特定の周波数をカットして耳にかかる負担を抑える!
ステージの熱気が伝わるライブは、音楽ファンにとって欠かせない空間だ。コロナ禍による久しぶりの〝現地参戦〟では、ライブならではの爆音や解禁された大きな声援に、胸を震わせる人も多いだろう。そんな〝ライブ中の大音量〟から聴覚を保護しようという声が、近年はアーティスト側から上がってきている。
耳を守る啓蒙の動きに伴って注目を集めているのが「ライブ用耳栓」だ。イヤホンや耳栓をはじめ、様々なオーディオ製品を製造・販売している「e☆イヤホン」の東谷圭人さんは「ライブ用の耳栓は以前から存在していたものの、ここ数年で各社の独自製品が増えています。特に、音量を調整できるAZLA『POM1000』は昨秋の販売直後、すぐ品薄になりました」とライブ用耳栓の市場を俯瞰する。
着用する人も徐々に増えており「ライブで耳栓をするのはアーティストに失礼」とする意見とともに、それを批判する声もSNSなどで上がり始めている。
「アーティストによっては『失礼に当たらない』と発信している人もいることからも、ライブで耳栓を着用するのは何ら問題ありません。むしろ、コロナ禍でワイヤレスイヤホンにより音楽を聴く人たちが増えたことも背景に、聴覚保護への関心はより高くなりました。耳を守って音楽を安全に楽しむプロジェクト『SAFE LISTENING』などからの発信を受けて、今後はライブ用耳栓の需要が、さらに高まると見ています」(東谷さん)
多彩なライブ用耳栓の中から自分に合ったものを選び、自分の聴覚を守りながら生演奏やパフォーマンスを存分に楽しむことが、当たり前になる日も近そうだ。
オーダーメイド型
耳型から作製!一点物をゲット
e☆イヤホン・ラボ『Silicium(シリシウム)』3万1900円〜
耳型を採取して作製する貫通型シリコン製耳栓。カラーリングも豊富で、12色から選べる。ライブやテレワークなどで使える「Silicium 20」、睡眠時や騒音下での使用を想定した「Silicium 25」、音楽鑑賞向けの「Silicium 15Sp」という3種類をラインアップ。
耳型と製品を比べると忠実に再現されているのがわかる。音の減衰量が異なる3種類のフィルターで様々な用途に対応。
〈 Fitting Check!〉耳型に沿って作られているだけに、フィット感は抜群。客席で激しく頭を動かしても外れにくい。
音量調整型
スライド操作で手軽に音量を調整!
EARLABS『dBud 音量調整可能なイヤープラグ』1万780円
スライド機構で音の減衰レベルを変換可能。ボタンを開けた状態では周囲の声を拾えて、閉じた状態では周囲の音をバランスよく遮音する。複数サイズのイヤチップも付属。
側面をスライドして調整!
〈 Fitting Check!〉装着したままでも減衰レベルを調整しやすい。パフォーマンス時とMC時で切り替えるのがベター。
直感的に操作してモードをチェンジ!
AZLA『POM1000』5500円
イヤピースを回すだけで、高周波などの小さな音が気になる人向けの「クローズドモード」と、自然な遮音を実現する「オープンモード」を使い分けられる。メタル製ケースが付属。
クルッと回して調整!
〈 Fitting Check!〉本体が非常にコンパクト。小型のイヤピースも付属していて、耳穴が小さい人にも対応できそう。
シンプル型
スポンジ製で快適にフィット!
Hi-Unit branding.『HSE-FIT200』2800円
ロックバンド「凛として時雨」のピエール中野氏とコラボレーションして誕生。スポンジ製のイヤチップが耳にフィット。中野氏オリジナルデザインの落下防止クリップも付属しており、動きの激しい場面で役に立つ。
プロの支持も獲得した抜群の装着感!
ADV.『Eartune Live U』3960円
低刺激性シリコン製で着け心地がいい〝3段フランジ〟タイプ。ライブ鑑賞者のほか、プロやアマチュアのミュージシャンにも重宝されている。よりクリアな音質を求める人向けのアコースティックフィルターが付属。
〈 Fitting Check!〉柔らかくて着けやすく、シンプルな作りなので初心者向け。耳穴が大きいとややフィットしにくい。
取材・文/カネコシュウヘイ
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2023年3月31日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。