シン野菜
ライトグリーンのツボミが螺旋状に並ぶロマネスコに、紫や黄色、オレンジなど鮮やかな色が楽しめるカラフル人参など、しゃれた飲食店でしかお見かけしなかった珍しい品種の野菜が、スーパーなど日常の野菜売り場をにぎわせている。これらシン野菜は新しく品種改良で生まれたものもあれば、ヨーロッパなど海外から渡来して定着したものまで由来は様々だ。
「昔は珍しいイタリア野菜が入ってきても、需要が少なくロスが多かったんです。5~6年前からアマチュアの料理家さんたちがSNSで〝映える料理〟を発信するようになり、新顔野菜の需要も高まってきました。今では一般消費者のほうが詳しいかも? というほど」と話す、築地米金の梶山洋子さん。
「花のような姿で人気のプチベールは30年ほど前に生まれた新野菜ですが、さらに進化させた紫や白なども登場し、糖度の高いトマトの品種も続々誕生。新顔野菜の可能性はとても大きいですね」
野菜摂取に関するアンケートによると、自炊の増加で野菜を意識して料理するようになったが、野菜の種類やメニューがワンパターンになるという悩みが1位を占めた。シン野菜は夕食のマンネリ化防止の救世主にもなりそうだ。
シン野菜の種類は意外に多いがアボカドのように定着する野菜は一部。今、売り場をにぎわすのは味よし、栄養価あり、使い勝手よしの映える野菜が生き残っているといえる。
野菜調理に関する悩み
野菜の調理法は生のまま、炒める、煮るが60%を占め、マンネリ化に悩む声が集まった。
プチベール
芽キャベツとケールを交配。日本で誕生。
ロマネスコ
世界一美しい野菜といわれる。イタリア原産。
うず巻きビーツ
スライスするとうず巻き柄。生で食べても◎。
アレッタ
ブロッコリーとケールを交配。スムージーに。
カラフル人参
色によって味も異なり、栄養価もアップする。
カーボロネロ
イタリア野菜の黒キャベツ。煮崩れしにくい。
取材・文/嶺月香里