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Googleが取り組んでいるYouTubeの誤情報やフェイクニュース対策の具体的な内容とは?

2023.06.01

我々の身の回りでは多くの情報が毎日飛び交っている。その中には、新たな事実もあれば、誤情報・フェイクニュースもあることも知られている。

科学的に証明されているものは、何が正しい情報で、何が間違った情報なのか、明確に判断ができるが、日々YouTube に投稿される動画には、人の主観によるものや、事実確認ができないものも多くある。

この問題に関してYouTube日本版公式ブログに「YouTube の誤情報・フェイクニュースに関する日本での取り組み」が掲載されたので、その概要を紹介したい。

冒頭、YouTubeは「開かれた場であること」と「コミュニティを守る責任」という2つのバランスを大切にするとして、以下の取り組みを明らかにしている。

誤った情報を削除する

YouTubeは、開設当初から「コミュニティガイドライン」に基づいて動画の削除に取り組んでおり、誤った情報に関するポリシーに沿って、誤解を招く、または虚偽が含まれる特定の種類のコンテンツで、深刻な危害を及ぼす可能性のあるコンテンツを削除している。

しかし、このポリシーを適用するためには、明確な事実関係の把握が必要になる。

たとえば、新型コロナウイルス感染症の医学的に誤った情報に関するポリシーを適用する際、YouTube は日本を含む世界の保健機関や地域の公衆衛生機関の専門家の間で広く合意されている内容に準拠しているという。

人間による審査と機械学習を組み合わせて、一貫した基準でポリシーを適用し、ポリシーに違反するコンテンツをできるだけ迅速に削除している。

このような取り組みの結果、誤った治療法やデマなどを含む新型コロナウィルス感染症に関連する動画を、約一年半の間に100万本以上が削除された。その他、コミュニティガイドラインの適用で削除したコンテンツに関する透明性レポートを四半期ごとに公開している。

信頼できる情報源からの動画を見つけやすくする

一方、動画の中には、明確にはコミュニティガイドライン違反とならないものの、際どい形で発信するようなボーダーライン上のコンテンツも存在している。

そこで、YouTube は、視聴者がより信頼できる情報源からの情報を見つけやすくすることにも取り組んでいる。情報の正確性が特に重要な、​​ニュース、政治、医療、科学情報などのトピックに関しては、信頼できる情報源からの情報を、検索結果やおすすめの動画として優先的に表示している。

トップページの「ニュース速報セクション」

重大なニュースがあった場合は、YouTube のトップページにニュース速報セクションが表示される。重大なニュースの例は大規模な惨事、重要な政治的出来事などだ。

検索結果の「トップニュース セクション」

YouTube でその日のトップニュースに関連するワードを検索すると、検索結果にトップニュース セクションが表示され、報道局の YouTube チャンネルによるニュース動画が紹介される。

検索結果の「医療 / 健康情報セクション」

YouTube で特定の医療/健康に関するトピックを検索すると、信頼できる情報源が提供する動画を集めた「医療 / 健康情報セクション」(画像 1) が表示される。

動画の「医療 / 健康情報パネル」

信頼できる情報源の動画の下部には、「医療 / 健康情報パネル」(画像 2) が表示される。これらは信頼できる医療 / 健康に関する情報をすばやく選んで視聴できるようにすることを目的としたものだ。

情報に対するリテラシーを高める

先日のG7 広島サミットに関連したG7 デジタル・技術大臣会合関連イベントの一貫として、「フェイクニュースと日本 ―私たちにできること・社会としてできること」が開催された。

パネルディスカッション「フェイクニュースの蔓延する社会で私たちに何ができるか」の様子

国際大学 GLOCOM が主催した本イベントには Googleも全面的に協力。経済産業省、総務省、デジタル庁と後援すると共に、 YouTube 日本代表の仲條 亮子氏が YouTubeの取り組みについて紹介した。

オフラインとオンラインの両方で合計260名が参加した当日のイベントの一部はこちらから視聴できる。

また、YouTube 上では、「ほんとかな?があなたを守る」というテーマのキャンペーンが4月25日から実施されている。

同社によれば、ユーザーに向けて、フェイクニュースが自分の日常に潜む問題であると気付くきっかけを作ること、そして、情報との向き合い方について考える機会を提供することを目指したものだという。

今回は若者層に人気の高い9組の YouTubeクリエイターの協力を得て、「フェイクニュースは身近に存在すること」、「ファクトチェックが重要であること」そして、「安易な拡散が人に迷惑をかけてしまうリスクに繋がりかねないこと」という3つのメッセージを伝えるショート動画を作成。

各クリエイターの YouTube チャンネルで配信されているこれらの動画は、配信開始から 24 時間以内に合計で 70 万回以上再生され、現在では 759万回以上(5月22 日時点)視聴され、4586 以上(5月22日時点)のコメントが寄せられている。

誤情報・フェイクニュースの問題は非常に複雑であり、どの主張が正しいかを判断するための信頼できる情報源がないことも多くある。

また、誤情報・フェイクニュースを恐れるあまり疑わしいコンテンツは全て削除する、というようなアプローチは、「議論を呼ぶ主張は受け入れない」というメッセージにも繋がり、言論の自由を萎縮させるリスクも伴う。

そこでYouTube は、「このような視点も持ちつつ、発展を続ける専門的見地を追い求めるほか、継続的な理解を進め、議論を続けていきながら、安心安全に YouTube をご利用いただけるようにこれからも取り組んでまいります」と述べている。

関連情報
https://youtube-jp.googleblog.com/2023/05/dismisinfojpefforts.html

構成/清水眞希

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