
1/160sec、F6.3、ISO100

御用聞きの足はスーパーカブ

昭和33年8月、ホンダ「スーパーカブC100」が発売された。その1年前、本田宗一郎はヨーロッパを視察して、日本に必要なバイクはモペットでもスクーターでもないと考えを固めつつあった。エンジンは4ストロークで道路事情の悪い道を走るため4馬力は必要。ボディは女性でも乗り降りしやすいカタチとサイズ。蕎麦屋さんの出前持ちが片手で運転できるギア方式。先進性のあるデザインで、親しみやすく飽きが来ないこと。この4つの条件を満たすマシンの開発が始まった。

心臓部のエンジンは50cc OHV4ストローク4.5馬力/9500回転を実現した。それまでは50cc2ストロークで1馬力しか出なかったのに、一気にパワーは4倍になった。右手と左足だけでシフトチェンジをするために自動遠心クラッチを採用した。クラッチレバーを握らなくてもギアチェンジできるため女性でも乗りやすい機構が完成した。そして、日本人の体型に合わせて外径21インチタイヤを想定、小口径の2.25-17インチのタイヤを使おうとしたのだが、量産品がなくタイヤメーカーを探し続けて、ようやく小さなタイヤメーカーに新規格のタイヤを作ってもらったという。レッグシールドとフロントフェンダーにはポリエチレン樹脂を使い大幅な軽量化を果たした。ハンドルはパイプでなくプレスで成型された。発売当時の価格は5万5000円。大卒初任給9600円、コーヒー1杯50円だった。

昭和35年にはセルスターターを搭載したC102が発売されるも、バッテリーの信頼性がなかったため、結局、キックスターターが追加されている。昭和41年には累計販売台数400万台を超えたスーパーカブ、SOHC2バルブエンジンを積んでフルモデルチェンジしたC50が登場した。昭和42年4月には累計500万台で二輪単機種での世界新記録を達成。昭和48年に郵政省とホンダの共同開発による郵便配達専用モデルMD50が発売される。フロントフォークはストロークの長いテレスコピックが採用され、パイプハンドルのアップタイプが使われた。学生時代に友人が払い下げのMD50に乗っていて羨ましかった。昭和57年、スーパーカブ50 SDXが登場。角目に角型ウインカーで5.5馬力エンジン搭載。翌年にはスーパーカブ50 スーパーカスタムでリッター180kmを達成。

平成9年、前後14インチホイールを採用して、シート高を3cm下げたリトルカブ誕生。レトロデザインで若い男女層にアピール。同年10月にはホンダの二輪車累計総生産台数1億台突破達成車としてリトルカブが選ばれた。翌年、50周年アニバーサリーモデルが3000台限定で発売された。平成14年には最後のキャブレターモデル50スタンダードを発売、15万9000円だった。そして平成19年に排ガス対策のため遂にインジェクションモデルが登場。各種センサーとECUが追加されマフラーには3元触媒が入った。デザインはほとんど変更せずに行われたフルモデルチェンジである。スーパーカブ90は排気量をアップしてスーパーカブ110プロに生まれ変わった。エンジンだけでなくデザインも大幅に変更されパイプバックボーンフレームが採用された。平成29年には丸目LEDライトを採用したスーパーカブ50が登場、生産拠点を中国から、日本の熊本製作所に移管した。令和4年3月、スーパーカブ110に新エンジン搭載、前後ディスクブレーキが標準装備された。昭和、平成、令和を通じて現役で活躍するベジネスバイク、スーパーカブはレトロと呼ぶには偉大過ぎる存在だった。

元祖カブと同じカラーリング、コスタブルーのスーパーカブ110。現行モデルより近未来的なデザインだ
1/160sec、F6.3、ISO100

オカモチカブで出前してくれそうな店先。岡持ちとは出前のための箱で、これをカブに載せて水平に運ぶための出前機が欠かせない存在だった
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