採用試験をはじめ、退職に伴う引継ぎ業務や新たな環境での業務内容の把握および人間関係の構築など…。転職には様々な手間と苦労が伴う。それゆえに、どうせ転職するのであれば、前職よりも賃金をアップさせたいと考える人は多いことだろう。
では、前職と比べて賃金が1割以上増加したビジネスパーソンはどの程度いるのだろうか?
リクルートはこのほど、同社が提供する転職支援サービス『リクルートエージェント』における2023年1-3月期の「転職時の賃金変動状況」を発表した。
「転職時の賃金変動状況」では“転職者の賃金は転職前後でどのように変化しているのか”という点に着目し「前職と比べ賃金が明確に(1割以上)増加した転職者数の割合」の経年変化を観察している。
1-3月期の「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者の割合」は34.7%
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた2020年1-3月期を起点に大きく水準を切り下げたが、翌年2021年1-3月期には概ね感染拡大前の水準近くに復した。足元2023年1-3月期は、そこから更に伸長を続けており、最高値を更新している※1。
以下、職種別で見ていく。
IT系エンジニア:1-3月期の「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者の割合」は40.3%
2019年頃より幾分減速感が見られていたが、2021年は上昇基調に復し、足元2023年1-3月期は更に伸長を続けており、最高値を更新している※2。
機械・電気・化学エンジニア:1-3月期の「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者の割合」は29.5%
2019年以降、下落基調が続いていたなか、2020年10-12月期を底として反発。以降は上昇基調に復し、足元2023年1-3月期も前年同期差+1.2ptとなっている。
営業職:1-3月期の「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者の割合」は34.4%
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた2020年1-3月期を起点に大きく水準を切り下げたが、翌年2021年1-3月期には概ね感染拡大前の水準近くに復した。その後、一時的に弱含むも、以降は上昇基調に復し、足元2023年1-3月期は最高値を更新している※2。
事務系専門職:1-3月期の「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者の割合」は33.2%
2017年以降、弱めの動きが続いていたなか、新型コロナウイルスの感染拡大も重なり、2020年頃にかけては幾分水準を切り下げた。その後、2021年4-6月期以降は上昇基調となり、足元2023年1-3月期は最高値を更新している※2。
接客・販売・店⻑・コールセンター:1-3月期の「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者の割合」は43.1%
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた2020年1-3月期を起点に大幅に水準を切り下げたが、その後は2020年7-9月期を底として反発。以降は振れを伴いつつも上昇基調を続け、足元2023年1-3月期は最高値を更新している※2。
出典元:株式会社リクルート
構成/こじへい