ダブルエリミネーションは、勝ち抜き型のトーナメント形式の一種。野球やサッカーなどの公式大会のほか、カードゲームの非公式大会などで採用されることもある。最終試合まで実力勝負の熱い試合展開が楽しめるダブルエリミネーションは、試合の参加者だけではなく観戦者にとっても利点の多い試合形式だ。
そこで本記事では、ダブルエリミネーションの特徴や導入のメリット・デメリットについて解説する。この機会に、競技会の観戦をより楽しむための基本的な知識をおさえておこう。
「ダブルエリミネーション」とは?
スポーツやゲームの大会で採用される「ダブルエリミネーション」は、勝ち抜き型の試合形式の一つ。「エリミネーション(elimination)」とは、英語で「予選」のこと。“double-elimination”は、直訳すると「二度の予選」、つまり敗者復活戦があるトーナメント方式ということになる。
一度試合に負けると即敗退が決まるトーナメント形式「シングルエリミネーション」とは異なり、敗者復活戦が存在し、2敗でトーナメント敗退となるのが特徴だ。そのため、一度試合に負けたプレイヤーやチームも、敗者側のトーナメント戦で勝ち上がれば決勝戦まで進むことができる。
ダブルエリミネーション導入のメリット
ここからは、ダブルエリミネーションを導入するメリットを3つ紹介する。この方式の特徴についてより理解を深めていこう。
出場者の実力を反映させやすい
スポーツやゲームでは、運によって勝敗が決まるケースも少なくない。ダブルエリミネーションを導入すれば、運悪く負けてしまったプレイヤーやチームにも再度戦うチャンスが与えられるため、より実力を反映させた展開が望める点が最大のメリットと言えるだろう。
すべての選手に2回以上の出場権がある
先述の通り、シングルエリミネーション形式の大会では、一度試合に負けた時点で優勝の可能性が閉ざされてしまう。ダブルエリミネーションの場合は、すべてのチームに最低2回以上の出場権が与えられることから、一度負かされた相手とも最終戦で再試合できるチャンスが巡ってくる可能性がある。
大会が盛り上がりやすい
予選で一度敗れたチームがその後勝ち上がり、最終戦で勝利を収めるような大どんでん返しも起こり得るのがダブルエリミネーションの特徴だ。序盤で負けても最後まで優勝できる可能性が残されていることから、最終試合まで白熱した戦いが見られることも多く、大会の中でドラマが生まれやすい。
ダブルエリミネーションのデメリット
ダブルエリミネーションには大会全体を大きく盛り上げられるようなメリットもある一方で、デメリットも存在する。ここからは主な3つのデメリットを見ていこう。
試合数が増加する
ダブルエリミネーションは、一般的なトーナメント戦に比べて試合数が増加し、大会期間が長くなる傾向にあることから、一回戦ごとの試合時間が長くなるスポーツやゲーム、参加人数が多い大会には不向きとされる。また、試合数が増えることにより勝者サイドのプレイヤーの待ち時間が長くなりやすいことも念頭に置いておこう。
厳しい試合結果が出る
最下位が確定するダブルエリミネーション方式では、敗者がシビアな結果と向き合うことになる点も覚えておきたい。厳しい試合結果に直面することは、選手にとって次の試合に繋がる原動力にもなり得る一方で、マイナスに作用してしまうリスクもある。参加チームには、現実を直視できるような強いメンタルが求められるだろう。
組み分け配置が複雑で難しい
手作業での敗者の組み分け配置が難しいのもデメリットの一つ。そのため、主催時にはトーナメント表を手軽に作成できるよう、表計算ソフトを使用したりトーナメントアプリを利用したりするのが良いだろう。
ダブルエリミネーションの採用を検討する際のポイント
ダブルエリミネーションの採用を検討する際は、この形式の特徴をよく理解したうえで、主催予定の大会に適したフォーマットといえるかどうかをよく見極める必要がある。例えば、選手の実力差がまばらなチームが集まる通常の大会でダブルエリミネーションを採用したとしても、この形式の利点を十分に活かしきれない場合があることは理解しておきたい。
文/編集部