最近の確定申告は毎年のように行われる税制改正に対応する必要がある一方で、スマホとマイナンバーカードを使って、いつでもどこでもe-Taxによる確定申告ができるようになるなど、作業負担の軽減もなされている。
そこで弁護士ドットコムは同社が運営する「税理士ドットコム」に登録している個人事業主348名を対象に、そんな確定申告に関するアンケート調査を実施。回答結果をグラフにまとめて発表した。
8割強が事業に関する税務申告、次いで医療費、ふるさと納税などの控除申告
個人事業主の確定申告内容としては、「事業(本業)に関する税務申告」が85.7%となり大多数を占めた。「医療費控除、生命保険料控除、住宅ローン控除、ふるさと納税など控除に関する税務申告」が36.5%、「副業やアルバイト・パートに関する税務申告」が23.4%と続く。
国税庁の申請書作成システムの普及は進まず
申請書の作成方法についての質問に対し、41.8%が「市販の会計ソフトで申告書を作成」と回答してトップとなった。
一方、「確定申告作成コーナーで作成」が19.9%、「e-Taxソフトで作成」が15.2%と、国税庁の申告書作成システムを利用した割合は合計35.1%となり市販の会計ソフトの利用率に満たない結果となった。
また、13.7%は税理士に依頼していると回答している。「その他」には「所得税の確定申告は税理士に依頼、贈与税のみ自身で確定申告作成コーナーで作成」や「市販の会計ソフトで作成し、e-Taxにて移し替えた」という回答もあり、複数の作成方法を組み合わせている事業主もいることがわかった。
申請書の提出は7割強が “e-Tax” で自宅から手軽に
申請書作成では15%程度に留まったe-Taxだが、「申請書の提出方法」についての質問では、75.4%が「e-Taxを利用」して提出していると回答。
一方、窓口に持参したと回答したのはわずか10.2%となった。コロナ禍により浸透した在宅勤務や非対面サービスなどの影響からか、税務署に行くことなく自宅から手軽に提出可能なe-Taxが 主流となっているようだ。
働きながらの作業時間確保は負担に
「今年の確定申告で苦労したこと・困ったこと」に関する回答では、「作業時間の確保」が29.8%、「税法の理解」が27.2%、「会計ソフトの使い方」が24%となり、確定申告の作業や必要な知識の習得に費やすほどの時間の余裕が得られない事業主が一定数いることがわかった。
しかし3割近くは「特に苦労したり困ったりしたことはなかった」と回答している。
調査概要
調査機関/自社調査(税理士ドットコム一般会員を対象)
調査方法/税理士ドットコムに登録のある個人事業主を対象にウェブアンケートを実施
調査対象/税理士ドットコムに登録のある個人事業主348名
調査期間/2023年3月17日〜3月23日
関連情報
https://www.bengo4.com/corporate/
構成/清水眞希