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知ってる?中国の故事にちなんだ「白眼視」の意味と言葉の由来

2023.06.03

白眼視とは、相手を冷たい目で見たり冷遇したりすることです。中国の故事にちなんだ言葉のため、起源となるエピソードを知らないと、意味を理解するのは難しいかもしれません。白眼視の意味や読み方、さらには中国の故事・例文・類語を紹介します。

白眼視の意味と例文

白眼視は『はくがんし』と読みます。意味や例文をチェックしましょう。

冷たい目で見ること

白眼視とは、相手を冷たい目で見ることや、冷たい態度を取ることです。あまりよい意味で使われる言葉ではなく、悪意や敵意を含むネガティブな態度を表わします。

白眼視とよく似た表現は『白い目で見る』です。誰かをにらみつけると、白目の印象が強くなります。ここから、相手を蔑む目つきを『白い目』と表現するようになったとする説があります。『白い目で見る』も、白眼視と同様によい意味では使われません。

なお白眼視を英語に訳す場合は、『look at(on) someone coldly』などと表現できます。ただの『look』ではなく、『coldly(冷たく)』といった副詞が付随するのがポイントです。

由来は中国の故事

白眼視の出典は、中国の歴史書『晋書』にある『阮籍伝(げんせきでん)』です。

3世紀の中国の思想家・阮籍は、相手によって色が変わる目を持っていました。好きな人に会うと目は青くなり、嫌いな人に会うと目は白くなります。阮籍の母が亡くなったとき、嵆喜(けいき)という人が礼節を重んじて弔問してくれました。

しかし阮籍は彼を白い目で見たため、嵆喜は怒って帰ってしまったといいます。後に嵆喜の弟・嵆康(けいこう)が酒と琴を持って弔問すると阮籍は大いに喜び、彼を青い目で迎えたそうです。

阮籍は『竹林の七賢』に数えられるほどの思想家ですが、酒や音楽を好み、礼法を嫌う人でした。そのため形式的な礼を重んじる嵆喜ではなく、嵆康を好ましく思ったとされます。

白眼視の使い方・例文

日常で白眼視を使うのは、冷たく扱われたときや、そのような人を見たときなどです。例えば以下のような例文が考えられます。

  • 彼の不正が発覚して以来、周囲はすっかり彼を白眼視するようになってしまった
  • あのようにうそばかりついていれば、白眼視されるのは当然だろう
  • 自分のせいとはいえ、周囲から白眼視されるのはつらい

法律やルールを破る人・他人に不愉快な思いをさせる人は、周囲からよい印象を持たれません。要注意人物として避けられたり、冷たい扱いを受けたりするでしょう。

また自分が大きなミスや不正を犯した場合は、『白眼視される』可能性もあります。あまり好ましいシチュエーションではありませんが、周囲の人の態度が冷たくなったときは『白眼視されている』と使うことが可能です。

白眼視の類語

ケンカする男女

(出典) pixta.jp

白眼視の類語として『冷遇』『木で鼻をくくる』などが挙げられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

冷遇

冷遇は、『冷』と『遇する』の文字が組み合わさった言葉です。字面の通り、冷たく扱うことを指します。相手に冷たい態度を取る点は、白眼視と同じです。

日常生活では、以下のように使えます。

  • 彼女は部長に意見したことで、冷遇されるようになってしまった
  • 能力のある人を冷遇する会社に、将来はない

なお、冷遇されたと表現する場合は、単に冷たくされたことだけを意味するわけではありません。『不当に低い扱いを受けた』『納得のいかない扱いを受けた』という、理不尽なニュアンスも含まれるのが一般的です。

木で鼻をくくる

『木で鼻をくくる』とは、無愛想な態度を見せることです。元々は『木で鼻をこくる』でしたが、時代とともに『くくる』へと変化しました。

『木で鼻をこくる』は、『木で鼻をこする』という意味です。紙が貴重品だった昔、木で鼻水を拭いていたことに由来しています。

『木で鼻をくくる』が無愛想な態度を意味するようになったのは、『木で鼻をこすると、痛みで不機嫌な顔になるため』『江戸時代の商家の使用人は、鼻を拭くときに紙の使用を禁じられたため』などの説があります。

日常生活で『木で鼻をくくる』を使う場合は、『木で鼻をくくったような○○』と使うのが一般的です。例えばいつも不機嫌そうに対応してくる人に対して、『あの人は、いつも木で鼻をくくったような対応をする』などと表現できます。

「眼」に関する故事成語

目元のアップ

(出典) pixta.jp

白眼視以外にも『眼』に関する故事成語があります。『白眼青眼』『千里眼』について確認しましょう。

白眼青眼

『白眼青眼』は、相手によって対応を変えることを指す言葉です。言葉の由来は、白眼視と同じく阮籍のエピソードです。阮籍が、好きな人には青い目、嫌いな人には白い目と、目の色をコロコロ変えたため、好き嫌いで態度を変えることを白眼青眼と表現するようになりました。

日常生活では、『白眼青眼であからさまに態度を変えられると、不愉快だ』などと使えます。相手によって分かりやすく態度を変える人は信用できず、よい感情を抱きにくいものです。白眼青眼も白眼視と同様に、ポジティブな意味では使われません。

千里眼

『千里眼』とは、遠くの出来事や未来のこと・人の心に隠された本心などを見通す能力のことです。出典は中国・北魏の正史『魏書(ぎしょ)』の楊逸(よういつ)のエピソードにあるといわれています。

役人であった楊逸は非常に清廉潔白な人で、スパイを使って部下の横暴や不正を監視していました。遠方の情報まで常に詳しく把握していたため、周囲は彼について『千里の先まで見通せる目を持っているに違いない』と噂していたということです。

例えばテストのヤマが確実に当たる人・ギャンブルで大当たりしやすい人は、『千里眼を持っている人』と呼べます。また『先のことは分からない』と表現したい場合には、『私は千里眼を持っていないので、確実なことは言えません』などと使うことが可能です。

構成/編集部

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