蓄積した知識をもとにAIがリアルタイムで音声処理を実施
デマント・ジャパンは同社が展開するフィリップスのAI搭載補聴器フィリップス ヒアリンクの新シリーズ「フィリップス ヒアリンク 9040、7040、5040」の発売を開始した。価格はオープン価格(補聴器本体は非課税)。
フィリップス ヒアリンク(以下、ヒアリンク)は、独自開発のAI(人工知能)音声処理技術を搭載した高性能な補聴器。
AI音声処理技術は、1000万以上のさまざま音環境について予めAIに学習させて、学習済みの蓄積した知識をもとにAIがリアルタイムの音声処理を行なう。これにより、街頭やレストランなどの騒がしい環境下でも、会話をよりクリアに聞き取ることができるのだ。
今回登場するモデルは新たに「サウンドプロテクト」機能を搭載。AI音声処理技術との相乗効果によって雑音が少ない、よりクリアな音を届けることが可能になったという。
会話には影響を与えず不快な音のみを抑制するサウンドプロテクト機能
当機能は、不要な音を信号処理の過程から除去するというユニークな機能を持つ。周囲の音環境の変化を常に素早く検知・分析し、大小の突発的な音や風切り音が発生するような雑音が多い環境下でも、会話には影響を与えず不快な音のみを抑制して、より音質を高めた聞こえを届けることが可能。
これにより、例えば靴音やキーボードを叩く音、ドアがバタンと閉まる音といった大小さまざまな衝撃音や、車の走行時に発生する風の音などの雑音がある場面でも、予期せぬ音の刺激を感じることなく会話がよりクリアに聞こえる、と同社では説明している。
また新製品は全て2.4GHz Bluetooth 低エネルギー(BLE)を搭載し、外部機器とのワイヤレス接続に対応している。
補聴器をiPhoneやAndroidデバイスに接続し、通話や音楽などを補直接補聴器にストリーミングして、ワイヤレスヘッドホンのように楽しむことができる(※1)。またiPhone、iPadと連携したハンズフリー通話にも対応している(※2)。
スタイルは、小型で目立ちにくい「耳かけ型」で、電池タイプと充電タイプをラインアップ。カラーは髪や肌の色にマッチするベージュ系、グレー系の全6色があり、新たにユーザーの要望によって生まれた新色「ベージュ×ベージュ」が加わった。
ヒアリンク補聴器を手軽に操作できる専用アプリ「Philips HearLink 2」
さらに今回、ヒアリンク補聴器を手軽に操作できる専用アプリ「Philips HearLink 2(フィリップス ヒアリンク 2)」が登場した。
スマートフォンがリモコンとなり、補聴器の音量調整やプログラム変更をアプリ上で行なえたり、補聴器を探す機能、電池残量の表示、さらに聴覚ケアの専門家による補聴器の調整を遠隔操作で自宅にいながら受けられる「リモートフィッティング」機能など、便利なツールが搭載されている(※3)。
またフィリップス ヒアリングソリューションズは、持続可能性の観点から「責任ある製造」への取り組みを推進しており、エネルギーの使用量を減らし、より多くの再利用を目指している。
具体的には、補聴器と充電器の梱包資材等に再生プラスチックを50%以上使用することや、PVC(ポリ塩化ビニル)からより環境に優しいプラスチックに移行し有害物質の使用を避けること、2024年までに充電システムのエネルギー効率を最適化することなどが含まれる。
新製品の概要
製品名/フィリップス ヒアリンク 9040、7040、5040
スタイル/充電タイプ、空気電池タイプの各2タイプ(4スタイル)
・充電タイプ:ミニRITE T R、ミニBTE T R
・空気電池タイプ:ミニRITE T、ミニBTE T
価格/オープン価格 ※補聴器本体は非課税です。
適合範囲:ミニRITE T R、ミニRITE T:軽度~高度・重度難聴(105 dBHLまで) ミニBTE T R、ミニBTE T:軽度~高度難聴(85 dBHLまで)
カラー/肌や髪の色にマッチするベージュ、グレー系のツートンカラー計6色
その他/防塵・防水の国際保護等級IP68取得。日常生活防水仕様
関連情報
https://www.hearingsolutions.philips.co.jp
※1 iPhone/iPad(iOS13以上)、一部のAndroid端末(OS10以上でAHSA対応)を推奨。
※2 ハンズフリー通話機能は、ヒアリンク 9040/30、7040/30、5040/30、3030、2030にて利用可能。iPhone、iPadを用いたハンズフリー通話は、iPhone 11 以降かつiOS15.2 以降、iPad OS 15.2 以降で動作するiPad で利用可能。Android端末の場合は、フィリップス オーディオクリップの併用が必要。
※3 リモートフィッティングの利用に際しては、ユーザーがヒアリンク補聴器を購入した販売店において、同サービスを提供している必要があります。
構成/清水眞希