大小4つのステージでエンターテイメントも提供
「イートストリートノースショア」のもう一つの特徴は「屋台村」だけではない点だ。「おいしい料理」にとどまらず、「上質のエンターテインメント」も提供している。
場内に大小4ヵ所のステージを設置。ロックやジャズ系のミュージシャンや大道芸人などを呼んでライブパフォーマンスを披露させて、客を楽しませている。
出演するミュージシャンも実力派揃い。人任せにするのではなくステイトン氏が自らオーディションして決める
「ただ食事を提供するだけではなかなか人はやってきません。そこでここをレストラン街であるだけでなく、食事をしながらエンターテインメントも楽しめる空間にしたのです」
ステイトン氏はさらに続ける。「賃金上昇を超える物価上昇などから最近人々は特に交遊費を節約する傾向にあります。食事をしてライブに行くとなるとかなりの出費になりますが、ここなら5ドルの入場料を払えばライブミュージックや大道芸人のパフォーマンスなども楽しめます。それも人気を呼んでいる理由だと思います」
取材に訪れたのは日曜日。席を確保するのも大変な状況だったが、ステイトン氏のよると「土曜日はこの倍くらいの入場者」とのこと。
エンターテインメントを提供されるから客は長居できるが、「回転率」が悪くなるのは運営側にとっては悩みの種かもしれない。ちなみに屋台村とはいえ約4000あるテーブル席の8割は屋根の下なので、雨天でも人出はそれほど落ちないという。
もう一つ「イートストリート」のユニークな点を挙げると、営業が金曜日から日曜日の週末の夕方以降限定である点。最も人が集まる週末限定で効率的にオープンできるのも、土地代が安い元「コンテナ集積場」ならではかもしれない。
コンテナを利用した屋台村。食事とエンターテイメントの融合。週末だけの効率営業。「元コンテナ集積地」には様々なビジネスアイディアが積み重ねられていた。
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文/柳沢有紀夫
世界約115ヵ国350名の会員を擁する現地在住日本人ライター集団「海外書き人クラブ」の創設者兼お世話係。『値段から世界が見える』(朝日新書)などのお堅い本から、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)などのお笑いまで著書多数。オーストラリア在住
写真/Taiga
オーストラリアを拠点に活動するIT系なんでも屋。時計と旅と猫が好き。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。