オープンジョーとは、往路と復路で別々の発着地を選べる航空券です。旅程を組む際に空港の縛りが少なくなるため、一度の旅行でさまざまな地域に行きたい人に適しています。オープンジョーの意味や利用のメリット、さらには種類や類似する航空券を紹介します。
オープンジョーとは
オープンジョーとは、どのような種類の航空券なのでしょうか?詳細を確認します。
往復航空券の一種
『オープンジョー』は、往路と復路の発着空港を自由に選択できる航空券です。
往復航空券に分類されるものの、往路の出発空港と復路の帰着空港、往路の目的地と復路の出発空港が、必ずしも一致する必要はありせん。現地では陸上の交通機関を使って移動でき、鉄道やバス・自動車などによる旅を楽しむことが可能です。
『open jaw』を直訳すると『開いたアゴ』となります。オープンジョーの航路をつなぐと、サメやワニが口を開けている姿を横から見たような形になるため、このように呼ばれるようになりました。
メリットは旅の自由度が高いこと
オープンジョーの航空券を選択すると、往路と復路の空港に縛られずに済みます。現地での旅行プランの選択肢が広がり、複数の都市に行くのもスムーズです。小回りの利いた旅行を楽しみやすく、空港のない小都市も効率的に回れます。
またオープンジョーなら、往路の目的地・復路の出発地が離れている場合でも、往復運賃が適用されます。離れた都市間でも片道航空券を1枚ずつ購入する必要がなく、片道ずつ航空券を購入するよりもコストを抑えやすいのが魅力です。
利用には注意が必要
オープンジョーの注意点は、利用条件の詳細が航空会社によって異なる点です。希望エリアでの利用が認められない・追加料金が必要などのケースもあるため、条件の確認が必要といえます。
そもそもLCCが運航している地域なら、フルキャリアのオープンジョーではなく、LCCを片道ずつ利用した方が安く済む可能性もあるでしょう。
またオープンジョーを利用する際には、複雑な旅程を組まないことも大切です。スケジュールがギリギリの旅程を組むと、交通機関のトラブルがあった場合に対応できません。土地勘がない場所へ行くときは、シンプルかつ余裕のある旅程を組みましょう。
オープンジョーの種類
オープンジョーは、大別すると三つの種類があります。どのようなものなのかチェックしましょう。
往路の到着地と復路の出発地が異なるパターン
往路は成田空港からイギリスのヒースロー空港、復路はフランスのパリ シャルル・ド・ゴール国際空港から成田空港といったパターンです。出発地と帰着地が同じであるため、『シングルオープンジョー』に分類されます。
上記の場合、出発地と帰着地はどちらも同じ成田空港ではあるものの、行きの目的地と帰りの出発地は離れています。イギリスとフランスの間をどのように移動するか・どこに立ち寄るかは、旅行者の自由です。
海外旅行で2都市以上を回りたい人には、特におすすめの航空券といえます。
往路の出発地と復路の到着地が異なるパターン
往路は成田空港からイギリスのヒースロー空港、復路はイギリスのヒースロー空港から関西国際空港というパターンです。往路の目的地と復路の出発地が同じであるため、こちらもシングルオープンジョーに分類されます。
上記の場合、渡航先では都市間の移動はありません。ただし出発地と帰着地の空港間は距離があり、何らかの交通機関による移動が必要です。
パターンとしては、『関西の人が、出国前に東京で遊んで海外に出発する』『関東の人が、帰国後に大阪の友人と会う約束がある』などのケースが考えられます。
往路と復路の出発地空港・も到着地空港もの全部が異なるパターン
往路は成田空港からアメリカのロサンゼルス空港、復路はアメリカのラガーディア空港から千歳空港といったパターンです。往路の出発地・目的地と復路の出発地・帰着地の全てが異なるため、『ダブルオープンジョー』に分類されます。
このパターンでは、目的地でも帰着地でも陸上の交通機関を使った移動が必要です。旅程が複雑になる傾向があるため、移動ルートや時間については、適切に確認・把握する必要があります。
なおコスト面が気になる場合は、オープンジョーを利用した場合と、LCCで行き帰りの片道航空券を購入した場合とを比較しましょう。
複数都市を回る方法はほかにもある
複数都市を回りたい場合は、周遊航空券やストップオーバーを利用するのも一つの方法です。それぞれどのような航空券なのかを紹介します。
周遊航空券を利用する
周遊航空券とは、複数都市の移動が可能な往復航空券です。オープンジョーと似ていますが、移動は全て飛行機が原則となっています。空港から近い都市間同士を移動する場合・旅先での長距離移動を効率よく行いたい場合に、最適な航空券です。
周遊航空券なら、都市間の航空券を別々で購入するよりも安価になります。ただし日付やルートによっては手数料が発生する上、予約後の変更が難しいケースが少なくありません。周遊航空券を購入する場合は、利用条件の確認が必須です。
また地域によっては、空港が都市部から離れている場合もあります。スムーズに都市を回るなら、空港からの移動手段・時間についても把握した上で計画を立てましょう。
ストップオーバーを利用する
ストップオーバーとは、乗り継ぎ便を利用した際、乗り継ぎ地に24時間以上滞在することです。
例えば成田発・ヒースロー着という便で香港国際空港を経由する場合、通常のトランジットでは香港に24時間以上滞在することはできません。しかしストップオーバーなら、ホテルに1泊して、香港の観光も楽しめるというわけです。
ストップオーバーで滞在できる日数の上限は、航空会社によって異なります。航空券の種類によっては追加料金が発生するケース・そもそもストップオーバーが認められないケースもあるので、購入前に詳細を確認しましょう。
構成/編集部