世界3大航空アライアンスのひとつ「ワンワールド」の加盟航空会社を選ぶメリット

ワンワールドとは、世界三大航空アライアンスの一つに数えられる航空会社の共同体です。アメリカン航空やカンタス航空・キャセイパシフィック航空のほか、日本からはJALが参加しています。ワンワールドの加盟航空会社や概要・会員特典について確認しましょう。

ワンワールドとは

そもそもワンワールドとは、どのような組織なのでしょうか？ワンワールドの概要と加盟航空会社を紹介します。

三大航空アライアンスの一つ

ワンワールドは、世界170 の地域・900 以上の都市をカバーする航空アライアンスの一つです。1999年、アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空、カンタス航空によって設立されました。

ワンワールドに加盟している航空会社は、以下の13社とコネクティングパートナー1社です（2023年5月時点）。

• フィンエアー
• アラスカ航空
• アメリカン航空
• ブリティッシュ・エアウェイズ
• キャセイパシフィック航空
• イベリア航空
• 日本航空（JAL）
• マレーシア航空
• カンタス航空
• カタール航空
• ロイヤル・エア・モロッコ
• ロイヤルヨルダン航空
• スリランカ航空
• フィジーエアウェイズ（コネクティングパートナー）

『スターアライアンス』『スカイチーム』を含む三大航空アライアンスのうち、オーストラリアの航空会社が加盟しているのはワンワールドのみです。

2024年には『オマーン・エア』の参加が決定しており、ネットワークはさらに拡大しています。

日本の航空会社ではJALが加入

JALは、2007年にワンワールドに加入しました。2023年3月時点で、JALグループの運行路線は国内線133路線、国際線66路線です。国際線では、64の国と地域・376の空港に乗り入れています。

ワンワールド加入航空会社との共同運航により、JALは国際線でも質の高いサービスを提供できるようになりました。ネットワークの拡大により運航可能な地域も増え、JALユーザーの選択肢は広がっています。

ワンワールドへの加盟が、JALの国際市場における存在感の強化・ユーザーの利便性向上につながっているといえるでしょう。

広域ネットワークで世界一周もスムーズ

ワンワールドでは、加盟航空会社便を乗り継ぐ『世界一周運賃』の利用が可能です。旅程の総距離によって決まる『グローバル・エクスプローラー・世界一周運賃』と、立ち寄る大陸の数で決まる『ワンワールド・エクスプローラー・世界運賃』の2種類があります。

世界一周運賃のルールは、以下のとおりです。

• 東または西回りのみ（大陸内での逆戻りは、一部の例外を除き可能）
• 有効期限は12カ月
• 出発と帰着が同じ都市である
• 太平洋と大西洋を横断しなければならない

ワンワールドの世界一周運賃を利用した場合、選択した航空会社で対象フライト分のマイルが貯まります。航空券の予約は、ワンワールドのWebサイトから可能です。

複数都市周遊旅行：世界一周旅行航空券 – RTW | oneworld

ワンワールド加盟航空会社を選ぶメリット

JALユーザーの場合、ワンワールド加盟航空会社を選択するとメリットが大きいといわれます。どのような点が魅力なのか、詳細を確認しましょう。

加盟航空会社間でマイルを通算できる

加盟航空会社のいずれかのマイレージプログラムに参加していれば、ワンワールドに加盟する他の航空会社を利用した場合でもマイルが貯まります。

例えばJALのマイレージプログラムに加入している場合は、カンタス航空やブリティッシュ・エアウェイズなどを利用した場合でも、JALのマイルが加算される仕組みです。

利用する航空会社が路線を持っていない地域でもマイルをあきらめずに済むのは、大きなメリットといえるでしょう。

コードシェア便を利用できる

コードシェア便とは、2社以上の航空会社が共同運航する航空便です。提携先の航空機や乗務員によって運航されるのが一般的で、便名には共同運航する全ての航空会社の名前が記載されます。

コードシェア便のメリットは、航空会社が運用を行っていない地域にも行ける点です。目的地までのチケットを別々に予約する必要がなく、マイルも貯まります。

またワンワールドに加入できるのは、アライアンスの審査をパスした航空会社のみです。サービスやフライトでは一定以上の質が担保されており、搭乗の際の不安がありません。

例えばJALとの共同運航便を利用すれば、JALクオリティのサービスを受けることが可能です。

乗り継ぎがスムーズ

多くの空港では、ワンワールド加盟航空会社同士をまとめて配置しています。加盟航空会社の便を乗り継ぐ場合には、非常にスムーズです。

またワンワールドでは、スルーチェックインサービスを提供しています。スルーチェックインサービスとは、一度のチェックインで乗り継ぎ分の手続きまで完了できるサービスです。

