ひろゆきの名言16を本人の声で
予想以上に売れたことを受け、同社は同じ筐体を利用した新商品『ひろゆきの論破くん』を開発し、2023年4月に発売した。
『ひろゆきの論破くん』は、インターネット掲示板『2ちゃんねる』創設者で、現在はYouTube配信、テレビ、雑誌などで活躍するひろゆきさんの名言を話すメッセージマシン。本人が公認しており、本人の声を使用。次の16の言葉が本人の声で収められている。
「はい乾杯うぇーす」
「優秀っすね」
「あのぅ」
「嘘は嘘であると、見抜ける人でないと難しい」
「はい、すいません」
「なんだろう」
「無理ですー」
「それってあなたの感想ですよね?」
「トゥクトゥクボウシ」
「いいえ」
「はいかいいえで答えてください」
「嘘つくのやめてもらっていいですか?」
「トゥイッター」
「ばーか」
「と僕は思いますはい」
「なんかそういうデータはあるんですか?」
アイデアが出されたのは、『応答くん』が発売された2022年11月。初回生産分が全部出荷された後のことだ。ひろゆきさん本人の承諾も2022年末に得ることができ、開発が始まった。
音源は、ひろゆきさんの公式YouTubeチャンネルの動画から必要なところを抜粋。聞き取りづらかった「なんかそういうデータはあるんですか?」、動画では発せられていなかった「嘘は嘘であると、見抜ける人でないと難しい」については、本人に話してもらい録音した。
ところで、これはどういうときに使うものなのだろうか? 三上さんに尋ねたところ、次のような答が返ってきた。
「議論を盛り上げたいときとか、ひろゆきさんになりきりたいときとかですね。あとは、自分では言いにくいことや、スパッと言えないことを代わりに言ってもらいたいときに使えます。『応答くん』とは使うシチュエーションが異なりますが、お守りのように持っていると安心できる点は同じです」
取材からわかった『応答くん』のヒット要因3
1.不安に応えた
家で過ごす時間がコロナ禍で増え、宅配サービスなどを利用する機会が増えると、1人暮らしの女性は以前にも増してそのことを悟られたくないと思うようになった。そんな不安心理に寄り添ってくれるものとして支持を集めた。
2.お守りとして渡しやすい
購入者本人が使うのはもちろんだが、進学や就職で1人暮らしを始める娘のために親が渡したり、故郷で暮らしている高齢の両親のために子どもが送ったりといった、離れて暮らす家族の安全を想って購入するケースもある。低価格(公式ECサイト『LITHON STORE』で1980円)も手伝いお守り代わりに渡しやすく、心配な気持ちを伝えやすかった。
3.社会的要因
「ルフィ」を名乗る人物をリーダーとするグループによる広域強盗事件がテレビや新聞を賑わせたことで、防犯グッズの需要が急増。こうした背景から注文が殺到した。社会的要因の影響は無視できない。
ネット上では効果を実感する声がある一方で、別の言葉を収めたもの、別のシチュエーションでも使えるもの、違う声で話したもの、方言で話したもの、録音できるものといった新商品に対する要望が多い。同社としても、今後は新たなバリエーションを追加したい考え。言葉と声の2方向から検討してつくりたいという。
製品情報
https://www.lithon.co.jp/product/others/ksvc001/
文/大沢裕司