ローランドは1983年に発売され、多くのミュージシャンが愛用した同社のデジタル・ディレイ「SDE-3000」を忠実に再現したデュアル・デジタル・ディレイ「SDE-3000D」を、ボス(BOSS)ブランドから2023年5月27日より発売する。
SDE-3000D
また長年にわたり「SDE-3000」を愛用した世界的なギタリスト、エディ・ヴァン・ヘイレン氏のサウンドやセットアップを再現するため、エディ氏が創設したフェンダーのスペシャリティブランド「EVH」とコラボレーションした特別仕様の「SDE-3000EVH」も2023年6月17日に発売される予定だ。
「SDE-3000D」「SDE-3000EVH」ともにオープン価格。サイズと重量は共通で幅199×奥行き135×高さ54mm(ゴム足含む)、1.1kg。
40年の時を経て甦る〝Vintage Digital Delay〟
「SDE-3000」は柔らかく温かみのあるディレイ・サウンドを特徴としており、このアイコニックなサウンド・キャラクターは、当時のアナログ・パーツや回路設計により生み出されるものだ。
1983年に発売され人気を博した「SDE-3000」
「DE-3000D」は、「SDE-3000」のヘッドアンプ部でわずかに発生する周波数特性の変化や、ローパス・フィルター部で起こる磁気飽和による歪み、用いられたパーツによる独特な揺らぎなどを緻密に再現することで、オリジナルに忠実なサウンドと挙動を再現したという。
オリジナルを凌駕するサウンド・メイクが可能
「SDE-3000D」のコントロール部。「SDE-3000」をイメージする7セグ表示
「SDE-3000D」は、ステレオ入出力に対応した「SDE-3000」×2台に相当する機能を搭載。それぞれのパラメーターは個別に設定できるため、2基を並列接続することによって得られる広がりのあるステレオ・サウンドや、2基を直列接続して、それぞれを異なるディレイ・タイムに設定することで複雑なリズムを構築することが可能だ。
また、まるでリバーブのような深みのある空間を「SDE-3000D」1台で生み出すこともできる。
出力方法も用途に合わせての設定に対応しており、それぞれのディレイ・サウンドを異なる機器に出力する、ウェット音(エフェクト効果のかかっている音)とドライ音(エフェクト効果のかかっていない音)を分離して出力するなど、現代のニーズにも応える高い汎用性を備えている。
現代の使用環境にも対応する機能搭載
「SDE-3000D」のサイド・パネル。ステレオ・ミニ・タイプのMIDI端子を装備
「SDE-3000D」は、エフェクトをOFFに切り替えた際にディレイ音を残すことができるキャリーオーバー機能や、メモリー数を100個に拡張するなどの現代的なアップデートも施されている。
MIDIにも対応しており、外部MIDI機器からプリセットの呼び出しやパラメーターの変更などを行なうことも可能だ。
「EVH」とのコラボ・モデルも同時発表
SDE-3000EVH
「SDE-3000EVH」は、エディ・ヴァン・ヘイレン氏のギターに関するアイデアやビジョンを世界中のミュージシャンに伝え続けてきた「EVH」とボスがタッグを組み、エディ・ヴァン・ヘイレン氏の「SDE-3000」を2台使用した伝説的なアプローチを現代に甦らせるために開発された。
「SDE-3000EVH」のリアパネル
「SDE-3000D」の基本性能に加え、エディ・ヴァン・ヘイレン氏の代名詞でもある3台のスピーカー・キャビネットを使用したウェット/ドライ/ウェットのセッティングを実現する1イン3アウト仕様や、完全再現されたプリセット・サウンド、そして印象的な「EVHストライプ」のデザインをまとった特別仕様のモデルだ。
関連情報
SDE-3000D https://www.boss.info/jp/products/sde-3000d/
SDE-3000EVH https://www.boss.info/jp/products/sde-3000evh/
構成/清水眞希