『新西蘭』は、ある島国の名前です。難しい漢字は使われていませんが、なかなか読めない人もいるでしょう。新西蘭の正しい読み方・由来を紹介しつつ、新西蘭がどのような国か、人口や面積などの基本情報や、日本との意外な共通点について見ていきます。
新西蘭の読み方って?
『新西蘭』は、何と読むのが正しいのでしょうか?普段見かけない漢字表記ですが、南半球に位置する島国というと、何となく想像できるかもしれません。新西蘭の正しい読み方を、国名の由来とともに紹介します。
読み方は「ニュージーランド」
『しんせいらん』と読みがちですが、新西蘭の正しい読み方は『ニュージーランド』です。ほかの国でも『ランド』が付く国名には『蘭』という漢字表記が使われています。例えば、『氷蘭(アイスランド)』や『愛蘭(アイルランド)』です。
ニュージーランドには、『アオテアロア』という別名もあります。もともとニュージーランドには、8~9世紀頃に中央ポリネシアから移住してきた、マオリの人々が住んでいました。『アオテアロア』は、マオリの言語で『白く長い雲がたなびく地』という意味の、ニュージーランドの呼び名です。
新西蘭の国名の由来も紹介
ニュージーランドの由来は、『海の地』という意味を持つオランダの『Zeeland(ゼーラント)』です。ニュージーランドを発見したオランダ人がゼーラントにちなんで、『新しい海の土地』という意味のラテン語で、『Nova Zeelandia(ノバ・ゼーランディア)』と名付けたといわれています。
後に、オランダ語の『Nieuw Zeeland(新しいゼーラント)』と呼ばれるようになり、それが『New Zealand(ニュージーランド)』と、現在の英語表記に変わったのです。
オランダのゼーラントは海に囲まれた地域で、ニュージーランドの島々を目にしたオランダ人は、ゼーランドを思い浮かべて名付けたのかもしれません。
新西蘭とはどんな国?
ニュージーランドの基本情報や特徴、人気の観光スポットを紹介します。さまざまな角度から見ることでことで、ニュージーランドがどのような国か分かるでしょう。
新西蘭の基本情報
南北に細長いニュージーランドは、北島と南島、複数の属島に分かれています。日本の約3/4の面積を有し、人口は約504万人で、その約3/4が北島で暮らしています。首都であるウェリントンの人口は、約21万6,000人です。
人口は欧州系が約70.2%を占めます。公用語には英語とマオリ語が使われています。2006年以降は、手話も公用語として採用されました。約48.2%が無宗教の人で、キリスト教徒が約36.5%です。
自然豊かな多民族国家
ニュージーランドは、自然豊かな国として知られています。人よりも羊の数が多いといわれ、広大な牧草地で暮らす羊の群れが見られます。
また、上述のように多民族国家としても知られており、約70.2%の欧州系の他、約16.5%がマオリ系、約8.1%ポリネシアなどの太平洋島嶼国系、約15.1%がアジア系です。ただし、混血などの理由で複数回答者がいるため、各民族の合計は100%以上になります。
多民族国家なのは、ニュージーランドの歴史と関係があります。ニュージーランドには、先住民であるマオリの人々が暮らしていましたが、1840年に正式にイギリスの植民地になりました。それをきっかけに、イギリス人をはじめヨーロッパ各地からの移民が増えたことが、多民族国家になった理由の一つです。
新西蘭の人気のスポット
世界遺産『テ・ワヒポウナム』は、独自性のある豊かな自然を楽しめる人気のスポットで、氷河で削られた迫力ある地形が見られる『フィヨルドランド国立公園』を始めとする四つの国立公園があります。
『テカポ湖』は、星空保護区に指定されており、美しい星空が見られるスポットとして有名です。その壮大な美しさは、世界遺産への登録が検討されているほどです。
国内で最も多くの人が住む中心都市『オークランド』も多くの人が訪れています。都会でありながら、ビーチやヨットセーリングなどを楽しめるのが魅力です。フェリーで30分程度の場所には、『ワイヘキ島』と呼ばれるリゾート地もあります。
新西蘭と日本の共通点
ニュージーランドと日本は異なる点もありますが、意外な共通点もいくつかあります。地理的な条件や、温泉の習慣といった共通点を見ていきましょう。
日本のような細長い島国
ニュージーランドは、日本と同じように細長い島国という共通点があります。南北に細長い地形なので、北部は亜熱帯、南部は温帯に属し、地域によって気候が異なるという点も同じです。
南半球に位置しているため、日本とは季節が逆ですが、四季もあります。ニュージーランドでは、夏にクリスマスがやってくるのは有名です。
12月~2月が夏、6~8月が冬に当たり、日本ほど季節による気温差は激しくありません。旅行の際に北島と南島を移動するなら、北は温暖で南に行くほど寒くなることに注意しましょう。
新西蘭にはたくさんの温泉も
温泉は日本独自の文化だと思っている人もいるかもしれませんが、ニュージーランドにも多くの温泉があります。日本と同じく環太平洋火山帯に位置しており、確認されているだけでも150以上の温泉があるのです。
ニュージーランドの数ある温泉の中でも有名なのが『ロトルア』です。マオリの文化の中心地にあり、古くから使われてきた温泉の一つで、現在は緑に囲まれた温泉街になっています。
マオリの人々は、古くから治療や静養に温泉を利用してきたといわれており、ニュージーランドには温泉を楽しむ文化が根付いています。
構成/編集部