WindowsやMacといったPCが主流の中、クラウド上でほとんどの作業を行い、比較的低いスペックの製品でも高レスポンスに期待ができる〝第3勢力〟のChromebook。
安価なモデルでもサクサク動くという特徴から、教育市場を中心にじわじわとシェアを伸ばしています。
とはいえ、これまでWindows PCやMacシリーズを愛用してきた人にとって、別のOSに切り替えるのはなかなか勇気のいる行動でしょう。営業用やプライベート用のサブ端末として使用するとしても、どのような作業ができるのか、どれくらい快適に動くのかは重要なポイントです。
そこで、PCや周辺機器、スマートフォンといったデジタルデバイスで人気のASUSから4万2800円~の価格で登場する最新Chromebook「ASUS Chromebook CX1(CX1102)」を試しながら、その実用性を検証してみました。
Chromebookの強みは「動作の軽さ」と「Googleサービスの使いやすさ」
今回試したASUS Chromebook CX1(CX1102)は、Intel Celeron N5100というチップセットを搭載。メモリは4GB、ストレージは64GBと、Windows PCでいえばエントリークラスの性能ですが、本体の起動は数秒程度で完了し、Webブラウジングや動画再生といった動作も、詰まることなく行えます。
複数のアプリを同時に起動すると、読み込みに多少時間がかかるシーンも見られますが、一度アプリを開けば、後の操作はスムーズなので、マルチタスクの作業でも、ほとんどストレスなくこなせています。
また、Googleが開発するChrome OSを搭載していることもあり、GoogleカレンダーやGmailに加え、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントといったアプリが使いやすいのも特徴。アプリは基本的にAndroidタブレットと同じ仕様になっており、ほとんどが横画面表示に対応しています。
Googleのサービスが利用できるアプリは、ほとんどがプリインストールされていますが、そのほかのアプリはGoogle Playストアよりインストール可能。AndroidスマートフォンやAndroidタブレットユーザーであれば、普段から使用しているアプリがそのまま利用でき、データの連携ができるのは大きなメリットといえます。(一部アプリは非対応)
Chromebookはどこまでビジネスシーンで活用できる?
さて、ここまで簡単にChromebookの特徴について紹介してきましたが、気になるのはビジネスシーンにおいてどこまで活用できるのかという点です。
先に触れた通り、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントといったサービスは快適に使用できるため、筆者のメイン用途である文書作成といった作業は問題なくできます。普段はWindows PCにてWordやExcelを使用しているため、仕様の違いに戸惑うこともありますが、これは慣れの問題もあるので、時間が解決してくれるはずです。
また、とにかく動作が軽いので、文書作成やグラフ編集といった作業がサクサク行えるのが魅力。複数のアプリを同時に起動したり、ブラウザで大量にタブを開くといった使い方でなければ、実用性は抜群です。
一方、少々不便に感じるのは、クラウドでほとんどの作業を行うという性質上、デスクトップにフォルダを作成したり、ファイルを一時的に置いておくといった使い方ができないのは、少し使いにくく感じます。ASUS Chromebook CX1(CX1102)の場合は64GBといったように、Chromebookにもストレージは搭載されているため、フォルダアプリにデータをダウンロードすること自体は可能ですが、メインの使い方ではないため、扱いが少し難しいというのが、正直な感想です。
フォルダアプリにデータを保存しておくこともできるが、Windows PCのような使い方はできない
また、画像編集といった少し込み入った作業をする場合、基本的にはGoogle Playストアから専用のアプリをインストールすることになりますが、使いやすいアプリを探すのがなかなか大変です。
純正アプリとしてプリインストールされているGoogleフォトアプリでも、ある程度の編集は可能ですが、サイズの調整といった細かい作業には不向き。一方、Google Playストアでは豊富にアプリが用意されているため、自分が欲しい機能を搭載したアプリを見つけるのは、骨の折れる作業です。
このように、Chromebookの特性が逆に作業を難しくしてしまうシーンもまだまだ見られますが、いずれもある程度慣れたり、ぴったりのアプリを見つけられれば解決する問題ともいえます。
また、基本的にはクラウドでの作業となるGoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントは、一度ページを開きさえすれば、オフライン環境でも編集が行えます。アップロードは次にオンラインになったタイミングになりますが、移動中などでも一工夫で十分快適に使用できるため、価格を踏まえて考えると、ビジネスパーソンにも十分おすすめできます。
また、Androidスマートフォンと接続すれば、スマートフォンに届く通知をChromebookから確認したり、ニアバイシェアでデータの送受信が行えるのも特徴。テザリングも簡単に行えるので、屋外でもすぐに作業を始めることができます。