コモディティ投資② 銀
金と比べて値動きが激しいのが銀の特徴です。
古くは紀元前のエジプトで銀は金と同じように貨幣として利用されてきました。
銀が世界でどのように使われているのか、データ収集をしている「シルバーインスティチュート」によると、銀の供給の約80%は鉱山、約15%はリサイクルです。また需要先として写真関連で約30%、投資用に約20%、その他には電気製品やジュエリーなど銀の用途はさまざまです。
金のほとんどが投資用であるのに対して、銀の用途は豊富であることも特徴です。
注目はゴールドシルバーレシオ
またゴールドシルバーレシオという金の価格を銀の価格で割った数字にも注目です。
これは金の価格が銀の価格の何倍なのかを示しており、歴史的に金の価格が銀の価格の約80倍以上になったときが買い時の目安と考える投資家もいます。
ちなみに過去20年間で80倍になった時期は2003年、2008年、2016年、2020年以降のタイミングです。
銀の投資先とは?
実際に銀に投資する場合、まとまった資金があれば現物のコインやバーを購入して金庫などに保管する方法があります。とはいえ、注意点としては銀は金よりも変動率が高いことが挙げられます。こうしたリスクを現物で避けたい場合、バーよりもコインの方が良いでしょう。
また銀はETFを購入する方法があります。
そのなかで最も出来高と純資産総額が大きいETFは下記の1本です。
・SLV(iシェアーズシルバー・トラスト)
コモディティの注意点とは?
あくまでコモディティは分散投資という観点からポートフォリオに組み入れるべきかを検討するものと考える方が良いでしょう。
そのため、金も銀も理想としては、現物商品(バー、コイン)とETFなどに分散しながら毎月つみたてを継続することで、価格変動もある程度抑えることができるはずです。
投資期間としては短期で5年以上、長期で30年ほどつみたてすることができれば、リスクヘッジとしての効果も大きくなると考えられます。
コモディティと米ドルの関係性から見えるもの
コモディティに該当する商品のほとんどが米ドル建てで取引されています。
つまりコモディティ投資をする場合、注目は「米ドル」の値動きということです。
またコモディティと米ドルは長期的には逆相関の関係にあることが多いです。
・米ドルが上昇するとコモディティが下落する
・米ドルが下落するとコモディティが上昇する
これは常に起こるわけではありませんが、そういう傾向が強いことは念頭に置いておくと便利でしょう。
おわりに
投資の世界では1度も失敗をしない、ということは不可能なことです。
つまり投資をする上で大切なことは、失敗の仕方を学ぶことではないでしょうか。
だからこそ、どんなマーケット状況になっても投資を続けられる環境を作ることが大切であり、コモディティ投資の考え方は大いに役立つのではないでしょうか。
もちろん投資のロードマップは個々で異なるものですが、納得のいくポートフォリオの構築に少しでも参考になれたなら嬉しく思います。
文/鈴木林太郎