『酒と肴と男とサウナ』第24快
初めて行ったのはもう10年近く前で、その時にもまず気がついたのはサウナ室の適度な湿度。
適度な湿度のサウナ室なんてのは珍しくないですが、このサウナ室のスゴいところは、そんな適度な湿度なのに、オートロウリュの
「これで加湿してます!」
みたいなシステムがどこにも見当たらないってことなんですよ。
普通、こういうタイプのサウナはもっと湿度が低いもんだし、そういう低湿どのカラッとしたサウナにも、なんともいえない味わいがあるんですが、ここには発生源不明の謎の湿度がある。
そしてその謎の湿度がヤケに心地いい!
何でかっていうと、適度ってだけじゃなく、自然な肌当たりの湿度なの。
無理して加湿したワケでもない……いや、実際はこの湿度を生み出すのにいろいろと工夫されているのでしょうが、そんなことを一切感じさせないナチュラルな湿り気!
地球の湿度の高い気候帯……熱帯雨林気候あたりの自然の湿度といえばいいんでしょうか?
考えてみりゃ人間の身体も大きく言えば自然の一部なんだから、こういう自然の湿度が肌に合わないワケがない! そりゃ気持ちイイわ。
発生源不明ながら自然すぎて心地よすぎる湿度に包まれたサウナ室。湿度にも包まれるが、ナチュラル感にも包まれる。
サウナ室の湿度が自然なら、外気浴ができる露天温泉のエリアに至っては、もはや自然を超えた大自然!
普通、露天のスペースにある程度の広さがあって、ましてや湯が温泉だったりすると、たいてい日本庭園風というか箱庭風にするじゃないですか? ただ日本庭園っていうのは、限られたスペースに深山幽谷を再現するのが基本だから、そのために樹木も庭石も人工的に手を加える。人工的に自然を再現するというコンセプトなのね。
ところが『志楽の湯』の露天の庭は、そういった人工的というか、箱庭的な庭園とは大きく違う!
木なんか自然のまんまド~ン!
デッカイ自然石もドド~ン!!
自然を再現するというよりも、自然を
「そのまんま持ってまいました~!!」という感じなのだ。