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説明できる?「FR車」と「FF車」の違いと見分け方

2023.06.04

選びの際、カタログ上で「FR車」という言葉を目にすることがある。FR車は、車の駆動方式を表す言葉だが、具体的な意味がわからず困った経験をした方も少なくないはず。

そこで本記事では、FR車の特徴や混同しやすいFF車との見分け方、メリット・デメリットについてわかりやすく解説する。この機会に、FR車が持つ駆動方式の特徴を知り、車選びの参考にしてほしい。

FR車とは

まずは、FR車の構造上の特徴と他の駆動方式との見分け方から確認していこう。

Front engine Rear drive(後輪駆動式の車)の略称

FRとは、車の前方にエンジンが備わった「後輪駆動方式」の車を指す。国産車のほとんどが、FF車・FR車・4WDのいずれかの駆動方式に該当するが、現在主流となっているのは前輪駆動式のFF車。FR車は、その優れた操縦性や走行性、乗り心地の良さから主にスポーツカーや高級車などで採用される駆動方式だ。

FRの見分け方

FFや4WDとの大きな違いは、車体の構造にある。車の駆動方式を見分けたい時に注目すべきは、エンジンの搭載位置と駆動輪の位置だ。FR車の場合、基本的に車体の前後方向にエンジンが縦置きされるが、FF車では横置きで搭載されている。そのため、セダン車で見比べると、FR車は前輪より前にはみ出た部分が短く、ボンネットが長めの構造、乗車空間は後ろ寄りになるといった特徴が見られる。

FRのメリット

ここからは、FR車ならではの魅力について紹介する。自身が運転において重視したいポイントを考えながら、FR車のメリットについてチェックしておこう。

メンテナンスしやすい

FR車は、エンジンから生まれる回転エネルギーをタイヤに伝えるパワートレインが車体の各部に分散している。そのため、他の駆動方式の車に比べて、整備性に優れる。

また、前輪と後輪それぞれが駆動と操舵の役割を分担するため、タイヤへの負担を減らし、長持ちさせられる。タイヤを交換するローテーションの回数を少なくできるのも、FR車の魅力の一つといえるだろう。

狭い場所でも小回りが利く

エンジンを縦置きできるFR車の場合、エンジンルームの左右に前輪を配置できることや車体前部の重さが軽くなることから、ハンドルを大きく切りやすくなる。そのため狭い場所でも小回りが利きやすい。

スムーズに加速できる

FRは駆動輪の後輪に荷重が乗る。これにより、タイヤと路面の間に生じる摩擦力を活用しながら路面をしっかりととらえ、スムーズな加速が可能となる。重い荷物を積んでいても走行バランスを保ちやすいため、ワンボックスカーや運送トラックにはFR車が採用されることも多い。

さらに、エンジンルーム内のスペースにゆとりがあり、高出力の大型エンジンが搭載できることも効率的な加速につながっている。

ハンドル操作の反応性に優れている

FR車は、車体前部にエンジン重量が乗るため、車の中央や後部にエンジンが位置するMR車やRR車よりもハンドル操作の反応性に優れる。また、前輪の操舵が直接的で、ドライバーの意図を素早く車に伝えることができる。スポーティな走りやコーナリングの安定性が求められる場面では、FR車のハンドルの操作のしやすさが重宝されるだろう。

FRのデメリット

FRは、メリットもある一方で、デメリットも存在する。運転の目的に適した車体を選ぶために、デメリットについても確認しておきたい。

室内を広くしにくい

パワートレインが車体前後に分散するFR車は、エンジンの収納スペースを確保するために、車内空間が圧迫されやすい。また、エンジンの力を車体の前方から後輪に伝えるためにプロペラシャフトと呼ばれる細長い軸が配置されることから、後部座席中央の足元空間が盛り上がってしまい邪魔になるといったデメリットがある。

価格が高い

FR車を製造する際、車体の前方から後輪に駆動力をしっかりと伝達するため、さまざまなパーツを複雑に組み合わせた設計が必要とされる。必要な部品の数が多くなるうえに設計や調整にも高度な技術と時間を要すことから、製造コストが高くなりやすい。

燃費性能が低い

FR車は、車体前方から後輪にエンジンの駆動力を伝えるため、どうしても駆動系の損失が大きくなる。また、プロペラシャフトをはじめとする部品によって車体が重くなりやすいことから、エネルギーの効率的な利用が難しくなり、FF車と比べて燃費性能が低くなる傾向にある。

雪道や凍結路面では滑りやすい

駆動輪にかかる重量が大きいFF車や4WD方式の車体に比べて、FR車は停止時に駆動輪にかかる重量が少なくなる。それにより、発進・加速時にタイヤが空滑りしやすいといったデメリットがある。雪道や凍結などでは特に滑りやすくなるため、注意が必要だ。

 

※データは2023年5月下旬時点のもの。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

※製品およびサービスのご利用はあくまで自己責任にてお願いします。

文/編集部

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