世界のカンパイ酒に。ライバルはシャンパン!
なぜこれほど高い基準を設けたのか。(一社)awa酒協会の会長も務める永井則吉さんは、「世界のカンパイ酒をめざしたい」からと語る。ワインならシャンパン、日本酒ならAWA SAKEというわけだ。
日本はシャンパンの輸入量世界3位であることに触れて、「泡の酒が好きなんですよ」と、AWA SAKE人気の伸びを確信している。
実際、2016年の(一社)awa酒協会の設立時に参加した酒蔵は8社だったが、現在は32社と4倍に増えている。
しかも、これだけ高い基準を課していることで、設備投資を含め「本気で取り組まないと造れない。気概のある酒蔵ばかりなので質の高さが保証できる」と永井さんは自信を見せる。
すでに、永井酒造のAWA SAKEブランド『MIZUBASHO PURE』は、世界一予約が取れないレストランと呼ばれたスペイン・カタルーニャ州の「エル・ブジ」のドリンクリストに採用された実績がある。
今年は7月に開催されるG7香川・高松’都市大臣会合の歓迎会のお酒に、地元香川県の綾菊酒造のAWA SAKEが採用されている。こうした国際的なイベントの乾杯酒にAWA SAKEをどんどんアピールしていきたいと永井さんは語る。
泡といえば、昨年、山梨県のワイナリーやブルワリーが新宿住友三角ビルに集まって「泡酒フェス」を開催している。スパークリングワインやクラフトビールと並び、AWA SAKE「七賢スパークリング」(山梨銘醸株式会社)も出店した。AWA SAKEの名はまだ一般には浸透していないが、泡が泡を呼び、今後の盛り上がりを期待させる。
昨年12月に東京新宿で開かれた「泡酒フェス」。提供/泡酒フェス
まだ飲んだことのない人には、爽やかなシュワシュワを目でも舌でも味わってみてほしい。また、日本酒ファン向けには、全国のAWA SAKEが飲める2023年6月16〜17日の日本酒イベント「日本酒フェア2023」(東京・池袋サンシャインシティ」をおすすめしたい。
取材・文/佐藤恵菜