新型コロナウイルス流行したこの3年は、生活者が外出を控えた期間もあり、交通機関の利用スタイルに少なからず変化が生じた。一方で、交通機関側も運行時間の変更など、これまでにない対応を取った。
このような変化を生活者はどのようにとらえ、交通機関を利用しているのだろうか?
CCCマーケティング総合研究所はこのほど、16~79歳の男女2,656名を対象に「交通機関の利用に関する調査」を実施し、その結果を発表した。
新型コロナウイルス感染症の流行前と比べると、この3年の公共交通機関の利用は減少傾向
新型コロナウイルス感染症が流行し始めてからの公共交通機関の利用頻度の変化を尋ねたところ、「以前から利用していない」を除外すると、鉄道・軌道(路面電車)、バス、タクシーのいずれも「利用頻度は以前と変わらない」が最も高くなっている。しかし、どの交通機関も「利用することが増えた」より「利用することが減った」のほうが高くなっており、全体的に減少傾向であることがわかる。
利用が減った理由は、いずれの交通機関も「外出を控えたため」が最も多くなっている。交通機関別では鉄道・軌道で「買い物や遊びなどの機会が減ったため」「在宅勤務やオンラインでの授業など通勤通学スタイルが変わったため」、バスでは「自家用車やバイクの利用に切り替えたため」、タクシーでは「交通費を節約するため」といった特徴が見られた。
運賃が20%上昇すると別の移動手段を選ぶ人が継続利用を上回る
運賃の値上げによる利用交通手段への影響を見ていくと、5%の値上げ幅では「そのまま継続して公共交通機関を利用」と回答した人が8割近くとなった。
しかし20%の値上げになると「値上げした交通の利用を減らし、自家用車や自転車、徒歩等で移動」が大きく増加しており、「ほかの公共交通機関を利用」と合計すると45.7%と「継続利用」を上回った。
値上げ幅が大きくなるにつれて継続利用は減少し、自家用車や自転車、徒歩等に移動手段を変更したり、移動自体をあきらめる人が増加するという傾向が見られた。
<調査概要>
「交通機関の利用に関する調査」(2023年2月)
調査地域 :全国
調査対象者:男女16~79歳のT会員
有効回答数:2,656サンプル
調査期間 :2023年2月13日(月)~2023年2月16日(木)
実査機関 :CCCMKホールディングス株式会社
調査方法:インターネット調査(Tリサーチ)
出典元:CCCマーケティング総合研究所(CCCマーケティング総研)
構成/こじへい