コンチネンタルブレックファーストとは、ヨーロッパスタイルの朝食です。サッと食べられる・安価などの魅力がありますが、朝食をしっかり食べたい人には不向きかもしれません。コンチネンタルブレックファーストの特徴や、他の朝食との違いを紹介します。
コンチネンタルブレックファーストとは
ホテルで朝食を食べようとして『コンチネンタルブレックファースト』とメニューにあった場合は、どのような朝食が提供されるのでしょうか?内容を詳しく見ていきましょう。
ヨーロッパスタイルの朝食
『continental』は『大陸風の』という意味です。『continental breakfast』で『大陸風の朝食』となります。ここでいう大陸とは、ヨーロッパ大陸のことです。メニューに『コンチネンタルブレックファースト』と書かれている場合は、ヨーロッパスタイルの朝食が提供されます。
コンチネンタルブレックファーストの特徴は、シンプルで手軽なメニューが多い点です。メニューの詳細は国やホテルによって異なりますが、特別に手の込んだ料理が供されることはほぼありません。
なお朝食は『breakfast』と書き、本来の意味は『断食(fast)を止める(break)こと』です。『ブレックファースト』より『ブレックファスト』の方が本来の発音に近いですが、本記事では『ブレックファースト』として紹介します。
コールドメニューが中心
コンチネンタルブレックファーストの特徴は、火を通さない冷たいメニューで構成されている点です。コンチネンタルブレックファーストの定番メニューとして、以下のものが挙げられます。
- シリアル
- パン
- オートミール
- バター
- ジャム
- ハム
- チーズ
- 野菜サラダ
- ヨーグルト など
上記に加え、コーヒー・紅茶・ミルク・フルーツジュースなどが付くのが一般的です。
コンチネンタルブレックファーストは調理の手間が少なく済むことから、ルームサービスで提供されるケースも多々あります。価格も安価な傾向があり、パッケージツアーの朝食の定番です。
アメリカンブレックファーストとは
コンチネンタルブレックファースト以外でよく見るのが、『アメリカンブレックファースト』です。どのような朝食スタイルなのか、詳しく見ていきましょう。
アメリカンスタイルの朝食
アメリカンブレックファーストの特徴は、あたたかいメニューが含まれる点です。肉や卵を使ったメニューが多く、コンチネンタルブレックファーストよりもボリュームがあります。
なお『アメリカン』とはいうものの、アメリカンブレックファーストがアメリカ一般家庭の定番メニューというわけではありません。
アメリカは、さまざまな国からの移民によって構成される国です。文化や食習慣の違いは大きく、朝食についてこれがアメリカ式といえるものはありません。人々の朝食スタイルは、各人がルーツを持つ国のメニュー・様式に準ずるケースが多いようです。
ホットメニューもプラスされる
アメリカンブレックファーストは、コンチネンタルブレックファーストの基本メニューに以下のようなホットメニューを加えるのが一般的です。
- オムレツ
- ゆで卵
- 目玉焼き
- スクランブルエッグ
- ハム
- ベーコン
- ソーセージ
- ポテト など
卵や肉料理については選択肢が豊富で、自由に選べます。ホテルによっては、火の入れ方まで細かく指定も可能です。またパンの代わりに、パンケーキやワッフルを選べるケースもあります。
フルイングリッシュブレックファーストとは
フルイングリッシュブレックファーストは、『イギリスで最もおいしい料理』と称される場合もあります。特徴やメニューの詳細について、詳しく見ていきましょう。
イギリススタイルの朝食
フルイングリッシュブレックファースト(full English breakfast)とは、イギリスやアイルランドで提供される、イギリス式の朝食です。コンチネンタルブレックファーストと比較すると、よりボリュームがあります。
フルイングリッシュブレックファーストが広く一般に食されるようになったのは、18世紀の産業革命の頃だとされています。肉体労働に勤しむ労働者は、栄養と量のある朝食が必要でした。朝をたっぷりと食べるスタイルが、イギリスの定番として定着したのです。
なお『イングリッシュ』というのは、『イングランド地方の』という意味になります。イングリッシュブレックファーストの呼称は地方によって変わるため、注意しましょう。
スコットランドなら『スコティッシュブレックファースト』、ウェールズなら『ウェルシュブレックファースト』、アイルランドなら『アイリッシュブレックファースト』です。
ベイクドビーンズは欠かせない
フルイングリッシュブレックファーストは、アメリカンブレックファーストよりもさらにボリュームたっぷりです。定番のメニューとしては、以下のものがあります。
- ベーコン
- ソーセージ
- 卵料理
- 焼きトマト
- ベイクドビーンズ
- パン
- ブラックプディング
- ハッシュドポテト
- マッシュルーム など
ベイクドビーンズとは、ケチャップで甘くかつ柔らかく煮た豆です。フルイングリッシュブレックファーストでは定番のメニューの一つで、店によって味わいが異なります。
また『ブラックプディング』とは、血の入ったソーセージです。イギリスではおなじみですが、他の地域で口にするケースは少ないかもしれません。
ビュッフェスタイルの朝食も人気
自由度の高い朝食として人気を集めるのが、ビュッフェスタイルです。朝食スタイルの特徴やマナーを紹介します。
セルフサービス式の朝食
ビュッフェスタイルとは、自分で食べるものを選べる朝食スタイルです。会場にはさまざまなメニューが用意されており、好きなものを好きなだけ・好きなタイミングでお皿に載せられます。基本的にスタッフによる給仕はなく、最初から最後まで全てセルフサービスです。
メニューはホテルによって大きく異なり、その地域ならではのメニューや食材を選べるケースもあります。シェフが常駐してオーダーを受けてくれるところは人気が高く、日本のホテルでは定番の朝食スタイルです。
マナーに注意
ビュッフェスタイルで注意したいポイントは、以下の通りです。
- コース料理と同じ順番で食べる
- 一つの皿に載せる料理は2~3品に留める
- 自分が食べられる分だけを取る
- 次に取るときは新しい皿を使う
- 皿に載せた料理を残さない
ビュッフェのメニューは、コース料理と同じ順番で並べられています。料理はまずは前菜コーナーから選び、メイン・デザートへと進みましょう。
大好物の料理でも、皿に山盛りに載せるのはスマートではありません。残すことがないよう、食べられる分だけを皿に載せます。お代わりするときは、新しい皿を使うことも大切です。
構成/編集部