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スマホ依存から距離を置く「デジタルデトックス旅」のすすめ

2023.05.28

ワーケーションの場でもデジタルデトックス

ホテル・旅館が企画した路線とは別の、宿泊を伴うデジタルデトックスについても見てみよう。場所は岐阜県の養老町。日本三名瀑の1つ「養老の滝」などで知られる風光明媚な所だ。この町のテレワーク施設「YOROffice(ヨロフィス)」を舞台として、「デジタルデトックスを取り入れたワーケーション実証事業」が行われている。

 昨年11月に開催された第1回の事業は、「ワーケーションとリトリートのバランス型滞在プログラム」。参加団体はウェブメディア『クーリエ・ジャポン』編集部の社員たち。2020年に完全リモートワーク制を導入したが、「次なる働き方(そして休み方)」を探る一環としてプログラムを組んだという。

 期間は4日間。完全にネットを遮断するのでなく、業務では使用、アクティビティでは不使用と分けた。アクティビティとは、陶芸、木工、ひょうたんを使ったアート制作など、ご当地の伝統工芸・歴史を感じられる創作活動をさす。また、マインドフルネス瞑想やサイレント・ウォークも随時行われた。さらに、業務の休息時にはスマホを預け、代わりにフィルムカメラが貸し出されるという趣向。

 本事業に参画するデジタルデトックス・ジャパン理事の森下彰大さんは、このときメンバーたちが実感した効果・変化について、次のように語る。

 「オンラインで仕事ができるなか、岐阜県まで出向いてメンバーで顔を合わせるという行為は、コスパや最近流行りのタイパという観点でいえば悪いでしょう。ですが、単純に同じ空間で居合わせるだけで、メンバー同士のコミュニケーションが増え、比例して仕事とは一見関係のない雑談で盛り上がることが増えました。それこそが信頼関係の構築につながっているのだと感じました。アクティビティ中はデバイスがないので、必然的に対話も増えます。デジタルデトックスが、チームビルディングに寄与するというのは思いがけない発見でした」

 まさに、メリットしか出てこないデジタルデトックス。最近、スマホ時間が長すぎると感じていたら、いちどチャレンジしてみてはいかがだろうか。

取材・文/鈴木拓也

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