預け入れた荷物も最終目的地まで運ばれるため、乗り継ぎ地で受け取る必要はありません。乗り継ぎにかかる時間と手間が削減され、旅行のストレスが減ります。

ただしスルーチェックインサービスの対象となるのは『1枚の航空券に記載されている乗り継ぎ』『同一の予約番号で作成された予約』のみです。

ワンワールドの上級会員の特典

ワンワールドに加盟している航空会社で上級会員になると、ワンワールドの上級会員として『エメラルド』『サファイア』『ルビー』のいずれかのステータスが与えられます。ワンワールドで上級会員になるメリットを見ていきましょう。

ワンワールドの空港ラウンジを利用できる

エメラルドまたはサファイアのステータスを所有している人は、ワンワールドが運営している空港ラウンジを利用できます。空港ラウンジは世界各地に約620あり、出発前のひとときをのんびりと過ごすことが可能です。

ワンワールドの上級会員なら、空港ラウンジの利用条件に座席ランクは含まれません。ただしファーストクラスラウンジを使えるのは、エメラルドステータスを持つ人のみです。サファイアの人は、ビジネスクラスまたはフリークエント・フライヤーのラウンジを利用できます。

空港ラウンジを利用する際は、ワンワールド加盟航空会社の航空券と会員証の提示が必要です。加盟航空会社を利用する人なら、1名まで同伴できます。

チェックイン＆搭乗が優先される

ルビーとサファイアステータスの人は、ビジネスクラスチェックインカウンターで優先的にチェックインできます。サファイアステータスには手荷物許容量の優待や搭乗の優先案内もあり、チェックインから搭乗までがスムーズです。

また最上位のエメラルドステータスになると、ファーストクラスチェックインカウンターを利用できます。手荷物許容量の優待や搭乗の優先案内はもちろん、保安検査場の優先ラインや優先レーンの利用も可能です。

キャンセル待ちでも優遇される

ルビー・サファイア・エメラルドのいずれのステータスでも、キャンセル待ちにおける優遇があります。航空券の予約時に空きがなかった場合は、ステータス所有者から優先的に案内される仕組みです。

またキャンセル待ちの優遇は、空港で空席待ちをする場合にも適用されます。例えば搭乗便を急遽変更したい場合などでも、ワンワールドのステータスを持っていれば、空席が出た時点ですぐに確保してもらえます。

ワンワールドの加盟メンバーを紹介

ワンワールドには、JALをはじめさまざまなフルサービスキャリアが加盟しています。どのような航空会社があるのか確認しましょう。

なお記載している情報は、全て2023年5月時点のものです。

キャセイパシフィック航空

キャセイパシフィック航空は、1946年に創業された香港の航空会社です。香港国際空港を拠点に、世界35の地域・119の目的地に就航しています。

キャセイパシフィック航空は、元々アジア・オセアニア地域のみで運航する小さな航空会社でした。しかし徐々にネットワークを拡大し、ヨーロッパやアメリカなどにも航路を持つようになりました。

1990年代には、全ての座席クラスでパーソナルテレビの導入を行うなどの革新的な取り組みを行っています。顧客優先の革新的なサービスは、高く評価されています。

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アメリカン航空

アメリカン航空は、1926年創業のアメリカの航空会社です。アメリカ三大航空会社の一つに数えられ、ワンワールドの創設においても中心的な役割を果たしました。

アメリカン航空が運航しているのは、世界60の国と地域・350以上の都市です。アメリカ国内にはシャーロット・シカゴ・ニューヨークなどをはじめとする八つのハブ空港を持ち、包括的なネットワークを構築しています。

またアメリカン航空は、JALと密な共同事業を展開している点もポイントです。2社の太平洋路線を合わせると、羽田・成田・関空から毎日16便がアメリカ9都市へと運航しています。

American Airlines

ブリティッシュ・エアウェイズ

ブリティッシュ・エアウェイズは、イギリス・ヒースロー空港に拠点を置く航空会社です。前身となる会社が設立されたのは1919年で、航空会社として長い歴史を持ちます。1997年のワンワールド創業時も、中心メンバーの1社として重要な役割を果たしました。

ブリティッシュ・エアウェイズが運航するのは、世界72の国と地域・190以上の目的地です。日本の航空会社ではJALと提携しており、羽田・成田両空港に運航しています。

系列の航空会社は、ロンドン・シティ空港から運航する『BAフライヤー』、北欧を中心に運航する『サンエアー・オブ・スカンジナビア』、北アフリカ行きの便を運航する『BAユーロフライヤー』があります。

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構成／編集部