久しぶりのGoogle謹製タブレット「Google Pixel Tablet」は7万9800円~
「Google Pixel Tablet」は、5月11日予約開始、6月20日販売開始となる、久しぶりのGoogle謹製Androidタブレット。ここ数年間、グーグルは大画面デバイスとして、Chrome OSを搭載したChromebookを積極的に展開してきましたが、折りたたみスマホの登場から潮目が変わり、Android OSでも大画面のUIに対応。他社からもAndroidタブレットが続々と登場しているように、市場が徐々に盛り上がりを見せている中で、純正製品が満を持して登場した形です。
タブレットといえばiPadというイメージもまだまだ強くありますが、iPad ProやiPad Airが高性能チップセット「Apple M」シリーズを搭載し、クリエイター向けのツールへと進化しているのに対し、Google Pixel Tabletは、自宅で手軽にエンタメを楽しむ、コンテンツビュアーのような位置取りの製品となっています。
なんといっても特徴的なのが、Google Pixel Tabletの購入時には、本体の充電とスピーカーとしての機能を備える「充電スピーカーホルダー」がセットになっている点。本体と接続すると、Google Nest Hubのように、スマートディスプレイとして使用できます。
搭載チップセットはGoogle Pixel 7aと同じGoogle Tensor G2、メモリは8GB、ストレージは128GB、256GBの2モデル展開で、Wi-Fiモデルのみ。ディスプレイは約11インチとなります。
Google Pixel Tabletを自宅で楽しむデバイスと紹介したのは、ほかのタブレットの多くにある、専用のタッチペンやキーボードは発売されないため。基本的には自宅に据え置いて、Google MeetやGoogle Homeといったアプリを使い、時に自宅内で移動して使用するデバイスとして活用しやすい製品でしょう。
Google Storeでの販売価格は7万9800円~。Androidタブレットとしては、高すぎず、安すぎずといった価格設定ですが、充電スピーカーホルダーとセットだと考えれば、十分お得な印象です。
グーグル初の折りたたみスマホ「Google Pixel Fold」の実力は?
グーグル初となる折りたたみスマホ「Google Pixel Fold」も、ドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアから展開予定。日本市場でいえば、サムスン、モトローラに続く、ディスプレイを折り曲げて使用できるスマホとなります。
折りたたみスマホを手掛けるメーカーはまだ少ないものの、今回登場したGoogle Pixel Foldや、Galaxy Z Foldシリーズのような横折りタイプのものは、閉じた状態では普通のスマホ、開いた状態ではタブレットのように切り替えて使用できるのが魅力。Android OSの対応はもちろん、大画面表示に対応するサードパーティ製アプリも徐々に増えており、今後勢いを増していくと考えられます。
Google Pixel Foldは、閉じた状態で使用できる外側のディスプレイが5.8インチ、開いた状態では7.6インチとなります。特徴的なのは、閉じた状態で12.1mm、開いた状態で5.8インチと、比較的薄型にデザインされている点で、閉じたままでも、比較的すっぽりとポケットに収納できるでしょう。ただし、質量は約283gと、一般的なスマホと比較するとやはり重い印象です。
搭載チップセットはGoogle Tensor G2、メモリは12GB、ストレージは256GBとなります。折りたたみスマホとしては対応デバイスが少ない、IPX8の防水性能や、おサイフケータイ機能にも対応しています。
折りたたみスマホは、使い慣れると、これまでのスマホとはまた違う楽しみ方ができるデバイスなので、多くの人に試してほしい製品ではありますが、ネックなのが販売価格です。
Google Pixel FoldはGoogle Storeで25万3000円と、一般的なスマホとしてはやはり高価になっており、キャリアモデルはより高くなると考えられます。メーカー初の折りたたみスマホであり、円安の影響も考えると仕方のない部分もありますが、そのほかのPixelシリーズはコスパに優れた製品が並んでいるだけに、なかなか手を出しにくいというのが正直な感想です。
周辺機器をグーグルで統一してどっぷりサービスを堪能するのもあり?
2023年のGoogle I/Oで登場したのは、ミドルレンジスマホ「Google Pixel 7a」、タブレット「Google Pixel Tablet」、折りたたみスマホ「Google Pixel Fold」の3機種。
個人的に注目しているのは、久しぶりに純正タブレットが登場したことで、Pixelシリーズはスマホ、タブレット、スマートウォッチ、イヤホンなど、ラインアップが拡充された点。Pixelシリーズは、ソフトウエア、ハードウエアの両方をグーグルが手掛けることで、シンプルでわかりやすい操作性になっており、GmailやGoogleカレンダーといった、Google系サービスが使いやすいのが魅力です。
Windows PCをラインアップしない(Chromebookはありますが……)ので、完全にとはいえませんが、多数のPixelデバイスを、Googleアカウント1つで連携させて使い分けると快適なのは間違いありません。アップルが先行している「エコシステムでの囲い込み」に、グーグルが真っ向から勝負を挑んでいるような状態ともいえます。
また、Pixelシリーズが拡充していくことで、ほかのAndroidスマホメーカーがどのように勝負をしていくのかも見ものです。価格勝負にも強いPixelシリーズの連携が快適になるほど、ほかのAndroidスマホには、別の特徴が求められるようになるので、この先どのようにスマホが進化していくのか、期待せざるを得ません。
取材・文/佐藤文彦