『伯剌西爾』は、南アメリカにある国を漢字表記にしたものですが、どの国のことなのでしょうか?正しい読み方を国名と国旗の由来とともに紹介します。伯剌西爾の基本情報や行事、観光スポット、日本との関わりについても確認しましょう。
伯剌西爾の読み方
『伯剌西爾』は、よく知られている国の名前ですが、なじみのない漢字も含まれているため、正しく読めない人もいるのではないでしょうか。まずは、正しい読み方を見ていきましょう。
正しい読み方は「ブラジル」
伯剌西爾の正しい読み方は『ブラジル』で、漢字1文字で表す略称は『伯』です。ブラジルと漢字表記が結び付かないのは、漢字自体に特に意味がない当て字であるためです。
中国から伝わった表記がそのまま使われている国名もありますが、伯剌西爾はそのケースに当てはまりません。中国では『巴西』と表記されます。
なお、現代では外国名を片仮名で表記しますが、大正時代の後期頃までは漢字表記が使われていました。新聞などで目にする『米』『英』『仏』『伊』の略称は、漢字表記が使われていた頃の名残です。
伯剌西爾の国名や国旗の由来
ブラジルという国名には、どのような由来があるのでしょうか?また、国旗にも歴史的出来事などに基づいた由来があります。両方の由来を知り、知識を深めましょう。
国名の由来は木の名前
国名はブラジルに生息している木の名前が由来です。ポルトガルの艦隊がブラジルに漂着した際に持ち帰った木を『パウ・ブラジル』と呼んだことから名付けられたといわれています。
持ち帰ったのは赤色の染料となる木で、『ブラジルウッド』や『ブラジル・スオウ』などさまざまな呼び名があります。
ブラジル北東部のペルナンブコ州に生息しているものは、染料として優れているだけでなく、弦楽器の弓製作においても最適な原料です。質が高く高級であることから、『ペルナンブコ』と呼ばれ区別されています。しかし、過度な伐採が進み絶滅の恐れがあるため、現在は絶滅危惧種に認定され輸出禁止になっています。
国旗の星は州の数を表現
ブラジルの国旗は、王政時代のものが基になっており、緑に黄色いひし形と青い円が描かれているのが特徴です。緑色は『森林』、黄色は『鉱物』、青い円は『天体(リオデジャネイロの夜空)』を表しています。
27個の星は、首都『ブラジリア』と26州を足した数です。州の数が変わると国旗に反映され、デザインが変更されます。
天体に書かれている文字は、国のモットーである『秩序と進歩』という意味です。天体は共和制に変わった日時の夜空で、おおいぬ座などが描かれています。
伯剌西爾のことを知ろう
ブラジルと聞くと、コーヒーやサッカーを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?基本情報や文化、観光スポット、日本との関わりを知り、ブラジルについて詳しくなりましょう。
伯剌西爾は中南米最大の国
ブラジルは南アメリカ大陸に位置し、ベネズエラ・コロンビア・ペルーなど複数の国と隣接しています。正式名称は『ブラジル連邦共和国』で、首都は『ブラジリア』です。ブラジリアは内陸部の地域振興を通じた国土の均衡ある発展を目指して開拓された新都市で、1960年に首都になりました。
日本の約22.5倍の国土面積を有し、北から南に縦長であるため、地域によって気候や地形などが異なるのが特徴です。また、東西に幅広いため、時差もあります。
人口は約2億1,400万人で、欧州系・アフリカ系・東洋系など、さまざまな民族が暮らしています。主な宗教はカトリックですが、プロテスタントの人も少なくありません。
伯剌西爾といえばリオのカーニバル
ブラジルの行事の中で特に有名なのが、リオデジャネイロで行われる『リオのカーニバル』です。毎年2月から3月初旬に4日間開催されます。派手に飾られた山車や華やかな衣装に身をまとった人たちが、サンバのリズムに合わせて踊りを披露するコンテスト形式のパレードです。
もともとはキリスト教の『謝肉祭』と呼ばれる行事で、17世紀頃にポルトガルの移民から伝わったと考えられています。また、サンバはアフリカの民族音楽から発展したといわれており、奴隷として連れてこられたアフリカ人によって持ち込まれたとされています。
伯剌西爾の人気のスポット
ブラジルは壮大な自然が残る地域が多く、観光スポットとして人気です。その一つが、有名な『アマゾン』です。中流域に位置する都市『マナウス』までは、大型船のクルーズもあります。
アルゼンチンとの国境にある『イグアスの滝』は、大迫力の光景が見られる場所です。遊歩道があり、滝の近くまで歩いて行くことが可能です。ブラジル北東部のマラニャン州にある砂丘と青い池が美しい『レンソイス・マラニャンセス国立公園』では、大自然の絶景を楽しめます。
リオデジャネイロの『コルコバードの丘』に建てられた高さ約40mキリスト像や、世界遺産にも登録されているサルヴァドールの旧市街『サルヴァドール・デ・バイア歴史地区』も人気のスポットです。
伯剌西爾と日本の関わり
1895年にブラジルと『日伯修好通商航海条約』が結ばれ、正式に外交が始まってから現在まで、友好的な関係が続いています。日本は農業や環境・防災など、さまざまな分野でサポートを行ってきました。
また、ブラジルは日本のちょうど反対側に位置する国であるにもかかわらず、多くの日系人が暮らしています。1908年から日本人の集団移住が始まり、多くの日本人がブラジルに移住したためです。
現在では約200万人もの日系人がおり、毎年7月にサンパウロで開催されている『日本祭り』には、多くの人が集まります。ブラジル人にとって、日本はとても身近な存在なのです。
構成/編集部