TVやラジオよりもエンゲージメントが高く、没入できるメディア
オーディオストリーミングサービスから、音楽やポッドキャストなどのオーディオがリスナーの生活に与える影響を調査した、今年で2回目となる年次報告書『Sonic Science 2.0』2022年度版が発表された。
音楽や音声などの聴覚で感じるオーディオには、聴く人を笑顔にしたり、時に涙を誘ったりと感情を動かす力があることで知られているが、ブランド認知や商品購入の可能性も高められる手段であることも明らかにされている。
同社では、こうしたリスナーの反応についての理解を深める目的で、2021年から「Sonic Science」の調査を開始。
2021年に公開した最初の調査報告書『Sonic Science vol.1』では、高精度なパーソナライズ機能とインタラクティブ性を持つSpotifyが、SNS(+27%)やテレビ(+23%)、ラジオ(+23%)以上にエンゲージメントが高く、没入できるメディアであることが証明された。
今回発表された『Sonic Science 2.0』では、心理生理学的測定を行っているMindProber社との提携、ならびにマサチューセッツ工科大学(MIT)の脳科学および認知科学部准教授であるJosh McDermott博士による監修のもと、米国と英国の426名のSpotifyユーザーを対象に、自律神経の変化を示す皮膚電気活動を測定する調査を実施した。
その概要と結果は以下のとおり。
Spotify上でのオーディオや広告に対するエンゲージメント
・Spotifyで音楽やポッドキャストを聴くことはリスナーにポジティブな感情を生み出し、その感情は広告を聴いている間も保たれることがわかった。
・調査参加者の3分の1は、Spotifyで音楽やポッドキャストを聴いた後に「幸福感」や「陽気な気分」を感じたと回答。4分の1は「落ち着いた」と表現した。
・脳に対する音楽やポッドキャストといったオーディオコンテンツのエンゲージメントの高さは、広告になっても93%保たれるため、Spotifyの音声広告は他のメディアに比べ19%高い広告想起率を生み出している。
・リスナーの60%は、直前に聴いた音楽やポッドキャストなどの影響により、広告に対するエンゲージメントが高く保たれた。
・調査参加者の73%は、広告のトーンがそれを聴いた時の自身の活動に合っていれば、オーディオストリーミングサービスで能動的に広告を聴くと回答。
・調査参加者のうち5人に1人は、Spotifyで広告を聞いた後、実際にブランドや商品について検索したと回答した。そして、「Spotifyの広告で聞いた製品やサービスを今後実際に購入する可能性はどのくらいありますか?」という質問に対し、30%が「購入するだろう」と答えている。
リスナーの選択する音楽は物理的な環境や活動に関連
調査によって、リスナーの物理的な環境や活動状況が、視聴するオーディオの選択にどのように反映されるのかが明らかになった。
・ワークアウト中:活動を促し、やる気を高めるようなバウンス感やダンス感の高い楽曲(ヒップホップやEDMなど)が主に聴かれている。
・一人での食事中:食べるという行動がもっと楽しくなるように、ダンス感の高い音楽を選ぶ傾向がある。
・家事の最中:ポップスやオールディーズといったハイテンポなジャンルを聴いてやる気を出したり、気分を盛り上げている。
・料理中:料理中は、喜びや楽しさなどのポジティブな感情をいだきやすい傾向があり、ヒップホップやR&Bなど、ダンス感の強い音楽ジャンルが多く聴かれている。
・仕事や勉強中:ボーカルが少なくインストゥルメンタル要素の高い音楽、特にEDMやクラシックといったジャンルがよく聴かれている。
・リラックス中:カントリーやインディーズのようなアコースティック系の音楽を聴く確率が高い。
またSpotifyが、昨年8月に発表した、Z世代のカルチャーとトレンドに関する報告書『Culture Next』では、日本のミレニアル世代とZ世代がどのようにオーディオを活用しているかについても明らかにされている。
調査に参加したうちの63%は、Spotifyが日常生活に欠かせない存在であると回答した。
調査に回答した日本のミレニアル世代とZ世代の65%は、オーディオがメンタルヘルスを保つのに効果的であると答えている。
また、33%の日本のミレニアル世代とZ世代は「現実から逃れるため」と「現状を改善するため」にオーディオを使用している。
関連情報
https://ads.spotify.com/ja-JP/sonic-science/vol-2/
構成/清水眞希