自治体からの問い合わせも多数。新しい集客スポット候補に
実際にcitywave Tokyo の利用者はどんな人が多いのだろうか?
島崎さんによると、東京・大井町時代の利用者の7割方はサーファーではなく、citywave Tokyoができたことでサーフィンを楽しむようになった、いわば人工ウェーブネイティブだったという。場所柄、仕事前や仕事帰りに波乗りしていくビジネスマンも多かったらしく、さながらゴルフの打ちっぱなしの代わりにサーフィンを楽しんでいたようだ。
では、茨城県境町に移ったcitywave Tokyo Sakaimachiにはどんな人が通うのだろうか。境町は埼玉県との県境に近い完全な内陸部。東京都心からは車で1時間半という立地だ。
島崎さんは、東京・大井町時代の利用者の約6割がリピーターになってくれるだろうと予想。citywave Tokyo Sakaimachiのすぐ隣が、東京からのバスが発着する高速バスターミナルであることも大きな強みだ。夏以降はファミリー層、インバウンド層の取り込みも狙う。
ところで、堺町は海から車で1時間半の海なし町でありながら、2018年にハワイのホノルル市と友好都市協定を、21年には姉妹都市協定を結んでいる。citywave Tokyoが東京大井町からの移転先に境町を選んだのも、このホノルルつながりと無関係ではない。堺町としても人工ウェーブプールは、ホノルル市姉妹都市にふさわしいアクティビティ施設だった。
他の地域の行政や民間企業からも。誘致をはじめさまざまな問い合わせがcitywave Tokyoに寄せられているという。総面積2000㎡というコンパクトな人工ウェーブプールは空き地利用を含め、新しいアクティビティ施設として有力候補になりつつある。東京オリンピック2020でサーフィンは正式競技に採用されたが、人工ウェーブプールはまだこれから伸びるスポーツ。地域の魅力づけスポットとしても注目される。
今年の8月にcitywave Tokyo Sakaimachiで大会が開かれる予定だ。世界ではすでにワールドツアーが開催されている。人工ウェーブプールサーフィンがメジャーになる日はそう遠い将来ではないかもしれない。
取材・文/佐藤恵菜