東日本旅客鉄道(以下JR東日本」と西日本旅客鉄道(JR西日本)は、少子高齢化や働き方改革などにより社会環境が変化する状況においても、効率的でサステナブルな鉄道経営を維持し、より安全でかつ利便性の高い輸送サービスの実現を目指して、自動運転導入に向けた検討と開発を行っている。
両社は2023年4月に覚書を締結しており、今後は相互直通運用を行う北陸新幹線のE7系/W7系をベースに、自動運転の実現に向けた システム開発やコストの軽減に向け、協力して検討を進めていくという。
新幹線E7系/W7系
JR東日本の取り組み〜ATO(自動列車運転装置)の開発を進行
JR東日本は、グループ経営ビジョン「変革2027」に掲げるドライバレス運転(GoA3、GoA4)の実現のため、ATO(自動列車運転装置)の開発を進めている。
2021年度には、上越新幹線 新潟駅~新潟新幹線車両センター間において回送列車の自動運転の試験を実施。
これまでの試験などで得られた知見を元に、2020年代末に上越新幹線の新潟駅~新潟新幹線車両センター間の回送列車(GoA4)、2030年代中頃には東京駅~新潟駅の営業列車(GoA3)のドライバレス運転の実現を目指す。
JR西日本の取り組み〜北陸新幹線白山総合車両所にて自動運転機能の技術開発
JR西日本は、技術ビジョンのめざす姿として、「人と技術の最適な融合」を掲げ、「自動運転技術による安全性と輸送品質向上」の実現に向けた技術の開発に取り組んでいる。
2022年度からは、北陸新幹線 白山総合車両所敷地内において自動運転機能の要素技術開発として、車両を自動で加速・減速させ定められた位置に停止させる制御装置など、自動運転機能の評価と課題抽出を行うために実証試験を実施中だ。
今後は、北陸新幹線での自動運転の実現に向けたシステム開発やコスト軽減などの検討を進めていく。
鉄道の自動化レベル(乗務形態による分類)
関連情報
https://www.jreast.co.jp/
構成/清水眞希