薫風さわやかな季節を迎えました。緑も鮮やかで、藤の花が美しく咲き誇る季節です。気持ちの良い風を感じると、生きる喜びが湧いてくるような気がします。コロナ禍のこの数年、いろいろなことが変化しました。
苦しい時期もありましたが、人との接触を制限され、強制的に家にいる時間が増えたおかげで、家族そろって食事をする時間が増え、絆が深まって良かったという話をうかがいました。
家族が安心して笑顔で乾杯ができる、こんなにうれしいことはありません。家族が健康で美味しくワインを飲めることに感謝して、乾杯!ということで、今回のテーマは「感謝」です。
家族に感謝、そして友人・恋人、同僚・部下、あらゆる人に感謝を込めて、美味しくいただきましょう!
フリウリの名門・白ワインのスペシャリスト!クオリティの高いワインを生み出すアテムスの極上ワイン
1. アテムス ピノ・グリージョ 2021 ( 白ワイン)
生産地:イタリア/フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア
生産者:アテムス
ぶどう品種:ピノ・グリージョ100%
味わい:辛口
イタリアの北東部、オーストリア及びスロベニアに隣接する国境の州であるフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア。アテムスは、このフリウリのゴリツィア県ルチニコの地に1106年から続く長い歴史のある家系でフリウリの中でも最も古いワイナリーです。
低収量・高品質のワイン造りを提唱し、特にピノグリージョやソーヴィニヨン・ブランの白品種から造られるワインは専門誌からの評価も高く、その実力には定評があります。2000年からトスカーナの名門フレスコバルディの資本提携を開始し、さらに高い品質を目指しています。
アテムス・ピノグリージョは優美な麦わら色。メロンやスギの香りが感じられ、いきいきとしたアロマが特徴的です。アーモンドとトーストしたパンの魅惑的な味わい。白コショウや青リンゴのニュアンスが次第に広がり、非常にバランスの良い、エネルギッシュな味わいのワインです。食前酒にピッタリですが、今の時期はフレッシュな野菜たっぷりのサラダと合わせると、とても美味しいワインです。パスタ料理、魚料理との相性も抜群です。
★“SAKURA”Japan Women’s Wine Awards ゴールド受賞・ジェームズサックリング91点
アルヴァリーニョのトップ生産者がミーニョ地方を代表するもう一つの品種ロウレイロで造り上げた新たなスタイル!
2. ソアリェイロ ジェルミナール ロウレイロ ヴィーニャス・ヴェーリャス 2020(白ワイン)
生産地:ポルトガル/ミーニョ
生産者:ソアリェイロ
ぶどう品種:ロウレイロ100%
味わい:辛口
アルヴァリーニョのトップ生産者のひとりとしての国内外から認められているソアリェイロ。大部分の畑の葡萄は有機農法で栽培されており、動植物の生物多様性を促進しています。
そのソアリェイロがミーニョ地方を代表するもう一つの品種ロウレイロで新しいスタイルのワインを造り出しました。樹齢30年のロウレイロ種を手摘みで収穫し、ステンレスタンクとエッグ型コンクリートタンクに分けられ醸造されたワインは、ブレンドされて完璧で最高のバランスでボトリングされます。
白い花の香、切れ味の良い酸味、ミネラル感、素晴らしいバランスで、守備範囲の広いフードマッチングを楽しむことができます。
まみちゃんワインワンポイント講座:ブドウの樹齢とワインの味について
「ソアリェイロ ジェルミナール ロウレイロ ヴィーニャス・ヴェーリャス 2020」は樹齢30年のロウレイロ種を手摘みで収穫したワインです。
ブドウの木は植えられてから約3年間ほどは、安定した果実を収穫することができません。結実はするのですが、商業用に品質と収穫量が安定するには、5~7年ほどかかります。8年目あたりから収穫量も安定し、ワインメーカーとして生産量の見通しが立つようになります。ただし、天候がよければですが……。
その後、20年を過ぎたあたりから、少しずつ結実する量が減ると同時に、ぶどうの品質が向上して、どんどん美味しくなります。
もともとブドウは、一本の木に房をたくさんつけると、品質が落ちます。房の数を少なくすれば、品質は高くなります。根っこから吸い上げる栄養分は同じなので、ぶどうの数が多いと、1房当たりの栄養分が減り、品質が落ちるということになります。
つまり、約20年以上の木は、結実するぶどうの数を減らしながら、美味しいブドウだけを作るようになり、それが高品質なワインとなっていくのです。
ブドウの樹の寿命は約50年ほどと言われていますが、産地によっては樹齢100年以上の樹も存在します。でも、古ければ古いほど良いかというと、そうでもなくて、古くなればなるほど、収穫量が減ってしまいます。量と質のバランスが最高に良いとされているのが樹齢35年前後と言われています。
実際には世界中を探しても樹齢100年以上のぶどうの樹をあまり見つけることができない歴史的な背景もあります。19世紀後半、アブラムシの一種であるフィロキセラという昆虫の被害が蔓延して、世界のぶどう畑が大被害を受けてしまったのです。奇跡的に被害をまぬがれた産地といえば、チリや南オーストラリアなどがあり、ラベルに表記していることもあります。
一般的には古樹のぶどうを使用するときの明確な規定はありませんが、だいたい樹齢30年以上の場合に、vieilles vignes 、略してVV、とか、old vines などと表記する生産者もいます。
機会がありましたら、ぜひこうした表記のワインを味わってみてください。私も古樹のワインは大好きです。第一印象が温和で、優しく、懐が深く、温かみがあるような気がします。ワインもなぜか、人間と同じような気がしませんか?