異母兄弟姉妹または異父兄弟姉妹(以下「異母兄弟等」といいます。)が関与する相続には、一般的な相続とは異なるルールが適用される場合があります。
今回は異母兄弟等による相続について、注意すべきポイントをまとめました。
1. 異母兄弟等が関係する相続のパターン
異母兄弟等が関係する相続には、主に以下の2パターンがあります。
①被相続人の子が異母兄弟等である場合
異母兄弟等の間で、亡くなった親の遺産を分け合うパターンです。
②被相続人の異母兄弟等が相続人となる場合
亡くなった人に子や親などがおらず、異母兄弟等が相続権を取得するパターンです。
次の項目から、上記2つのパターンにつき、相続に関して注意すべきポイントを解説します。
2. 被相続人の子が異母兄弟等である場合|相続分は同等、ただし非嫡出子は認知が必要
被相続人の子である異母兄弟等が遺産を相続する場合、異母兄弟等の間では、法定相続分は同等です。
被相続人に配偶者がいれば遺産の半分、配偶者がいなければ遺産のすべてにつき、被相続人の子である異母兄弟等が平等に相続権を有します。
異母兄弟等の中に非嫡出子※がいる場合も、嫡出子※との間に相続分の差はありません。
※非嫡出子:婚姻外で生まれた子
※嫡出子:婚姻関係にある夫婦の間に生まれた子
ただし非嫡出子が父親の遺産を相続するためには、以下のいずれかの手続きにより、父親の認知を受ける必要があります(民法779条)。
①戸籍法に基づく認知届(民法781条1項)
②遺言による認知(同条2項)
③裁判所に対する認知の訴え(民法787条)
※認知の訴えは、父親の死亡日から3年以内に提起しなければなりません。