高速道路の利用料支払い時に使うETCカードの利用範囲をさらに拡大するETCXとは何なのでしょうか。今回は、箱根ターンパイクをはじめとする有料道路やガソリンスタンドなどで利用できるようになってきているキャッシュレス決済のETCXについて紹介します。カーライフの幅を広げたい方やETCが利用できない有料道路を使う時に便利なETCXについて知りたい方は必読です。
ETCXとは?
そもそもETCXとは、ETCの通信を利用したキャッシュレス決済サービスです。窓を開けて小銭を手渡したりお釣りを受け取ったりすることなく、車内にいながら決済できるサービスとして、ETCが使えない有料道路やガソリンスタンド、駐車場やごみ処理施設などで利用できます。
このETCXは、ETCの通信システムを利用しているものの、利用するためには事前登録が必要です。登録にかかる登録費や年会費は無料となっています。ETCXの登録が済んだら、ETC車載器にETCカードを差し込むだけで利用可能です。
なお、ETCXの運営会社は、ETCの多目的利用サービスに関連する事業を展開する「ETCソリューションズ株式会社(株主:ソニーペイメントサービス株式会社、株式会社メイテツコム、沖電気工業株式会社、三菱プレシジョン株式会社)」が運営しています。
ETCXを利用するためには?
ETCXを利用するためには、事前登録が必要です。登録する際には、クレジットカード会社が発行するETCカードまたは高速道路会社が発行するETCコーポレートカードが必要となります。
クレジットカード会社が発行するETCカードを使ってETCXの申込みをする場合、メールアドレスの登録、クレジットカード情報やETCカード情報の入力などが必要です。
ETCコーポレートカードの場合には、オリコ(株式会社オリエントコーポレーション)のB2Bサポートプランに申し込みすることでETCX決済の利用が可能となります。
登録が済んだら、ETC車載器にETCカードを挿入してETCXを利用します。ただし、ETCXを利用する時は、所定の位置で一旦停止をして決済の完了を確認することが必要です。高速道路のETCのようにノンストップで利用できるサービスではないことに注意しなければなりません。
また、すでに登録が済んだETCカードであれば、自分の車だけでなく、レンタカーやカーシェアの車両でもETCXを利用できます。
ETCXはどこで利用できる?
ETCXは、箱根ターンパイクや熱海ビーチラインなどの有料道路、ガソリンスタンド、駐車場、ごみ処理施設など、様々な場所で利用できます。ただし、2023年4月3日時点において計11ヶ所でしかETCXを利用できません。
車内にいながら決済できるETCXは便利なサービスであるものの、利用できる場所が少ないため、今後は使える場所が増えることに期待しましょう。
利用時の注意点
ETCXを利用する時は、ETCカードの事前登録、利用時の一旦停止が必要です。ETCのようにゆっくり走りながら決済が完了することを前提としたシステムではないため、利用する際には、登録と一旦停止を忘れないようにしましょう。
また、登録済みのETCカードであれば、カーシェア・レンタカーでもETCXを利用することができます。さらに、利用店舗の条件で制約がされていない限り、車載器の搭載が可能な排気量125ccを超える二輪車でも利用が可能です。
ETCXを登録しておいて便利なカーライフを
ETCXは、2023年4月時点で利用できる場所が少ないものの、ETCの利用ができない有料道路を使う人に便利なサービスです。そのため、ETCXを利用できる有料道路やガソリンスタンドなどをよく使う方は、登録費や年会費がかからないため、登録しておいて損はないでしょう。雨の日に窓を開けて小銭の受け渡しをする必要がなく決済できるETCXに登録して、より便利なカーライフを過ごしてみてはいかがでしょうか。
取材・文/齊藤優太