収入印紙をキャッシュレス決済で購入する方法
が、現実はパンデミック前まで「日本はキャッシュレス決済後進国」と呼ばれていた。
実際、日本の(特に地方での)キャッシュレス決済普及はパンデミックに押されながらようやく叶ったという部分が大きい。そしてパンデミック時代が終焉を迎えた今、日本の急激なキャッシュレス化とは相容れない「旧態依然とした仕組み」が誰の目にも明らかになっている。
収入印紙もそのような昔ながらの制度と言えるかもしれないが、現実問題この収入印紙が完全廃止されるのはもう少し先の話だろう。
さて、収入印紙をキャッシュレス決済で購入できるのか? という質問に対し、筆者から挙げられる答えは「できる」だ。その中で最も有名な方法は、セブンイレブンでnanacoを使って収入印紙を購入する方法である。
おおっ、それなら5年用パスポート発行に必要な9,000円分の収入印紙はセブンイレブンで買えるじゃないか! と考えてはいけない。なぜなら、セブンイレブンで取り扱っている収入印紙の額面は基本的に200円。これだけで9,000円分を用意するとしたら、実に45枚もの収入印紙を揃える羽目になる。さすがにこれは現実的ではない。
キャッシュレス決済の存在意義
ところで、キャッシュレス決済の存在意義とは「現金を直接扱わなくて済む」ということであり、即ち「紛失や盗難が発生する余地をなくす」という点にあるはずだ。
そのあたりを考慮しても、収入印紙はやはり廃止の道へ向かわざるを得ない代物である。
「収入印紙の盗難」は実際にある話で、官公庁の職員が提出された台紙から収入印紙を剥がしてそれを着服していたという事件も発生している。
今後、官公庁や自治体がやるべきことは既に見えている。
「現金決済よりキャッシュレス決済のほうが安全である」というのを市民に啓蒙すると同時に、その言葉を裏付ける「制度の革新」を実行することだ。
戸籍謄本の交付、証明書の発行、納税まで!全国自治体窓口がキャッシュレス決済を続々と導入している理由
筆者がパスポートを取得するために、静岡市役所へ赴いた時のことを説明させていただきたい。 パンデミックのせいでしばらく海外渡航ができない状態だったから、期限切れの...
【参考】
令和4年9月末日で収入証紙を廃止します-京都府公式サイト
https://www.pref.kyoto.jp/koho/dayori/202207/syoushi.html
取材・文/澤田真一